中学受験 情報 局『かしこい塾の使い方』

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水さんのお話

中学受験2011年10月08日18時15分
急に気温が下がり、朝晩は寒いと感じるようになってきました。

もう10月。

いよいよ直前期ですね。

さて、私の授業に来てくれる小学6年生も、ほとんどの場合授業内容は受験対策。やはり過去問に関する質問などがとても多いです。
また質問も、
「先生、さおはかりの問題、何回やっても全問正解ができないんだけど・・・。」
「ブロックを積んでいくタイプの問題がわからないんです。」
など、とても具体的になってきています。皆、自分の弱点、克服したいポイントをしっかり把握できていて、ちょっと頼もしい状態になっています。

さて、そんな質問の中でおそらくベスト5には入るのではないかと思うのが、浮力。

この単元、「さっぱりわからない」というお子さんが非常に多いです。
「液体中の物体は、その物体がおしのけた液体の重さと同じ大きさの浮力を受ける」
というのがアルキメデスの原理ですが、文章だけで読んでもわかりづらいようです。

私はこの表現がわかりにくいというお子さんに伝えるとき、
「押しのけたぶんだけ押し返される」と縮めて言うようにしています。

「たとえばね・・・。」
と続くわけですが、このあとが勝負です。

ここから例を挙げて説明するわけですが(拙著にも授業の様子を詳しく解説しています)、今回は授業の臨場感そのままに、関西弁バージョンでお送りします。
私が普段お子さんと勉強するのはSS-1関西の教室ですので、もちろん関西弁でやりとりを行うからですが、わかりにくい方のために「標準語訳」もお付けします。

辻 「たとえばね、ここにビーカーに水が入ったやつ(もの)があるとする。この中では、ふだん水さんたちが平和に暮らしています。」
お子さん 「え?水さん?」
辻 「そう。平和に暮らしてるわけよ。水さんたちが。
お子さん 「う、うん。」


辻 「ここにやな(ここにね)、ある日、この物体Pが突如として入ってきました!逃げ惑う水さんたち・・・。体積60cm3のPが入ってきたために、もともとここに住んでいた60cm3の水さんたちは、散り散りになってしまいました・・・。」


お子さん 「うわ~、可哀そ(かわいそう)。ありえへんな(ありえないよね)。」
辻 「たとえばやで(たとえばさ)、君が今日家に帰ったら、知らないおじさんが君の家に上がり込んでご飯を食べています。どうする?」
お子さん 「え~っ!?そりゃ、追い出すわ。(追い出すよ)」
辻 「そやろ(そうだろう)?警察呼ぶとか、蹴っとばすとか、とにかく何とかして追い出そうとするやろ(するでしょう)。」
お子さん 「うん。」
辻 「水さんたちだって、同じわけよ。突如侵略してきたPに対して、立ち退き運動開始!」
お子さん 「わはは。立ち退き運動、いいぞ!」
辻 「ところで、3人に意地悪したら、3人から仕返しされるよね。」
お子さん 「うん。そりゃそうやで(そりゃそうだよ)。」
辻 「この場合、意地悪された水さんは何cm3かな?」
お子さん 「60cm3!」
辻 「そやね(そうだね)。その水さんたちが仕返ししてくるんや(くるんだ)。」
お子さん 「60gで押してくるんやな(押してくるんだね)。」


辻 「その通り!」

といった感じでしょうか。

物理とは、目に見えないエネルギーを扱う分野です。目に見えないものをお子さんに上手く伝えるには、身近なもの、経験したことがあるもの、想像しやすいものに置き換えて説明すると、上手くいく場合が多いです。
それも、バカバカしいくらいわかりやすいストーリーに置き換えるわけですね(関西ではこういう風な行動を「ベタ」と呼ぶのですが・・)・。
この「水さんの物語」は、お子さんたちに大いに「受け」ますし、忘れません。物理分野には、こういう風に擬人化できる現象がたくさんあります。たとえば、「電流君」は、狭い電熱線の中を通り抜けるのが苦手で、できれば広い道を選ぼうとし、「音速君」はまさにマッハで進む超スピード野郎なんですね。遠く離れた岸壁まで短時間で進んでいって、タッチして戻ってくるわけです。

笑いだけではもちろん受験は乗り切れませんが、「難解で退屈だなぁ」と思っていた単元に、少し笑いのエッセンスを入れて、お子さんたちがふふっと微笑みながら取り組むことができるようにしてあげるのは、とても大切なことです。

「ええと水さんが押し返す力は・・・」なんてブツブツ言いながら、サクサクと問題を解き進めていくお子さんを見るのはいいものですよ。
中学受験2011年10月08日18時15分

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主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。