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第410回 「速さ」の勉強方法 4

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速さの練習問題2018年09月22日18時00分

「第410回 『速さ』の勉強方法 4」


前回は、5年生が「流水算」についてどのようなことを学ぶのか、サピックスの平常教材「Daily Support」を題材にして見ました。


今回取り上げるテーマは、「旅人算」、「流水算」に続いて「通過算」の学習です。


「通過算」もこれまでと同じように、サピックスの平常教材「Daily Support」(過年度版)から問題を選んでいこうと思います。




(A問題より)
長さ90mの列車が毎秒18mの速さでふみきりを通り過ぎました。ふみきりに立っている人の前にさしかかってから、すっかり通り過ぎるまでに何秒かかりましたか。








【解答例】
通過算は、問題の条件を絵に表して整理するのが大原則です。

20180914174639.jpg


絵に表すときは、「列車の移動距離」をわかりやすくするため、上のように「絵をたてに並べる」ようにします。


「列車の移動距離」は、列車の先頭や最後尾など列車の1点の動きで考えることが通過算のポイントです。

20180914174705.jpg


上の図のように表すと、絵は線分図のようになりますから、線分図の原則である「→に距離または距離比を書き込む」より、

90m÷18m/秒=5

のようにして答えを求めることができます。


なお、通過算に慣れた後は、次のように、絵を1つにまとめると少し手間を省くことができます。

20180914174745.jpg


サピックスの「Daily Support」では、A問題で「通過算」の基本形である「幅なし通過」をまずは学びます。


また、このA問題では、次の問題のように、もうひとつの基本形「幅あり通過」についても学びます。




(A問題より)
長さ120mの列車が毎秒15mの速さで、長さ240mのトンネルにさしかかりました。これを通りぬけるのに何秒かかりましたか。






【解答例】
この問題を絵に表すと、次のように解くことができます。

20180914174840.jpg


( 120m+240m )÷15m/秒=24 






A問題で基本形を学んだ後は、その応用問題を、B問題で取り扱います。




(B問題より)
ある列車が、長さ300mの鉄橋を通過するのに50秒かかり、そのままの速さで、長さ960mのトンネルを通過するのに1分50秒かかりました。

(1) この列車の速さは毎秒何mですか。

(2) この列車の長さは何mですか。






【解答例】
応用問題になっても、整理方法は基本形と変わりません。


ここで学ぶ大切な学習のポイントは、「スタートの位置をそろえて絵をたてに並べてかく」ということです。

20180914174920.jpg


上の図のような絵にすると、「通過時間に1分の差があるのは、距離が660mちがう」からであることがわかりやすくなります。


(1) 
660m÷60秒=11m/ 

(2) 
11m/秒×50秒-300m=250m 

20180914174953.jpg




「応用問題」と書きましたが、ここまでは「通過算の基本」です。


では、基本ではない問題とはどのようなものなのでしょうか。


引続き、B問題を見ていきます。




(B問題より)
長さ150mの普通列車が、鉄橋をわたり始めてからわたり終えるまでに30秒かかりました。同じ鉄橋を、長さ190mの急行列車が、普通列車の2倍の速さでわたったところ、17秒かかりました。

(1) 鉄橋の長さは何mですか。

(2) 急行列車の速さは毎時何kmですか。






【解答例】
この問題を絵に表すと、次のようになります。

20180914175029.jpg


この問題は絵のかき方にも学習のポイントがあります。


この問題ではスタートの位置をそろえるよりも最後の位置をそろえた方が「差」を見つけやすいように、問題に応じてそろえる位置は異なります。


「差」が見つけにくいときはそろえる位置を変えてみましょう。


また、この問題でおかしやすいミスは、

( 190m-150m )÷( 30秒-17秒 )

としてしまうことです。


進む距離が長い急行列車の方が、通過にかかる時間が短いことを見落とすとこのような式になってしまいます。


前の問題で「通過時間に1分の差があるのは、距離が660mちがうから」ということが利用できたのは、「同じ速さ」だったからです。


ですから、この問題でも、どちらか一方の列車に速さをそろえておくことが必要となります。


(2)で急行列車の速さを求めますので、ここでは普通列車の速さを2倍にして、急行列車と速さを同じにしておきます。
※普通列車の速さにそろえても答えを求めることはできます。

20180914175110.jpg


上の図より、急行列車の速さが

( 190m-150m )÷( 17秒-15秒 )=20m/秒=72km/

と求められ、鉄橋の長さも

20m/秒×17秒-190m=150

とわかります。

20180914175149.jpg




サピックスの平常教材「Daily Support」では、このようにB問題から「比」を利用した応用問題も学びますので、そこまでの問題演習で、「幅なし通過」や「幅あり通過」などの「通過算の基本」を身につけておくことが必要となることがわかりました。


そこで、次回は、今回ご紹介しきれなかったC問題以降について、さらにどのようなことを学び、どのような勉強が必要になるのかをみていこうと思います。

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速さの練習問題2018年09月22日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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