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2015年灘中学校 入試問題分析 国語2日目

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更新: 2015年02月26日 公開:

総評

2014年度にくらべ、受験者平均点が71.9点⇒81.1点、合格者平均が77.9点⇒88.5点と高く、易しくなりました。
全体的には、受験生の読解力が幅広く測れる「バランス」の良い出題だったといえます。

出題範囲と難易度

※難易度はAからEの5段階で評価し、Eの難易度が最も高いものとしています。

国語2日目
  1. 評論文 難易度C
  2. エッセイ 難易度C
  3. 詩 難易度D

受験者平均得点、合格者平均点

  2014年度
平均点
2015年度
平均点
国語1 受験者 51.7点 52.7点
合格者 55.3点 59.1点
国語2 受験者 71.9点 81.1点
合格者 77.9点 88.5点
国語計 受験者 123.6点 133.8点
合格者 133.3点 147.7点

各問の解説

1 評論文

大学入試では定評のある「鷲田清一」の評論文からの出典。
「評論」である以上当然テーマは「近代文明批判」であり、その批判の視点が、著者の得意な個人としての「自己」を問い直しながら世界を見つめるという点に置かれています。つまり、日常最も自分が熟知しているはずの「自己」というものが実は、それほど確実なものではないという認識がその原点にあります。
問題形式としては、「同内容表現」(=抽象的表現と詳しい説明部分)、「具体的」とその「目的」、「文脈理解」、「筆者が文中で使った『個人言語』の意味の説明」、「その言語の文脈上の意味」、「文脈を追いながら、その文脈の「論理構成」を考えさせる等、全体として文章の論理的な読解力を試すのには良い問題形式が並んでいます。

2 エッセイ

出典は、彼女自身の天性のセンスの良さで、軽いタッチでものの本質をすくい上げる俵万智のエッセイ。
彼女のデビュー当時の初々しい高校教師として発表した「サラダ記念日」当時から時を経て、彼女自身が母親となった新たな視点で描かれています。親と子の関係を問い直す視点がそこに現われています。
問題の形式としては、「標準的な語句の意味」、「理由説明」、「比喩表現の意味」、「文脈の理解」「重ね読み」等、軽い随筆文としては、きわめてオーソドックスな問題形式でしょう。

3 詩

出典は石垣りん。彼女独特の「真実」を厳しく見つめる視点がさりげなく現れている作品。
彼女の64年間の生きざまを知っているものなら、この詩をいくらでも「深く」読むことは可能でしょう。
勿論、受験生にはそこまで要求されていませんが、少なくとも、この詩と解説文とを読んで、彼女が「主役」という立場になぜためらいを持つのか、彼女のそばにいる女性の設定が、なぜ大学教授という社会的に地位の高い女性なのか、そして、普通なら「意地悪」ととれるような言葉を、なぜ彼女は素直に「やさしい言葉」と理解出来るのか、等について考えて欲しい作品です。
出題形式としては、右に述べた点を考えさせるために、解説文の解読を前提として、出題された問題なので、受験生としては、解説文の理解から何とか問題の要求に応えられたのではないでしょうか。

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