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国語の成績を上げる、文章を速く読むための技術を身につけよう

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

国語の問題、特に中学受験の入試には長い文章が素材文として出されます。
その素材文に対応するために、文章を速く読むための技術を身につけるにはどうしたらいいのでしょうか。

ここでは国語の長文をできるだけ速く読む方法について、詳しく考えてみたいと思います。

読むスピードを上げることは必要不可欠

中学受験の国語は、時間との戦いともいえます。
というのも、限られた時間内で長い文章を読まなければならないからです。
文章をじっくり味わって想像を膨らませるというよりは、文章の要点を読みとり、設問の意味もちゃんと理解して解答しなければなりません。
受験の目的は合格することであり、制限時間内に合格点に到達することですから、国語の場合まずが長文を読みこなすことが必要です。

読むスピードを上げるために、子ども向けの速読教室などに通わせるご家庭もあるようですが、あまりすすめしません。
たしかに1万字もある問題文を見ると「速く読めるようになるためには速読法が有効なのでは」と考えるのもわかります。
でも速読教室に通ったおかげで「読み飛ばし」が増えた子を何人も見てきました。

長い文章を読むのが苦手な子の場合

それでは、タイプ別にどのように速く読むための技術を身につけたらいいのかについて考えてみましょう。
長い文章を読むのが苦手な子には、語彙が少ないことが多いようです。
言葉の意味がわからず、その都度立ち止まってしまうのですね。
こういう場合、難しい漢字にふりがなをつけるように、本人にとって難しそうな言葉の横に意味を書いてあげることがおすすめです。

わからない言葉が出てくるたびに、その都度辞書などで意味を調べていると、単語の意味はわかっても読み進めるテンポが狂ってしまい、読んだ文章やその内容が頭から消えてしまうことがあります。
いつまでも全体の内容がつかめないままで、さらに読み直すための時間がかかってしまうとなると、最後まで読み切ることができないこともあるでしょう。

言葉の横に意味を添えることで読み進めるテンポが上がります。まずはそのスピードに慣れさせましょう。
自分で調べさせたほうがいいのでは、と思うかもしれませんが、難関校の入試問題でも、文章のあとに注釈が加えられていたりするので、それほど難しい語彙が要求されるわけではありません。
まずは「スピードを上げて読んで、全体の内容をつかむこと」を優先させてあげてください。

すらすら読んでいる子の場合

子どもは知らない言葉があっても、そのまま読み進める場合もあります。
つまずくことなく最後まで読み進めることはできるのですが、「この言葉の意味はわかったの?」と聞くと「あれ、そんな言葉出てきたっけ」となってしまうことがあります。

子どもの頭は柔軟なので、「わからないもの」を無意識に「なかったこと」にしてしまうのでしょう。
そういう子には、本人が読み飛ばしそうな言葉に、事前に印をつけておくことが有効です。
線を引いたり、蛍光ペンで色をつけたりして自然にその言葉が目に入るようにしてあげてください。

もし「言葉に対する感受性を高めたい」というのであれば、その言葉について調べる時間を別につくりましょう。
辞書でもパソコン、スマホでもかまいません。類語や反対語、例文などを確認しながらその言葉についてじっくり調べると語彙を自分のものにさせることができるでしょう。

「早口での音読」「早口での読み聞かせ」も役に立つ

さらに読むスピードを上げるためには「早口」が有効です。
たとえば1日5分でかまいません。子どもが読みながらギリギリ意味がわかる限度の早口で音読をさせてみてください。
速すぎて内容がわからないと意味がないので、最初は大人がチェックしてあげましょう。
3週間ほど続けることで、文字に対する反応速度が上がり、黙読のスピードもぐんと上がります。

また、親ができるだけ早口で読み聞かせをすることも、子どもの脳内の音読速度を上げる訓練になります。
読み聞かせる文章は、物語文よりも説明文や論説文のほうがいいでしょう。
過去問の素材文でもいいですね。続けることで黙読のスピードが上がります。

また、文章を読むときに一文字ずつ追いかけないように意識をさせることも大切です。
「昨日僕は家族と遠出した」という文章なら、まずは「昨日」「僕は」「家族と」「遠出した」と2〜4文字程度のまとまりとして意識して読ませます。
それができるようになったら、次は「昨日僕は家族と」と「遠出した」の2回でこの文章を読みとれるようにしましょう。

この「まとまりで読む」方法は練習すれば慣れることができます。
この読み方ができるようになると、文章全体の中で大切な箇所やポイントとなる部分が自然に目に入ってくるようになります。
抜き出し問題で該当箇所を探す場合にも効率よく見つけられるようになるので、ぜひ訓練してあげてください。

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