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第384回 2018年度中学入試の数の性質 1

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数の性質の練習問題2018年03月24日18時00分

「第384回 2018年度中学入試の数の性質 1」


前回まで、2018年度の中学入試で出された「速さ」の問題をご紹介してきました。


今回からは「数の性質」について見ていこうと思います。


「数の性質」は分野でみると、
約数や倍数などに関する問題、数の規則性に関する問題
2つに大きく分類することができます。


はじめは、約数や倍数などに関する問題の中から
「知識」が問われた問題をご紹介します。


出題校は、首都圏の女子御三家の1校、女子学院中学校です。






2018年度 女子学院中 入試問題 算数より 

問題4   
20180316181255.jpg40枚のカードがあり、それぞれ右のように4色にぬりわけられています。白い部分には2から41までの整数が、1つずつ書いてあります。赤には白の数の約数の個数が書いてあります。白の数を素数だけのかけ算で表したときの、2の個数が緑に、3の個数が青に、それぞれ書いてあります。次の(  )にあてはまる数を入れなさい。


(1) 白に18と書いてあるカードの赤には(  )、緑には(  )、青には(  )と書いてあります。

(2) 赤に2と書いてあるカードは全部で(  )枚あり、そのうち、緑に1を書いてあるものは(  )枚あります。

(3) 赤に8、緑に1、青に1と書いてあるカードの白には(  )と書いてあります。

(4) 赤に3と書いてあるカードの白の数を全部書くと(  )です。

(一部改題)









約数の個数と素因数分解に関する問題です。


【解答例】
(1) 
18を素因数分解します。


このとき、
「累乗の形(Am×Bn×...)」にして表すと、
約数の個数=(m+1)×(n+1)×... という公式を利用することができます。


18=21×32 ですから、
赤には (1+1)×(2+1)=6、緑には1、青には2 がそれぞれ書かれています。


(2) 
赤に2が書かれていますから、
白に書かれている数は「約数が2個の整数」、つまり素数です。


2から41までの素数は、
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37、41 の13個です。


また、緑に1が書かれていますので、
求める整数は「2×(2以外の素数)」ですから、
あてはまる素数は2の1個だけです。


(3) 
約数の個数が8個で、
素因数分解すると「21×31×(2、3以外の素数)」となる整数です。


約数の個数=(m+1)×(n+1)×... という公式を利用すると、
(1+1)×(1+1)×(□+1)=8 となりますから、□=1とわかります。


つまり、
「6×(2、3以外の素数)」で「2以上41以下の整数」ですから、
6×5=30 の1個だけがあてはまります。


(4) 
赤に3と書いてありますから、
白に書かれている数は「約数の個数が3個」の整数です。


「約数の個数が3個の整数は(素数)2」という知識を利用すると、
224、329、5225 の3個が求められます。




本問では、約数の個数は書き出して数えることで求められますし、
素数も「エラストテネスのふるい」を用いて書き出すことができます。


しかし、入試などテストには時間制限がありますから、
時間の節約ができる「知識」が利用できると理想的です。






もう1問、今度は数の規則性に関する問題をご紹介します。


出題校は、首都圏の難関校、早稲田実業学校中等部です。




2018年度 早稲田実業中 入試問題 算数より 

問題4 図1のような、縦の長さが1cm、 横の長さがアcmの長方形の紙があります。ただし、アは1より大きい数とします。この紙を縦または横に1回真っすぐ切って、長方形から正方形を切り離します。残った紙が正方形でなければ再び同じように正方形を切り離し、残った紙が正方形になるまでこの作業をくり返します。たとえば、アが2 1/2のときの切り方は、図2のように①縦→②縦→③横となり、切る回数は3回です。次の各問いに答えなさい。

20180316181554.jpg

(1)  アが1 1/4のときの切る回数を求めなさい。

(2) 切る回数が3回となるアの値をすべて求めなさい。ただし、2 1/2は除きます。

(3) ①縦→②横→③縦→④横→...と交互に切る場合を考えます。切る回数が1回であるアの値を<1>、2回であるアの値を<2>、...と順に表すことにします。<1>×<2>×...×<10>の値を求めなさい。

(一部改題)








【解答例】
(1) 
実際に図を描いてみます。  


20180316181655.jpg

1+3=4 


(2) 
最後に切り離したときに「合同な正方形が少なくとも2つできる」ことを利用すると、
「巻き戻し」て図を描くことができます。

20180316181726.jpg



 
(3) 
規則が見つかるまで調べていきます。  

20180316181757.jpg


図を描いていくと「フィボナッチ数列」が見つかります。  

20180316181815.jpg





2問目は、定番問題に手が加えられています。


(2)は切り分け方までが定番問題で
正方形の1辺の長さに分数が出てくるところが、
(3)は小さい正方形に大きい正方形をつけたして長方形を作る定番問題で
並べる正方形の大きさを逆順にしているところが、
それぞれ出題者の工夫となっています。








今回は「数の性質」の問題をご紹介しました。


女子学院中学校の問題は
「知識」をもとにして正確に調べることができるか、
早稲田実業学校中等部の問題は
おそらく一度は解いたことのある問題の応用ができるかが、
それぞれ問われました。


「数の性質」を学習するときは、

・知識の定着
・知識を利用した正確な書き出し
・定番問題の解き方の理由

なども身につけ、
今日ご紹介したような問題でも正解できる力がつけられるといいですね。

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数の性質の練習問題2018年03月24日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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