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グラフの制覇⑥

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中学受験 2012年09月28日00時40分
秋分の日も過ぎ、急に秋らしい気候になってきました。

夜になるとひんやりしていますね。

お子さんたちは運動会の練習で大変かもしれませんが、それももうあと少しです。


さて、グラフに関して、6回目です。


ではさっそく。

【問題】あるこさの塩酸50mlに、水酸化ナトリウム水溶液を少しずつ加え、液温をはかって記録しました。
横軸をくわえた水酸化ナトリウム水溶液の量、縦軸を温度変化としてグラフにすると、どのような形のグラフになるでしょうか。次から選んで答えなさい。



中和反応によって、熱が発生します。

ですから、中和反応が進むにつれて液温は上がっていきますね。

しかし、完全中和点を過ぎたあとは、それ以上熱が発生しませんから、アを選んでしまうお子さんも多くいます。

しかしそこが引っかけですね。

中和反応が終わったあとも、水酸化ナトリウム水溶液を加え続けるので、いったん上がった液温は、加えている水酸化ナトリウム水溶液の温度に近づく、つまり低くなっていくはずです。

ですからこたえはウかエということになります。

で、ここからが難解です。

中和反応がおこっているとき、加えた水酸化ナトリウム水溶液が一定ならば、一定の熱が発生すると考えられます。しかし、温度の上がり方は一定ではありません。

なぜなら、液全体の量が増えているため、温度の上がり方はだんだん緩やかになっていくと考えられますね。

こうなると、もうこたえはウとしか考えられません。


ちなみに完全中和点を過ぎると温度は下がっていきますが、その下がり方もだんだんゆるやかになっていきます。

なぜなら、たとえば10mlの水溶液に10mlの水溶液を加えると2倍になったことになりますが、次に20mlになった水溶液に10mlの水溶液を加えても、1.5倍にあったことにしかならないからです。

つまり全体量が増えるほど、温度の下がり方は緩やかになっていきますね。


この問題は、けっこうシンプルに見えて億が深いです。最難関レベルといっていいでしょう。


6年生はいよいよ受験シーズン。

どんどん問題を解いて、経験値を上げていきましょう!
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中学受験 2012年09月28日00時40分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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