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中学受験の理科 おすすめの参考書は?

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公開: 最終更新日:2021年07月21日

中学受験を目指して塾に通っていても、意外に勉強法がわからないのが、理科。
塾のテキストだけをしていれば入試で点が取れるようになるのか、少し不安を感じているお父さん、お母さんも多いようです。
ここでは、市販されている理科の参考書、問題集を目的によってどう利用すればいいか、どんな参考書、問題集を選べばいいかを考えていきます。

使う目的で購入する参考書は違う

たとえばお子さんが塾にお通いなら、塾で使っているテキスト、問題集などがあると思います。
それに加えて市販の参考書や問題集を購入するということは、それなりの目的があるはずです。
購入するなら、その目的に合致したものでないと、お子さんの学習に対する負担が増すだけという結果にもなりかねませんね。

さて、市販されている中学受験用の理科の参考書や問題集には、いくつかのタイプがあります。

  • 1、それ1冊に必要な単元、内容をすべて盛り込んだタイプの総合的なテキスト、参考書
  • 2、演習問題を多く掲載し、学んだことをもとに問題を解く練習をするための、演習用の問題集
  • 3、暗記や知識チェック用の参考書、問題集

たとえば塾に通っているけれど、苦手な単元の理解を市販テキストを使って深めたいという場合と、必要な知識が身についているかチェックしたいという場合では、選ぶべき参考書、問題集は全く違ってくるのです。

塾のテキストや問題集が難しすぎる場合

塾に通っているけれど、市販テキストで理解を深めたいという場合も、いくつかの状況が考えられます。

たとえばお子さんがサピックスに通っていて、どうしても苦手としている単元があるので、塾のテキスト以外で理解を深めたいといった場合は、情報量が膨大なサピックスのテキストから離れ、必要最小限の情報で理解しやすい市販テキストが役に立ちます。
簡単に言えば「塾のテキストや授業が難しすぎるので、もっと基本的なところから理解を深めたい」というケースです。

このようなケースに役立つ参考書の1つが、四谷大塚の「予習シリーズ」です。

サピックスのテキストが「授業で先生と一緒に考えながら解く⇒家庭学習(宿題)で定着させる」という前提でできているのに対して、四谷大塚の予習シリーズは「家庭で予習してくる⇒授業で先生と一緒に考えながら解く」という流れで設計されているため、「まずは説明を読んで理解する」というつくりになっています。

だから、サピックスの授業での先生の説明が今ひとつわからなかった、腑に落ちなかった単元を、別の切り口からの説明で理解する助けになります。

塾のテキストが易しすぎる場合

一方、「塾のテキストが易しすぎる」という場合も考えられます。
通っているのが中小や個人塾で、使っているテキストが「新小学問題集」といったケースはよくあることです。
「新小学問題集」は良いテキストなのですが、内容、難度は難関校受験を考えた場合には少し物足りないものなのです。
中学受験の知識、力をつけるための最低限の内容を、極めてわかりやすく簡潔に解説した問題集だからです。

応用レベルの演習問題を補充したいときに役立つのが、文栄堂の「中学入試 最高水準問題集 理科」です。
問題ごとに「頻出」「難問」「新傾向」「差がつく」などの表記があり、重要度や頻出度を確認しながら解けるところもよいです。
全体的に難度が高めの問題集となっています。

もう少し基本的な問題を中心に演習したいという場合は、旺文社「中学入試 でる順過去問 理科 合格への926問」や、学研「中学入試の最重要問題 理科」などが使いやすくおすすめです。

興味付けや知識の補充をしたい場合

家庭だけで受験を目指す場合や、受験勉強を始めたばかりで理科への興味をもたせたい、といった場合には、図鑑や資料など写真やイラストが多いものがおすすめです。

調べもの用として、興味付け用として1冊あって困らないのが、「理科事典」系のもの。
受験研究社の「スーパー理科事典」や文栄堂の「小学理科事典」など、内容も詳しく写真や解説、イラストなども豊富です。
同じような目的だと、受験研究社の「自由自在 理科」や学研「応用自在」も役立ちます。

テスト問題の選択肢に出てきた「知らない動植物」についての調べものは、小学館の「NEO」シリーズがおすすめ。
大きなサイズの図鑑は使いづらいとか、塾や学校に持っていきたいという場合は、ポケットサイズの「NEOポケット」シリーズも。

持ち運んでさっと広げられるという意味では、ポケットサイズの「文英堂 ズバピタ」シリーズがポピュラーです。
また拙著、かんき出版の「頭がよくなる 謎解き理科ドリル」は、単元を網羅しているわけではありませんが、「塾のテキストには乗っていないけど、テストに出る」知識をクイズ感覚で取り組めると好評をいただいています。
また、やはりお子さんのカバンに忍ばせやすいポケットサイズであるところもいいようです。

網羅的に全単元の知識をつけたい、チェックしたいという場合は、日能研BOOKS「メモリーチェック」とサピックスの「コアプラス」がおすすめ。
いずれも網羅的ですが、「コアプラス」のほうがより詳しく、難度の高い問題まで含まれているので、難関校受験を目指すお子さんにおすすめです。

以上、おすすめの理科の参考書、問題集についてみてきましたが、いずれも使う目的によって選ぶべきものは違ってきます。
お子さんの現状と目的に合わせて、上手に選んでくださいね。

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