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中学受験の偏差値ってどう付き合えばいいの?

中学受験の偏差値ってどう付き合えばいいの?
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更新: 2016年12月23日 公開:

なんで塾によって同じ学校の偏差値が違うの?

中学受験を目指そうと考えたとき、志望校が明確であれば、どうしても気になってしまうのが偏差値です。
偏差値は実際の中学受験指導の現場においてもさまざまな判断を行うための重要な指標の一つです。

例えば、東大合格者数や合格率などで全国的にトップ校として知られている開成中学の偏差値は、各塾によってこのように示されています。
(80%合格偏差値をピックアップしています。)
(2016年11月段階での資料を元にしています。実際の数値は各塾の資料をご確認下さい。)

SAPIX 66
日能研 72
四谷大塚 71
首都圏模試 77
早稲アカ 71
浜学園 63

同じ中学受験をサポートする塾なのに、なぜこのように数値に大きな差が出てしまうのでしょうか?
そもそも偏差値とはどのようなものなのかを踏まえ、一つひとつ説明しておきたいと思います。

そもそも偏差値ってなに?

偏差値とは、簡単に言えば、
「同じテストを受けた集団の中での、お子さんの学力の位置」
ということです。
偏差値50なら集団のちょうどど真ん中辺り、平均点ということですね。

正しく理解するためには統計学の基本的な知識が必要になりますが、中学受験において進学塾で示される偏差値は、あくまで判断のための一つの指標だと割り切っておくほうが良いでしょう。
指標だと割り切ることで、統計学的にはとんでもないけれども中学受験指導においてはそこそこ正確な計算なども存在します。(これについては後述しますね。)

でもここでちょっと疑問を感じてほしいのですが、先ほど申しあげたとおり偏差値とは
「同じテストを受けた集団の中での、お子さんの学力の位置」
なのですが、であれば、
「開成中学の偏差値」
という言い方は非常に無理があります。
開成中学がお子さんと同じテストを受けている、ということはもちろんありませんから。

各塾が各中学の偏差値として示しているのは、ほとんどの場合
「80%合格可能性のある偏差値」
という意味です。
つまり、
「同じテストを受けた集団の中での、お子さんの学力の位置」
がSAPIXに通っているお子さんで66なら、過去同じ成績で開成中学に合格した生徒が80%ほどいましたよ、という基準になるわけです。
(実際は各塾により80%合格の定義が異なります。)

偏差値の違いはどこで出るの?

では同じ開成中学の偏差値でも各塾で大きく異る理由に関して少しお話しましょう。

先ほど申しあげたとおり、偏差値とは
「同じテストを受けた集団の中での、お子さんの学力の位置」
なのですが、この
「同じテストを受けた集団」
はもちろん各塾によって異なります。
もう少し突き詰めて言えば、同じ塾の中でも実施されるテストによっては母集団が大きく変わるのです。

成績上位のお子さんから最下位までのお子さんの差が大きければ大きいほど、つまり得点の散らばりが大きいほど、成績上位者の偏差値は高く表現されることになります。
(得点の散らばり度合いのことを標準偏差といいます。)

例えば中学受験を目指しているお子さんの中でも、開成中学を目指しているお子さんだけを集めたテストの場合、得点の散らばりはあまり大きくなりません。
そうすると、高得点を取っていても偏差値が55だった、と言うことも起こりえます。

つまり、各塾によって80%合格の偏差値が大きく異なるのは、各塾でのテストを受けている母集団の得点のばらつきに大きな差があるということなのです。
大きな偏差値を提示している塾は、幅広い層の生徒がテストを受けているんだな、という理解をしておけばよいということですね。

中学受験をするなら偏差値をどう使えばいいの?

最初に申しあげたとおり、偏差値はさまざまな判断や決断を行うための大切な指標の一つです。 毎回ほぼ同じ母集団で実施されている各塾のテストでの偏差値は、お子さんの成績状況を知るためにとても重要になります。

例えば公開テストの偏差値は各塾の6年生での志望校別特訓授業を受けるための条件にも利用されますし、お子さんがどの単元を苦手としているかを客観的に知るための指標としても役立てることができます。

先にお伝えした、統計学的にはとんでもないけれども中学受験指導においてはそこそこ正確な計算として使うことが出来る方法もあります。
各塾のテスト結果として問題ごとの正答率が示されます。
例えばお子さんがSAPIXに通われていて開成中学を目指しているとしたら、80%合格偏差値が66のとき、
「100-66=34」
という計算をして、正答率34%以上の問題は確実に正解しておきたい、という考え方があります。
これは日常の学習を効率良く行うために、逆に正答率33%以下の問題はあえて復習せずにお子さんの学習時間を作り出すために用いる、といった使い方をする事が多いです。

中学受験において指導を受ける先生によって偏差値をどのように利用されるかは異なりますが、偏差値はあくまで判断を行うための基準として捉え、偏差値の増減に一喜一憂することがないようにしたいものです。


以上、「中学受験の偏差値ってどう付き合えばいいの?」というテーマの記事でしたがいかがでしたか?
中学受験勉強を進めていく中で、テストのたびに目の前につきつけられる偏差値には、お子さんにとっても保護者の皆さんにとっても思わず一喜一憂しがちですが、何かを判断するための基準だと捉え、成績アップに向けて上手に使いこなしましょう。

この記事を書いた人
主任相談員 小川 大介主任相談員 小川 大介
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