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第390回 2018年度中学入試の立体図形 4

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図形の練習問題2018年05月05日18時00分

「第390回 2018年度中学入試の立体図形 4」


ここまで、2018年度の中学入試で出された「立体図形」の問題についてみてきています。


1回目は「立体の切断」、2回目は「立体図形の見方」、3回目は「立体図形の移動」の問題をご紹介しました。


最後となる4回目は「知識+作図力」についての問題をみていこうと思います。


1問目は「光の反射と立体図形」です。


反射の知識が必要となる問題の出題校は、関西エリアの最難関中の1校である甲陽学院中学校です。




2018年度 甲陽学院中学校 入試問題 第二日目 算数より 

20180429154833.jpg問題6 右図のような、1辺の長さが6cmの立方体ABCD-EFGHにおいて、面BFGCの内側は鏡になっています。光源をAにおき、光線を面BFGCにあてて反射させるものとします。

(1) 光線を面BFGCのある部分にあてると、反射した光線が面CGHDにあたります。その部分の面積を求めなさい。  

(2) 面CGHDにおいて、対角線CHとDGの交点をPとします。光線を面BFGCのある部分にあてると、反射した光線が三角形PGHにあたります。その部分の面積を求めなさい。  
20180429154911.jpg










【解答例】
(1)
光源をAから出た光線が面BFGCのどこにあたると、反射して面CGHDの頂点DとHにあたるかを作図します。


はじめに光線のおよその進み方を見取り図にかいてみましょう。  

20180429154939.jpg


この見取り図から、頂点Dにあたる光線の様子は、立方体を真上から見ればよいことがわかります。  

20180429154954.jpg


上の図から、点Lは辺BCの真ん中の点だとわかりますから、LC=3cmです。


次に、頂点Hあたる光線について考えるために立方体を真上から見ると、頂点Dにあたる光線と重なることに気づけます。


そこで、点Mが点Lの何cm下にあるかを求めるために、立方体を右側から見ることにします。  

20180429155023.jpg


上の図から、CM=3cmであることもわかります。


ですから、光源Aをでた光線が面BFGCにあたり、反射して面CGHDにあたる様子は次のようになります。

20180429155040.jpg


図中の台形LMGCが求める部分ですから、(3cm+6cm)×3cm÷2=13.5cm2 が(1)の答えです。




(2) 
はじめに、点Pにあたる光線の様子を見取り図に表してみます。

20180429155100.jpg


この図を真上から見ると次のようになります。  

20180429155117.jpg


このまま相似形を利用して点Mの位置を求めることもできますし、光の反射の作図方法「線対称の利用」を用いることで求めることもできます。

20180429155133.jpg


上の図より、NC=2cmとわかります。


次に、立方体を右側から見ると、点Nが辺BCから2cm真下にあることがわかります。

20180429155151.jpg


(1)と同様に、わかったことを見取り図に表します。

20180429155205.jpg


ですから、求める部分は次のようになります。  

20180429155224.jpg


上の図より、点線の長方形の面積から周りにある3つの三角形の面積を引いた3cm2 が(2)の答えです。






では、もう1問、「知識+作図力」についての問題をみていきます。


2問目は「切断された立体図形の高さ」に関する問題です。


出題校は首都圏の人気校、渋谷教育学園渋谷中学校です。




2018年度 渋谷教育学園渋谷中学校 入試問題 算数より 

問題3 1辺の長さが6cmの立方体があります。立方体の3つの頂点を通る平面で切り、立方体から1つの三角すいを取り除いた、図1のような立体Aを作りました。次の問いに答えなさい。ただし、すい体の体積は、「(底面積)×(高さ)÷3」で求めることができます。

20180429155248.jpg


(1) 略

(2) 略

1辺の長さが10cmの立方体があります。立方体の3つの頂点を通る平面で切り、立方体から三角すいを取り除いた後、さらに立方体の3つの頂点を通る別の平面でもう一度切り、三角すいを取り除いた、立体Bを作りました。図2は立体Bの展開図です。ただし、図の等しい印は、等しい長さであることを表しています。

20180429155307.jpg

(3) 立体Bの体積は何cm3ですか。

(4) 立体Aを①の面を底面として机に置き、立体Bを②の面を底面として机に置きます。このときの、立体Aと立体Bの高さの比を最も簡単な整数の比で表しなさい。








【解答例】
(3)
問題文の「立方体の3つの頂点を通る平面で切り、立方体から三角すいを取り除いた後、さらに立方体の3つの頂点を通る別の平面でもう一度切り、三角すいを取り除いた」と展開図から、立体Bの見取り図がわかります。

20180429155329.jpg


取り除いた三角すいは、底面積が立方体の1/2で高さは同じですから、体積は立方体の 1/2×1/3=1/6 です。


10cm×10cm×10cm×(1-1/6×2)=666 2/3cm3


(4)
問題文を見取り図に表すと次のようになります。

20180429155346.jpg


この図の高さ(赤色の点線)の比を求めるのですから、それぞれの立体を底面①、②が机と平行になる方向から見た図をかきます。

20180429155402.jpg


上の図から、立体Aの高さと立体Bの高さの比は、3×2/3:5×1/3=6:5 と求められます。


上のように見取り図をかく以外、下のように立方体の断面図をかいて考えることもできます。

20180429155439.jpg








これまで2018年度の中学入試で出された「立体図形」の4つのタイプの問題をみてきました。


「立体の切断」、「立体図形の見方」、「立体図形の移動」、「知識+作図力」のいずれにも共通することは、図をかく力が大切だということだと思います。


家庭学習に取り組むときは自分の手で問題図や解くために必要な図をかき、制限時間のあるテストのときにスムーズに図をかいて解けるようになれるといいですね。

mflog.GIF

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図形の練習問題2018年05月05日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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