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第396回 2018年度中学入試の文章題 2

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文章題の練習問題2018年06月16日18時00分

「第396回 2018年度中学入試の文章題 2」


前回から2018年度の中学入試で出された「文章題」について見てきています。


前回は「文章題」のうち、「特殊算」以外の問題として「おまけ」に関する問題をご紹介しました。


そこで今回は、計算技術のひとつとして「つるかめ算」などを利用する問題や定番の問題に条件を少し加えた問題の中から、「仕事算」についてみていこうと思います。


1問目は、首都圏の人気校、早稲田実業学校中等部の2018年度の入試問題です。




2018年度 早稲田実業学校中等部 入試問題 算数 より 

問題1-(2)  A君だけでは1時間、B君だけでは1時間24分かかる仕事があります。最初の10分間はA君とB君の2人で仕事をして、次にA君だけで仕事をして、最後にB君だけで仕事をしたところ、全部で1時間4分かかりました。B君だけで仕事をしたのは何分間ですか。








【解答例】
A君だけで60分、B君だけで84分かかる仕事ですから、仕事全体を時間の最小公倍数420と仮定して、それぞれが1分間にする仕事の量を求めておきます。


420÷60分=7...A君が1分間にする仕事 

420÷84分=5...B君が1分間にする仕事 


仕事全体、A君とB君がそれぞれ1分間にする仕事の量がわかりましたので、「最初の10分間はA君とB君の2人で仕事をして、次にA君だけで仕事をして、最後にB君だけで仕事をしたところ、全部で1時間4分かかりました」という最後の条件を線分図に表してみます。

20180608134140.jpg


図より、答えを出すためには「つるかめ算」を利用すればよいことがわかります。


(7×54分間-300)÷(7-5)=39分間 






1問目は、「仕事算」を解く際に「つるかめ算」を用いる問題でした。


では、2問目です。


2問目は、関西エリアの難関中、西大和学園中学校の入試問題です。


西大和学園中学校は、平成26年に女子中等部が設置されて共学校となり、2018年度入試の偏差値は、男子が65、女子が68(日能研 2018年度結果R4)となっている難関中です。




2018年度 西大和学園中学校 入試問題 算数 より 

問題1-(3) 西大和祭にむけて同じモザイクアートを3つつくることになりました。1つ目はA班だけで40日間でつくり上げ、2つ目はB班だけで32日間でつくり上げました。3つ目はまずB班だけで(  )日間作業し、その後A班とB班合同で作業をしてつくり上げたところ、B班だけの作業日数とA班、B班合同の作業日数の比が1:3となりました。








【解答例】
前問と同様に、仕事全体を日数の最小公倍数160と仮定すると、

160÷40日間=4...A班が1日間にする仕事 

160÷32分=5...B班が1日間にする仕事 

が求められます。


次も先ほどと同じように、最後の条件「B班だけで(  )日間作業し、その後A班とB班合同で作業をしてつくり上げたところ、B班だけの作業日数とA班、B班合同の作業日数の比が1:3となりました」を線分図に表します。

20180608134244.jpg


図より、160÷(5+27)×5がB班だけでした仕事の量とわかりますから、160÷(5+27)×5÷5=5日間 がB班だけで作業をした日数です。




本問は、「日数の比」という条件が「仕事算」に加えられた問題でした。


なお、上記のように「比の積と商の関係」を利用するほか、「もし、B班だけで1日間、合同で3日間作業をしたとすれば...」のように、日数を「具体的に仮定」しても解くことができます。


やはり、有名中の入試問題はズバリ「〇〇算」だけということはなく、何かしらの条件が加わっている問題が出されています。


他にどのような条件が加わっている問題があるのでしょうか。


最後にご紹介する問題は、女子御三家の女子学院中学校の入試問題です。




2018年度 女子学院中学校 入試問題 算数 より 

問題3 ある仕事をするためにA、Bの2種類のロボットが用意されています。 A11台で仕事をすると、ちょうど3日で終わります。 A3台とB2台で仕事をすると、3日間では仕事が残り、4日目に終わります。この仕事をB1台ですると、(  )日以上(  )日以下の日数で終わります。








【解答例】
本問は、A3台とB2台で仕事をしたときの日数に範囲がありますから、仕事全体を日数の最小公倍数に仮定しにくくなっています。


そこで、仕事算のもう1つの解き方である「単位量あたりの仕事量」を用いることにします。


「A1台が1日間にする仕事を1」のように仮定すると、仕事全体は 1×11台×3日間=33 となります。


次に「A3台とB2台で仕事をすると、3日間では仕事が残り、4日目に終わります」とありますので、B1台の仕事量が最大の場合は3日間ちょうど、最小の場合は4日間ちょうどという、2つの場合を考えます。



・B1台が1日にする仕事の量が最大の場合

 (1×3台+B×2台)×3日間=33 B=4...B1台が1日間にする仕事 

仕事全体33÷4=8.25日より長い → 9日目に仕事が終わる 



・B1台が1日にする仕事の量が最小の場合 

(1×3台+B×2台)×4日間=33 B=21/8...B1台が1日間にする仕事 

仕事全体33÷21/8=12 4/7日以下 → 13日目に仕事が終わる 


以上より、この仕事をB1台ですると、9日以上13日以下の日数で終わることがわかります。




3問目は「日数の範囲」が条件として加えられた「仕事算」でした。




今回ご紹介した難関中や有名中の「文章題」の問題は、すぐに「仕事算」だと分かりますが、それを解くためには、仕事算の2つの解法、

① 仕事全体を1または時間の最小公倍数に仮定する 

② A1台が1日間にする仕事のように「単位あたりの仕事量」を1と仮定する 

に加えて、つるかめ算が加わっていることを見抜く力や比の利用方法、範囲がある問題の解き方をマスターしていることが必要な問題でした。


難関中や有名中が志望校の場合は、このような中学入試で出されるレベルの「文章題」も解けるようになるため、「〇〇算」の解き方を身につけたあとは、条件を加えられた少し複雑な問題に取り組めるといいなと思います。

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文章題の練習問題2018年06月16日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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