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「ウラ技」は近道なのか?

かしこい塾の使い方2015年11月12日16時44分

秋も深まり、ちょっと「冬」を感じることもある毎日ですね。受験生たちは過去問や志望校別特訓の勉強に忙しくしているのでしょう。
私の専門は算数、理科ですが、そんな理系科目に「拒絶反応」のようなものを持っているお子さんを、6年生のこの時期から預かることがあります。
どうしても、過去問で点が取れないんです。国語や社会はなんとかなるんですが、算数と理科が足を引っ張って・・・。
そんなご依頼です。特に理科に関しては「興味が湧かない」「面白くない」「さっぱりわからない」など、お子さんたちからの「バッシング」(笑)も相当なものです。
11月も半ばを迎え、入試までの残り時間は2ヶ月余り。ここから理科の点数を上げるには、どうすればいいのか。あと2ヶ月しかないんだから、ウラ技やテクニックをバンバン教えてとにかく「点が取れる」という方法を身につけさせればいいんじゃないのか・・・
残念ながら、というか残念でもないのですが、そんな方法は・・・無くはないのかもしれませんが、実は効率が悪いのです。ある問題については解けるようになるかもしれませんが、問題のタイプがちょっと変わったら対応できない、という「ウラ技」はちょっと使いづらいのです。
私の経験上、「理科がさっぱりわからない」と言っているお子さんでも、受験勉強を続けてきている以上、ある程度の知識はあるのです。ではなぜ「さっぱりわからない」かというと、「習ったこととテストに出ていることが違う」というのです。
確かに、理科が嫌い、わからないというお子さんでも、塾のテキストに出てきた問題そのまま、といった問題は難なく解けるのです。でももちろん、入試問題や大きな模試に出てくるのは、そういった問題ばかりとは限りません。いわゆる「応用問題」が出てくるのです。身もふたもないのですが、一言で言ってしまえば、理科が苦手なお子さんは、応用問題ができないのです。
さて、では応用問題が解けるようになるにはどうすればいいのか。
これは、先ほど「ウラ技」が使いづらいという話をしたことと関係があります。
ウラ技ではないですが、公式や法則、定理といったものは、その理由や仕組みを知って、ああ、なるほどという理解や納得があって、始めて面白く使えるわけです。
たとえば三角形の面積の公式
底辺 × 高さ ÷ 2
ですが、みなさん習ったときにはその理由を教えてもらったはずです。

20151112.png
図で「底辺 × 高さ」では四角形の面積を求めることになり、その半分の面積の三角形は「÷ 2」で求められる、というのが、習った時の説明にあったかもしれませんね。
これを知らないと、
底辺 × 高さ ÷ 2
は、ただの無味乾燥な数字と記号の集合になります。
三角形の面積くらいなら、忘れてしまってもすぐに理由を思い出せるでしょうが、さらに複雑な公式や「ウラ技」などは、その理由をうっかり忘れてしまったり、そもそも理由をよくわからず使っていたりすると、使っていても楽しくないし、「なるほど」という感動もないし、忘れてしまったら思い出すことができないのです。
さて、話を戻して、応用問題が解けない、というのは、応用問題に至るまでのどこかで、習った事実や公式の意味をよく理解しないまま覚えていたり、あやふやなところを残したまま勉強を進めてきてしまっているからです。
これは別にお子さんがサボっていたとかそんなことではなく、授業で聞いたときになんとなくわかりにくかったけど、質問しそびれてそのままになったとか、そんなことの積み重ねが理由です。
ここから2か月で「理解」とか「納得」とか言ってる時間なんてないんじゃないの、と思われるかもしれません。
でも、結局「ウラ技」に頼ってもそのほうが結果的に遠回りなんです。
はじめのほうで、「理科がさっぱりわからない」と言っているお子さんでも、受験勉強を続けてきている以上、ある程度の知識はある、と書きましたよね?
その知識を、入試問題を解きながらつなぎあわせて、1つ1つの問題で「納得感」を得ていく。これがもっとも効率がよく、数字にもつながり、お子さんが楽しんでできる入試対策です。
この方法のよい所は、入試が終わった後に「小学校では理科はあんまり好きじゃなかったけど、これなら中学校に入って楽しく頑張れて結果も出そう」とお子さんに思ってもらえるというおまけが付いていること。
2か月、短いようで長いですよ。過去問に全力で取り組みながら、答え合わせの時間は「なんで?なんで?」を心のなかで連発しながら取り組んでみてください。
かしこい塾の使い方2015年11月12日16時44分
主任相談員の辻義夫
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である辻義夫が家庭学習で悩んでいる方にすぐに実践できる効果的な学習方法をお教えします。
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