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2015年東大寺学園中学校 入試問題分析 算数

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更新: 2015年04月09日 公開:

総評

昨年は近年まれに見る難問づくしという構成で、受験者平均43.1点、推定合格最低点55点強となり、正解できる問題だけを見つけて点数を積み上げての勝負という原因になりました。今年は、平年よりやや難しいという程度の難易度に戻り、受験者平均51.9点、推定合格最低点65点強と、昨年よりは易化しました。

出題範囲と難易度

※難易度はAからEの5段階で評価し、Eの難易度が最も高いものとしています。

算数
  1. 小問3問 
    (1)素因数分解を利用した逆算 難易度A  
    (2)加法の虫食い算 難易度B
    (3)倍数判定法の利用 難易度C
  2. 往復の流水算(設問数3)
    (1) 難易度C
    (2) 難易度C ※(2)-①と②は芋づる式
  3. 小問2問 
    (1)円の転がり(設問数2) 難易度C  
    (2)点の移動と合同の利用(設問数1) 難易度D
  4. 頂点から等しい距離の範囲(設問数3) 難易度C
  5. 仕切り板のある水そうを傾ける水問題(設問数2) 難易度D

受験者平均得点、合格者平均点

  2014年度
平均点
2015年度
平均点
受験者平均 43.1点 51.9点

各問の解説

1 小問3問 (1)素因数分解を利用した逆算、(2)加法の虫食い算、(3)倍数判定法の利用

(1)2015=5×13×31にからめた逆算問題 (2)異なる整数を用いた加法の虫食い算 (3)2ケタの2整数の積がaabbになることから、もとの整数のうち少なくとも一方が11の倍数であることを利用して調べ上げる問題。
東大寺学園中に合格するために、これら難易度Cまでの問題は落とせません。

2 往復の流水算

2つの船が2地点間を何度も往復する問題。
静水時の速さが等しいこと、停泊地で休けいがあること、3回目の出会いの時刻が与えられていることなどから、ダイヤグラムを書くことに気づけば全問正解も難しくありません。
(1)が正解できれば(2)-①、②とも芋づる式に正解できるため、大きな点差がつきやすい問題です。

3 小問2問 (1)円の転がり、(2)点の移動と合同の利用

(1)過去に大円のまわりを回る小円の問題が出され、2円の問題は難しいという先入観があると「パス」してしまいそうです。しかし、本問の難易度はC、問題を見た目で決めつけてはいけないという好例です。
(2)角度の問題ではよく用いられる合同な三角形と直角二等辺三角形の作図問題ですが、点の移動と絡めた出題のために気づかない受験生がいたかも知れません。普段から自分で図を書いて解く努力をしてきたかどうかが問われる問題でした。

4 頂点から等しい距離の範囲

問題文中にある「例えば~」が大ヒントになっています。「例えば~」で問題のルールを十分に理解するように学習してきた受験生にはサービス問題だったでしょう。

5 仕切り板のある水そうを傾ける水問題

仕切り板のついた水そうを傾ける問題自体、立体感覚の弱い受験生には難度が高いのですが、本問ではその仕切りが台形という非常に目新しいものでした。そのため、よりいっそうの立体感覚が求められ、手の出なかった受験生もいたことでしょう。

東大寺学園は2014年度入試から算数を難しくする方針を打ち出しています。2014年度はさすがに難しすぎたためか、本年度は「超難問」を出題せず、「難問」の量を増やして受験生の力を測るという構成となっています。
2013年度までの過去問は比較的解きやすい年度が多いため、2015年度のような難問がやや多い入試に対応するには、過去問以外の準備も必要です。

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