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第392回 2018年度中学入試の場合の数 2

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場合の数の練習問題2018年05月19日18時00分

「第392回 2018年度中学入試の場合の数 2」


前回から、2018年度の中学入試で出された「場合の数」の問題について見てきています。


1回目は「順列と組み合わせ」の中から「となり合う」がテーマの問題をご紹介しましたが、樹形図の利用と計算を使い分けて解くものでした。


さすがに難関中の中学入試問題となると、計算を1回だけすれば答えがでるような問題はなかなか出題されません。


そこで2回目の今回は「道順問題」をテーマにした問題を、これも難関中の出題の中からみていこうと思います。


出題校は首都圏の難関中、海城中学校です。




2018年度 海城中学校 入試問題 算数より 

問題5 これは、ある国のお城から魔王に連れ去られた姫を勇者が救いに行き、もとのお城まで連れて戻ってくる冒険の物語です。この国では格子状の道があり、行きは北か東のみ、帰りは南か西のみ動くことができます。

20180508115255.jpg(1) 第1の冒険 
図のように街には川が流れており、橋を渡って通るしかありません。ただし、橋は1度通るとこわれてしまい、再び通ることができなくなります。このとき、勇者が姫を無事にお城まで連れて戻ってこられる方法は何通りありますか。





20180508115321.jpg(2) 第2の冒険 
第1の冒険を終えた後、姫は違う街に連れ去られてしまいました。この街で魔王は、勇者が道を1つ進むごとに、図のA、B、C地点をA→B→C→B→A→...の移動を繰り返しています。勇者がスタートするときには魔王はA地点にいます。したがって、勇者が道を5つ進んだときに、魔王はB地点にいることになります。勇者が魔王に出会わずに、姫を無事にお城まで連れて戻ってこられる方法は何通りありますか。










【解答例】
「格子状の道」を最短経路で進んでいくのですから、この問題は「最短の道順問題」です。


「最短の道順問題」を解くときは、「1・1解法(イチイチ解法)」や「→(東へ進む)と↑(北へ進む)の組み合わせ」を利用します。


(1) 
橋に名前をつけ、どの橋を通るかで場合分けをしていきます。

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S→ア→Gの場合 
Sからアまでは「→1回と↑3回」を組み合わせて進めばよいので4C1=4通り、アからGまでは1通りですから、4×1=4通り

S→イ→Gの場合 
Sからイまでは「→1回と↑2回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通り、イからGまでは「→2回と↑1回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通りですから、3×3=9通り

S→ウ→Gの場合 
Sからウまでは「→2回と↑1回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通り、ウからGまでは「→2回と↑1回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通りですから、3×3=9通り

S→エ→Gの場合 
Sからエまでは「→2回と↑1回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通り、エからGまでは「→1回と↑2回」を組み合わせて進めばよいので3C1=3通りですから、3×3=9通り

S→オ→Gの場合 
Sからオまでは1通り、オからSまでは「→1回と↑3回」を組み合わせて進めばよいので4C1=4通りですから、1×4=4通り 


GからSに戻る場合は、SからGに来た道を「後戻り」したと考えると、行きと同じだけの進み方がありますから、GからSまでは、アまたはオを通るとそれぞれ4通り、イまたはウまたはエを通るとそれぞれ9通りあります。


SからGへアを通っていくと、帰りにアを通ることはできませんので、行き4通り×帰り(9通り×3+4通り)=124通りとわかります。


同じように、SからGへイまたはウまたはエを通っていくときはそれぞれ、行き9通り×帰り(4通り×2+9通り×2)=234通りありますから、(1)の答えは、124通り×2+234通り×3=950通りと求められます。




(2) 
SからAまでは「→4回と↑4回」を組み合わせて進めばよいので、8回動きます。

しかし、勇者が8回動いたとき魔王はAにいますので、「勇者が魔王に出会わず」という条件に適しません。

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SからBまでは「→4回と↑3回」を組み合わせて進めばよいので、7回動きます。

しかし、勇者が7回動いたとき魔王はBにいますので、この場合も「勇者が魔王に出会わず」という条件に適しません。

20180508115447.jpg



SからBを通らずにCに行くには「→5回と↑2回」を組み合わせて7回進んだ後、さらに「↑1回」進めばよいので、「8回動く 7C2×1通り=21通り」です。

20180508115511.jpg

勇者が8回動いたとき魔王はAにいますので、このあと、勇者が姫と出会ったとき魔王はB、勇者がAに行くと魔王はCにいることになり、次に勇者がAから西に1回進むと魔王に出会うことはもうありません。


20180508115543.jpg


Aから西に1回進んだ後、Sに戻る道順は「←3回と↓4回」を組み合わせて進めばよいので7C3=35通りですから、行き21通り×帰り35通り=735通り が(2)の答えです。

20180508115644.jpg






題材はビデオゲームにありそうなホンワカとしたものでしたが、正解を得るために限られた試験時間の中で場合分けを厳密に行わないといけないところが、受験生にはなかなか大変だったのではないかと思います。


入試には制限時間がありますから、家庭学習で道順の問題に取り組むときは、「1・1解法」がいつでも正確に使えるようになったら「→と↑の組み合わせ」の計算でも求められるような練習をして、少しでも時間短縮と正確さの向上がはかれるといいですね。

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場合の数の練習問題2018年05月19日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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