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【中学受験の作文対策】書き方や評価ポイントを専門家が伝授!

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

中学受験に役立つ作文とは

実際に作文を試験に課してくる学校のほとんどは、いわゆる公立の中高一貫校と、一部の私立中学です。
つまり、一般的な中学入試では作文が課されることはあまりありません。
しかし、どの中学であっても、国語の試験では記述力を問われ、その学校の求めている生徒像が記述問題から垣間見えます。
学校の校是や校訓、学校説明会でよくある
「こういう生徒に受験してほしいと思っています」
といった内容の生徒像ですね。

そこを踏まえて、どのくらい深く物事を考え、自らの考えを伝え、人の考えを理解できるのかが求められるという点を理解しておきましょう。

作文を書く3つのポイント

作文を書く3つのポイント

まず、クリアしておかなければならないのは、作文のルールですね。

段落の1字下げ、正確な言葉を使う、読み手を混乱させないように主語述語を対応させるなどが、書き方の土台となります。

さらに、段落の構成も大切です。
最初の段落で話題テーマをはっきりと述べた上で、理由付けや説明を進め、結論部分で自分の意見を明確に整理するという組み立て方を学びましょう。

②第三者目線での検証

書きあがった作文をチェックする時に大切なのは、書き手である子供自身や保護者などの家族以外にあたる『第三者』の目で読んでもらうことが望ましいです。

我が子の作品は、意識していなくても贔屓目(ひいきめ)に見てしまう傾向があります。
それを避けるためにも、できれば書き手である子どものことを知らない大人に見てもらえればベストですね。
第三者が読んで、作文そのものとしてどうなのかの客観的なチェックを受けることが上達への近道となります。

③過去の出題テーマを把握

公立の中高一貫校入試での作文では、よく出るテーマというのが必ずあります。

学校側は、その子が入学後どのように健やかに伸びていくのか、どこまで努力ができる子なのかを知りたいのです。ですから、小学校6年生の時点で、自分自身をどういう人間だと思っているのか、という自己認識のチェックも目的の一つになり得るというわけです。

さらにチェックポイントとなるのが、子ども自身のまわりの存在に対する理解や感謝について。
親をどう思っているか、友人や先生の存在をどう考えているか、小学校でどのようなことを学んでいるかなど、普段から言葉で表現できるようにしておくといいでしょう。

また、社会的な問題を理解し、それに対しての意見を持っているかなどを聞かれることがあります。
時事問題や社会科で勉強して知っているだけという状態では終わらせず、自分はどう考えているのかという意見を述べられるように、普段のご家庭での会話の中で色々な社会のできごとを話し合ってみてください。

評価される記述や作文の傾向

面接と同様に、算数などの知識量だけでは見えない、テストだけでは測ることのできない人柄なども、合否を判断する材料とも言えます。
学校によって好まれる記述や作文の傾向に差はありますが、記述重視の中学校の課題は、単に情報を整理して述べるだけでなく、自分の経験を言葉にして表現することを求められる傾向が強くあります。

その他、情報処理能力の高さを見たいという学校であれば、素材文や資料を読ませた上で、それについて考えるところを述べなさいという課題も見られます。
資料から情報を拾い出せたかどうか、拾い出せた情報にもとづいて理由を伴いながら自分の考えを説明できるかどうか、論述の両方を見るようになっているわけです。

論理力を身につけよう

論理的に物事を伝えられるかどうかの『論理力』は、重要な採点ポイントです。
偏った視点から一方的に主張するのではなく、想定される反論や疑問を踏まえて根拠を持って考え、必要な内容を漏らさず説明を論理的に展開できるかどうかの能力が問われます。

例えば自らの体験を聞かれるといったテーマの場合、その時自分自身に起きた心の動きを一歩引いたところから観察して言葉に表すことが出来ているかがポイント。
客観的な物事の把握と表現力は、練習次第で最も点数アップが見込める部分です。

作文力をつける方法

作文力を付ける方法

日常会話のレベルアップ

作文力を上げるための方法としておすすめなのが、家庭内での『おしゃべり』のレベルを上げること。
親が子供に「今日はどうだった?」と聞いたとき、「おもしろかった」のひと言で返答を終わらせてはいけません。
そのとき周りにいた友達の様子や表情、自分自身は何をしていたのかを「詳しく教えて?」と投げかけ、子ども自身の言葉で語らせるようにしましょう。
そして、その出来事にたいしてどんな気持ちになったのかを、状況がわからない人にも伝わるように説明させるのです。

また、ニュースや新聞記事を読んだとき、「この記事をどう思う?」と子どもに意見を求めてみましょう。
例えば、「嫌だなぁ」などという返事が来た場合は、「どういうところが嫌だったの?なんで嫌だと思ったの?」と理由も含めて説明してもらう機会を持ってみましょう。

意見に対して、理由を伴って根拠をきちんと表現しながら説明する練習をしてみてください。

良作の真似をしてみる

論説文や随筆などを「自分だったらどう書くかな」と、考えさせながら読むのも効果的です。
これは、「著者はどんなことを意識してこの順番で書いているんだろう」などといった、文章の書き方に興味を持たせるということです。

さまざまな読み物に触れる中で、文体や文章展開を気に入り「こんな文章が書けたらカッコイイな…」と思えるような作品と出会うこともあります。

そんな時は、声に出して読んでみて文章のリズムを覚えたり、書き写したりして、文体を真似てみるのがおすすめです。

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