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第400回 夏期講習で身につけておきたいこと 2

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受験算数と塾の使い方2018年07月14日18時00分

「第400回 夏期講習で身につけておきたいこと 2」


7月もいよいよ中旬です。


夏期講習はもうすぐですね。


前回は、大手進学塾の5年生の夏期講習について見ましたが、その内容は、単なる1学期の復習だけではなく、学んだことをベースとした高いレベルの問題やこれまでに取り扱わなかった単元が含まれていることがわかりました。


では、6年生の場合はどうなのでしょうか。


前回ご紹介したように、首都圏の大手進学塾のHPには表現の違いこそあれ、ほぼ共通して、6年生の夏期講習は、総復習と苦手な単元の克服、2学期以降の志望校に向けた実戦的な学習に備えた内容であることが書かれていました。


そこで今回は、その6年生の夏期講習について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。


次は、サピックスの6年生の夏期講習のカリキュラムです。


第1回 ... 数の性質(1) 
第2回 ... 和と差に関する問題 
第3回 ... 割合(1) 
第4回 ... 平面図形(1) 
第5回 ... 速さ(1) 
第6回 ... 規則性 
第7回 ... 場合の数(1) 
第8回 ... 平面図形(2) 
第9回 ... 立体図形 
第10回 ... 数の性質(2) 
第11回 ... 割合(2) 
第12回 ... 速さ(2) 
第13回 ... 図形の移動 
第14回 ... 平面図形(3) 
第15回 ... 推理と論証 
第16回 ... 文章題総合 
第17回 ... 場合の数(2) 
第18回 ... 表とグラフ 


5年生の夏期講習と違い、6年生の場合は「新出」の単元はありません。


しかし、5年生と同様に学習カリキュラムが「スパイラル(らせん状)方式」になっていますから、これまでに習った単元であっても、取り扱う問題には「新出」のものが少なくありません。


過年度の教材の場合ですが、6年生の夏期講習の「第1回 数の性質(1)」のサマーサポートは、次のような構成となっています。


・導入と基本①~③
・数の性質(基本)
・既約分数の個数(1)(2)
・たすと割り切れる
・どんな数
・商と余りが等しい
・2数の和を考える
・同時に聞こえる
・星形多角形(1)(2)
・円の中の反射
・全部にぬるための条件
・同時に発光する 


このうち、これまでの復習に相当するのは「基本と導入」、「既約分数の個数」、「同時に聞こえる」の3つくらいで、残りはほぼ「2学期以降の志望校に向けた実戦的な学習」です。


また、「第6回 規則性」は、

・導入と基本①~③
・台形を作るときの規則
・数表
・周期と対応
・置換
・日暦算
・空きびん交換(1)(2)
・フラクタル(1)(2)
・等比数列の和(1)(2)
・当番の日
・そうじ当番
・数表(応用)

という構成になっていますが、そののうち5分の3が5年生の夏期講習で取り扱った問題の応用、残りが「2学期以降の志望校に向けた実戦的な学習」のように、6年生以前に学んだ単元の応用も取り扱われます。


実際の問題を「そうじ当番」を例に見てみます。


(5年生の夏期講習の問題) 
花子さんの家には定期的に3人の人が来ます。Aさんは3日ごと、Bさんは5日ごと、Cさんは毎週火曜日に来ます。(Aさんは2月1日に来たら、次は2月4日に来ます。)3月3日(火曜日)に3人とも花子さんの家に来ました。次にこの3人が同じ日に来るのは何月何日ですか。


【解答例】
3、5、7の最小公倍数は105なので、3人が同じ日に来るのは3月3日の105日後です。

3/3+105=3/108=4/77=5/47=6/16 

答え 6月16 



(6年生夏期講習の問題) 
50人の子供達がいて、1番から順に番号をつけたところ、A君は20番でした。この子供達が日曜日を除いて毎日8人ずつ交代で公園のそうじをすることにしました。5月1日(土曜)は1番から8番まで、5月3日は9番から16番まで、5月8日は49番から6番までです。次の問いに答えなさい。

(1)A君が4回目に当番になるのは何月何日ですか。

(2)6月3日の当番は何番から何番までの人ですか。


【解答例】
(1)
50人×3周期+20人=170人 なので、A君が4回目に当番になるとき、少なくとものべ170人がそうじをしていることになります。 

170人÷8人=21回あまり2人 なので、A君が4回目に当番になるのは、5月1日から数えて22回目のそうじの日です。

日曜日はそうじをしないので、22回÷6回/週=3週間あまり4回 より、A君が4回目に当番になるのは、5月1日から数えて4週目の4回目(土、月、火、水)の日、つまり4週目の5日目です。

5/7×3+5=5/26

答え 
5月26 


(2)
6/3=5/34 なので、34日÷7日=4週間あまり6日(土、月、火、水、木) ですから、6月3日のそうじは5月1日から数えて 6回/週×4週+5回=29回目 です。

8人/回×28回=224人 が前日までののべ人数ですから、224人÷50人=4周期あまり24人(17番から24番まで) より、6月3日にそうじをするのは、25番からの8人です。

答え 25番から32番まで 




5年生の夏期講習で取り扱った問題も、6年生の夏期講習で取り扱った問題も、使っているテクニックの中心は「お化け日暦」とも呼ばれるものですが、6年生の問題には「余りの処理」が加わっているため、「答えが1ズレる」などの間違いをしやすくなっています。


まさしく、「2学期以降の志望校に向けた実戦的な学習」であるといえるでしょう。




このように6年生の場合、夏期講習は「復習だけではなく、1ランクも2ランクも難しい問題にあたって、学力を上げていく」ための内容となっています。


ですから、「夏期講習で総復習と苦手な単元の克服をしよう」と考え、何も準備をしないで夏期講習を受講すると、「分からない問題や苦手な単元が増えていくだけ」という危険性があります。


ですから、夏期講習で「2学期以降の志望校に向けた実戦的な学習」を身につけるため、残された期間は短いですが、夏期講習が始まるまでに家庭学習で復習を行い、ここまでに学んできた問題のレベル内で、少しでも苦手を減らすことができるといいなと思います。

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受験算数と塾の使い方2018年07月14日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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