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第420回 冬期講習の学習 3

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数の性質の練習問題2018年12月01日18時00分

「第420回 冬期講習の学習 3」


ここまで、5年生が冬期講習で学ぶ内容について、首都圏の大手進学塾であるサピックスの冬期講習教材から「割合に関する問題」、「平面図形」の2単元を見てきていました。


今回ご紹介する冬期講習で学習内容は「数の性質」です。


「数の性質」は6年生の第1回目の授業でも取り扱われる内容ですから、冬期講習で理解を深めておくことが大切です。


では、さっそく、サピックスの冬期講習教材「ウィンターサポート」(過年度版)から問題をご紹介していきます。




(A問題より)
整数を下図のように表すことにします。次の問いに答えなさい。

20181123112233.jpg

(1) 下の図1はどんな整数を表していますか。

(2) 50を図2に表しなさい。

20181123112342.jpg








【解答例】
斜線部分に「数」を書きこんでいくと、規則性が見つかります。


はじめに、整数1を表している図の斜線部分に「1」を書き込みます。


すると、整数2を表している図の上の段にある斜線部分も「1」であることがわかります。


20181123112322.jpg


整数3以下についても同じようにすると、次のようになります。

20181123112408.jpg


このようにしてわかった「斜線部分に書かれている数の和=表される整数」という規則に従うと、8つの小さな正方形には次のように数を書きこんでいくことができます。

20181123112430.jpg


これを利用して、(1)、(2)の答えを求めます。




(1) 
20181123112456.jpg


上の図より、

27+9+3×2+1=43 


(2) 
50=27+9×2+3+1×2

ですから、

20181123112628.jpg


となります。




この問題では、縦2マスに斜線を入れると次は左のマスに移りますので、「3つ集まると位が1つ上がる数=3進法」で整数が表されている図だとわかります。


このことを利用すると、(2)は次のような「すだれ算」で求めることもできます。

20181123112609.jpg


この「N進法」は難関中受験に必要な学習単元ですが、5年生にとっては「新規学習」となっています。


そのため、冬期講習教材「ウィンターサポート」の第3回では、A問題で図の規則性から「N進法」への発展、さらにB、C問題でその演習と「10進法 ⇔ N進法」の変換について、6ページにわたって取り扱っています。








では、D問題以降はどのような内容なのでしょうか。




(D問題より)
144、169、128をそれぞれある数で割ると、144はちょうど割り切れましたが、169は1余り、128は2余りました。ある数というのはいくつですか。すべて答えなさい。








【解答例】
「余りの処理」に関する問題は、問題文を式にして整理すると方針を立てやすくなります。

144÷□=〇 
169÷□=△あまり1 
128÷□=☆あまり2 


方針①「割る数>あまり」

これらの式では「あまり2」が最大ですから、割る数□は3以上の整数だとわかります。


方針②「割り切れるためには...」
 169÷□=△あまり1
  ↓ 
 168÷□=△

 128÷□=☆あまり2 
  ↓
 126÷□=☆ 

のように、割られる数から余りを引くと、割る数□は、144、168、126を割りきることができる数=公約数だとわかります。


「公約数=最大公約数の約数」ですから、144、168、126の最大公約数を求めます。


20181123112929.jpg

3つ以上の数の最大公約数を求めるときは、どれか1つの数でも割り切れなくなればそこでやめることに注意しましょう。


6の約数は、1、2、3、6の4つですが、方針①で「割る数□は3以上の整数」とわかっていましたので、答えは36です。




「約数」に関する問題は夏期講習の第1回でも取り扱っていますので、この問題はその復習です。




では、最後のE問題を見ておきます。




(E問題より)
最大公約数が6で最小公倍数が90であるような2けたの数はいくつといくつですか。








【解答例】
最大公約数と最小公倍数からもとの2数を求める問題ですから、すだれ算を逆算していきます。

20181123113006.jpg


問題文中に「2けたの数」とありますから、答えは1830 です。




夏期講習で取り扱った類題は、一方の数が分かっている問題でしたが、本問のように最大公約数と最小公倍数からもとの2数を求める問題でもすだれ算を逆算して求めます。


このとき、最大公約数が変わらないようにするために積を分解したときに「もう割り切れない2数」(「互いに素」といいます)となっていることや、この問題の「2けたの数」のような条件に注意することが必要です。


その意味でE問題は夏期講習の発展学習といえます。






今回は、5年生が冬期講習で学ぶ「数の性質」について見てきました。


6年生の第1回目の授業で取り扱われる「数の性質」は約数や倍数を利用した文章題が中心となる予定ですから、D問題の「余りの処理」やE問題の「すだれ算の逆算」は、この冬期講習でマスターしておくことが必要です。


もし、最大公約数や最小公倍数の求め方や基本的な文章題の理解が十分でなかったようでしたら、「サマーサポート」の第1、2回などを用い、冬期講習が始まるまでに「数の性質(約数や倍数)」の復習や疑問点の解消を終えておけるといいですね。

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数の性質の練習問題2018年12月01日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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