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暗記について その2

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家庭学習 2011年11月07日15時26分
突然ですが、次にあげる4つの動物のうち、仲間はずれはどれでしょう?

A. カエル
B. トンボ
C. タニシ
D. ツバメ

いかがでしょう?
実は解答は1つではありません。
たとえばツバメが仲間はずれだとしたら、他の3つに共通する性質は「変温動物」または「水中生活の時期がある」ということになるでしょう。

では、タニシが仲間はずれの場合、他の3つに共通する特徴は?

答えは、実は「卵生」です。
ではタニシは卵で増えないのか?というと、たしかに卵で増えるのですが、タニシは「卵胎生」なんですね。

鑑賞魚として飼われるグッピーなどと同じで、体内で卵が孵化して、幼生の状態で出てくるんです。
哺乳類などの「胎生」との違いは、胎生の動物は「胎盤」を持ち、お腹の中で「へそのお」を通して胎児と母体との間に栄養分の供給などのやりとりがあるということです。一方「卵胎生」は、単に母体の中で卵が孵化して幼生が出てくるだけです。

「え~!そんなの塾で習ってないよ!!」

というお子さんたちの声が聞こえてきそうですが、実際にある学習塾のテストで出題された問題です。
ここで出てくる疑問に、

「そんなこと覚えとかなくちゃいけないの?」
とか、
「どこまで覚えていればいいの?」

などがありますよね。私もお子さんたち、お父さんお母さんたち、そして新人の講師たちからよく質問されます。

たとえばメダカのひれが5種7枚であることを覚えておくのは「絶対」でしょう。
ジャガイモの同じくぼみから芽と根が出ることも「絶対」です。
北極星の高度がその土地の北緯と等しくなることも。

それらにくらべると、タニシが卵胎生であることは「絶対」でもないんですね。だから進学塾の基幹講座のテキストにも出てこないわけです。
そりゃあ理想的には、何でも知っているに越したことはないのでしょうが、進学塾の授業時間にも限りがありますから、重要度の低い(この場合、入試に頻出ではないという意味です)事柄は扱われないわけです。
じゃあタニシの件は忘れてしまってもよいかというと、これも何かのご縁、ではないですが、テスト直しの段階で「へ~、そうなんだ。」と覚えてしまったらよいでしょう。

このような、いわば「重箱の隅的」知識の扱いはこれでOKです。

それが「絶対」なのかそうでないのかは、塾の先生に聞いてみてもよいですし、正答率からもある程度推測できます。正答率が50%を超えるような問題は、どこかで習っている可能性が高いです。
ただしここで注意すべきは、必ずしも正答率は万能ではないということです。
これがたとえば三択の問題であれば、受験者全員があてずっぽうで答えたとしても、計算上33%くらいの正答率が出ることになります。
これに、少し機転を利かせて「カエル・トンボ・ツバメは明らかに卵生だから、仲間はずれはタニシだろう」と考えた受験生を加えると、正答率が50%に近くなってもおかしくはありませんね。

次回はもう少し詳しく、「何を覚えるべきか」というお話をしましょう。
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家庭学習 2011年11月07日15時26分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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