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第428回 2019年度 中学入試 3

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中学入試の算数問題2019年01月26日18時00分

「第428回 2019年度 中学入試 3」


先週末から始まった関西エリアの中学入試も大詰めを迎えています。


これまでに、灘中、大阪星光学院中、神戸女学院中、四天王寺中など、多くの学校で合格発表が行われました。


2019年度の関西エリアの入試状況は以下のようになっています。

20190125091050.jpg


今回はこれらの関西エリアの入試の中から、灘中学の入試結果と問題をご紹介します。


灘中の2019年度入試の算数は、次のような結果でした。

20190121181443.jpg


上記の表のように、2019年度の灘中の算数は、受験者平均、合格者平均が両方とも過去5年で最も低い点数となりました。


かなり厳しい出題であったと思われますが、どのような問題だったのか、実際に見ていきましょう。




2019年度 灘中学 入試問題 算数1日目より 

大問5 
A=377×377×377×377×377×377とするとき、Aの約数の中で14で割ると1余るものは1を含めて全部で(①  )個あります。また、Aの約数の中で15で割ると1余るものは1を含めて全部で(②  )個あります。








【解答例】
問題文から、「余りを利用して計算」すればよさそうだということがわかります。


また、「Aの約数の中で14で割ると1余るもの」という問題文から、377が15や29など14で割ると1余る数で割れることにも気づけ、

377÷29=13 → 377=29×13 

と素因数分解できます。


12の約数が素因数分解をすると次のように表せることは学習していると思いますので、A=3776についても同じように考えればよいだろうという方針が立ちます。

20190121181534.jpg


20190121181550.jpg

1÷14=0あまり1 

13÷14=0あまり13 

(13×13)÷14=12あまり1 

より、

133を14で割ったあまり...13を14で割った余りと132を14で割った余りの積=13×1=13

134を14で割ったあまり...13を14で割った余りと133を14で割った余りの積=13×13→あまり1

のように、1と13をくり返します。


従って、Aの約数を14で割った余りは次のようになります。

20190121181642.jpg


7個×4列=28 ... ①の答え 



②も同様に、29mや13nを15で割った余りを書いた表を作ればOKです。

20190121181702.jpg


4個×2列=8 ... ②の答え 




本問は、昨年度の入試問題(灘中2018年度入試 算数1日目 大問4)の発展類題です。


過去問演習が役に立つ問題の好例といえそうです。




次は平面図形の問題を見てみましょう。




大問9 
20190121181728.jpg右の図で、三角形ABCは正三角形で、面積は1cm2です。PBの長さがPAの長さの2倍のとき、三角形CAPの面積は(  )cm2です。














【解答例】
長さの比が1:2の2辺にはさまれた角が120度の三角形から、これまでに学習してきた何を思い浮かべるかによって、解き方は分かれそうです。


(解き方1)...120°から正六角形を思い浮かべたとき

20190121181802.jpg



(解き方2)...PA:PB=1:2から「風車の問題」を思い浮かべたとき

20190121181827.jpg


いずれの場合も、図より、

1cm2×1/7=1/7cm2

が答えとわかります。






本問も、問題図中のヒントから演習して身につけた解き方と結びつけることができるかを問うものでした。




では、最後に立体図形の問題をご紹介します。




大問12 
20190121181857.jpg 右の六角すいは、底面が正六角形でOはその中心です。頂点Pと点QはどちらもOの真上にあり、PQの長さはQOの長さの2倍です。3点A、B、Qを通る平面でこの六角すいを切り2つの立体に分けるとき、頂点Pを含む方の立体の体積はもとの六角すいの体積の(  )倍です。
















【解答例】
「六角すいをいきなり切断するのは難しいから、別の立体の中にはめ込んでしまえばよいかも...」と考えることができれば、問題図で底面の正六角形が6つの正三角形に分けられていることをヒントとして使うことができそうです。

20190121181932.jpg


三角すいを切断している上の見取り図から、次のような投影図をかくことができます。

20190121181949.jpg



上の図より、

20190121182719.jpg

となるので、

PS:SD=1:1

がわかります。


六角すいは6つの合同な三角すいが集まってできていますから、「三角すいの体積比を隣辺比で求める解き方」が使えます。

20190121182736.jpg


1/6×(1×1×2/3+1×2/3×2/3×2つ+2/3×1/2×2/3×2つ+1/2×1/2×2/3)=13/36 






問題の六角すいを、上の図の「人」が見ている向きから考えるという解き方は、灘中の過去問の「三角すいの切断」や「四角すいの切断」で練習したことがあると思います。






2019年度の灘中の算数は、今回ご紹介した問題のように、灘中の過去問演習で身につけた考え方や解き方、6年生で学ぶ応用問題の解き方を使う問題が含まれていました。


しかし、それらの考え方や解き方に試験会場で気づけた受験生が少なかったのでしょう、受験者平均、合格者平均は過去5年と比べて最も低くなりました。


首都圏の受験生は残された時間が限られていますので、「今からどんな直前勉強をしようかな...」と思ったときは、受験校の過去問や塾の志望校別講座の教材など、これまでに何度も見てきたテキストを用いたおさらいをして、自分が身につけられていることを確認してみるのもいいと思います。

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中学入試の算数問題2019年01月26日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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