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成績を左右する「意外なこと」

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公開: 最終更新日:2021年07月26日

大きな影響を与える「些細なこと」

「そんなことで」というような些細なことが成績に影響を及ぼすことがあります。些細な事なのですが、お子さんの成績だけでなく、学習に向かう姿勢や長期的に「勉強ができる子どもになるか」を決定してしまうこと。

それは「習慣」です。習慣とは、意識しなくてもそうしてしまう、そうなってしまうこと。たとえば、腕組みをするとき、どちらの腕を上にするか意識するでしょうか。足を組むときだって、意識しないはずです。

学習における習慣で、もっとも基本的なものの1つは、鉛筆の持ち方です。鉛筆には、正しい持ち方があります。親指、人差し指、中指で鉛筆をつかむ、皆さんご存知の方法。なぜこの持ち方が正しい持ち方となっているのか。それは、その持ち方が、きれいな字、きれいな図を早く書くことができるから。

字や図を素早くきれいに書くことは、思考をスムーズに進める基本です。自分の字を自分で見間違って正解できないお子さんは、想像以上に多いのです。また図を大きく書ければ、そこに数字や文字を書き込むスペースの余裕があり、結果としてミスなく解き切ることができるのです。

正しく鉛筆を持っていれば、鉛筆を持った状態で、手首を大きく動かすことができるので、スムーズに大きな図を書くことができます。最近、親指で人差し指を押さえつけるような持ち方をしているお子さんが増えていますが、この持ち方だと手首を大きく動かせません。

鉛筆の持ち方は、初めて字を書くことを覚えさせるとき、お子さんに教えたのではないかと思うのですが、短い時間では「習慣」とまではなりません。ともすれば「我流」になっていくのです。理由はいくつかありますが、親指で人差し指を押さえつけるようにすると、力を入れやすいのです。特に字を書き始めたばかりの頃は握力も弱く、鉛筆を握り続けるのが楽な方法になりがちです。

まだお子さんが小さいなら、ときどき鉛筆の持ち方をチェックしてみましょう。

家庭の本棚も学力に影響する

ご家庭の本棚、どのような状態でしょうか。お子さんの本と、お父さん、お母さんの本がほどよく混ざっているでしょうか。きれいに整頓されているのが気持ちいい、という感覚はあるかもしれませんが、あまりに整頓されている本棚は、子どもの知的好奇心を刺激しません。

かといって、趣味の雑誌やマンガばかりというのも考えものですね。たとえばお子さんの本と、お父さんの買っている科学雑誌、やや専門的な書籍が隣り合っているような状態。これがお子さんの知的好奇心を刺激する本棚です。

お父さん、お母さんがいないとき、ふと手にして開いてみたお父さんの本から刺激を受け、何かに興味を持つ、興味や関心はそんな風にして生まれるのです。また意識的に「ちょっと背伸びをすればわかるようになる分野の本」を本棚に忍び込ませるのも、お子さんの精神的な成長を促す方法の1つです。

教科の得意、不得意は、それが身近かどうかが大きく影響します。地理や歴史に関係する書籍(きっかけはマンガでも構いません)などが並んでいてもよいですね。理科に関しても同様で、本棚に図鑑や理科マンガなどが並ぶご家庭のお子さんは理科嫌いが少ないものです。

参考書は手にとって開きやすい、見て楽しい物を

残念ながら塾のテキストは、お子さんが手にとって「見て楽しい」と感じられるものばかりではありません。算数は計算や文章題、図形、国語は文章や漢字などで構成されているので、どの塾のものも大きな違いがありませんが、理科や社会は塾によって大きく違います。これは塾教材だけでなく、市販の参考書やテキストにも言えることです。

理科や社会の参考書をお子さんに持たせるときのポイントは

  • ①図や写真がカラーであること
  • ②内容に「物語性」があること
  • ③手にとって開きやすいこと

図や写真がカラーだったら、文字による解説以上にお子さんの印象に残りやすいですし、単語や短文の羅列ではなく、きちんと文章によって解説されている方が、内容がよく分かるのです。詳しいテキストや参考書の短所は、ページ数が多くなりすぎることで、あまり分厚くなると上記③の条件を満たせなくなります。この辺りのバランスがよい参考書を、本棚に並べてみましょう。

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