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中学受験で成功する子は「スピーディーな勉強」と「スローな勉強」を使い分けている

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公開: 最終更新日:2021年07月15日

学習の仕方は塾やお子さんそれで違いますが、どのような塾に通い、どんな中学校を受験する場合でも、意識していただきたいことがあります。
中学受験をするお子さんであっても、そうでないお子さんであっても、知っておいていただきたいことでもあります。

それは、素早くスピーディーに取り組みたい勉強と、ゆっくり時間をかけてスローに取り組んでほしい勉強があるということです。
今回は、そんな「スピーディーな学習とスローな学習」について考えてみたいと思います。

スピーディーな学習とスローな学習

毎週たくさんの課題や宿題が出る中学受験塾の勉強にどっぷりつかっていると、なるべく短い時間にたくさんの勉強をさせたくなりがちです。

しかしそこで思い出していただきたいのが、取り組む学習によっては時間をかけて「スロー」に勉強した方がよい場合と、「スピーディー」に勉強したほうがよい場合があるということです。

「速く」そして「正確に」解き、処理する=スピーディーな学習

中学受験の問題の中には、大量の計算など「速くて正確な処理」を要求されるものが多くあります。
解き方や考え方がわかっても、最後まで正確に計算しなければ正解は得られません。
また入学試験にも模擬試験にも、制限時間があります。
制限時間内にスピーディーに処理して答えを出すことが要求されるのです。

このような要求に対して結果を出すために、お子さんには決められた作業を正確に、速くこなす練習をさせておく必要があります。
計算練習などに関しては速く、正確にできるように制限時間を設けて集中して解く「スピーディーな学習」の訓練をしておきたいですね。

問題文をしっかりと読んで内容を理解し、図や表を書いたり整理しながら論理的に答えを導き出す=「スローな学習」

「なぜそのような解き方、考え方で解けるのか」
「これがわかったら次に何がわかるのか」
「今行っている作業は何のためなのか」
「計算によって出てきた答えの単位は何か」

などを自問自答しながら、自分の中で納得できて説明がつく解き方を首尾一貫行う練習は、特に難関校を目指すお子さんにとっては必須のものです。

公式通りの基本問題は手早くスピーディーに処理し、ちょっとひねった問題、応用問題や発展問題に関しては、因果関係などを論理的に考えながらスローに解き進める、そういった使い分けが必要なのです。

最初はなかなか使い分けに慣れないかもしれませんが、お母さんがお子さんに「この問題は◯◯分でやってみよう」「この問題の解き方をお母さんに教えてくれる?」といった問いかけをすることで、自然にお子さんが「このタイプの問題は手早く片付けよう」「こういった問題はじっくり考えたほうが良さそう」と判断できるような機会を作ってみてあげてください。

朝の「スピーディーな学習」のススメ

「スピーディーな学習」の練習としてオススメしたいのが、”朝学習”です。

寝ている間に脳が整理され、朝の脳は暗記やインプットに最適だと言われています。

朝学習は長い時間ではなくてOKです。
毎朝約15分〜30分、習慣づけることが大切で効果的です。

この時間は、ひとまず漢字や計算問題など、作業レベルの基礎学習に特化してみてください。
短時間、漢字と計算問題に取り組むだけで、必ず成果が出てきます。

朝学習の習慣と同時に、集中してスピーディーに処理する習慣も、忙しい朝だからこそつきやすいのです。

応用問題は「スロー」と「スピーディー」を併用しよう

算数では、高学年になると応用問題が増えてきます。

暗算でできるところはスピード感を大切に、しっかり図や表にしなければならない箇所はスロー学習にするなど、1つの問題を解く中でも使い分けできると、強い武器になります。

スピード感は大切にしたいのですが、1つ気をつけなければいけないのが、ケアレスミスです。
うっかり書き間違い、読み間違いで点を落とさないように、特に「スローな学習」ではスピードだけでなく注意力という面も意識してみましょう。

ふだんの学習からこの「スローな学習」「スピーディーな学習」を意識して使い分ける習慣をつけることが、応用問題や発展問題、つまり入試に強いアタマをつくっていきます。

ぜひ挑戦してみてください。

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