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第433回 2019年度 中学入試 8

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中学入試の算数問題2019年03月02日18時00分

「第433回 2019年度 中学入試 8」


ここまで2019年度の中学入試の中から、渋谷教育学園幕張中学校、開成中学校、桜蔭中学校、麻布中学校の入試問題を見てきました。


今回は、女子御三家の女子学院中学校の入試問題をご紹介していきます。


女子学院中学校の2019年度の入試問題は、昨年度の7題(解答数26問)から1つ少ない6題(解答数22問)となりましたが、各問題の難度は昨年度よりも上がっているように感じました。


ですから合格に向けたポイントは、制限時間の40分の中で正解できる問題を一つひとつ押えていくことだったように思われます。


それでは、2019年度の女子学院中学校の入試問題の中から2問をご紹介していきます。


1問目は女子学院中学校でよく出される「角の大きさ」の問題です。




2019年度 女子学院中学校 入試問題 算数より 

大問1-(4) 
図の四角形ABCDは正方形で、点Oは円の中心です。辺ABと直線EFは平行です。太線の図形は、直線EFを対称の軸とした線対称な図形です。角アは(  )度、角イは(  )度、角ウは(  )度です。

20190222172518.jpg

(一部改題)








【解答例】
図形問題を解くときの基本「小問ごとに必要な図形をかく」に従い、角アに必要な線だけをかきます。


20190222172606.jpg


はじめに「太線の図形は、直線EFを対称の軸とした線対称な図形」という条件から、次のことがわかります。

20190222172648.jpg



また「四角形ABCDは正方形」という条件から、次のこともわかります。

20190222172703.jpg


この2つのことから、角アの大きさは、60°-45°=15°と求められます。




次に角イに必要な線だけをかきます。

20190222172727.jpg


上の図の中には線対称図形があります。

20190222172742.jpg


上の図より、角イの大きさは、(180°-32°)÷2=74°とわかります。


角イの大きさがわかると、角ウの大きさは次のようにして求められます。

20190222172801.jpg


180°-(45°+74°+32°)=29° 




1つの問題図の中に、「円と線対称」、「正方形と線対称」という2つのテーマが含まれた問題でした。


角の大きさの問題は「(困ったときは)わかる角の大きさをどんどん書き込んでいく」という解き方でよいのですが、家庭学習をするときは上記のように「どこから解きはじめていくことができるか」を考えるようにしていると、本問のような「融合問題」でも短時間に正解を得ることができるようになると思います。




ではもう1問見ていきましょう。




大問4 
今、時計の長針は文字盤の1~12のいずれかの数をちょうど指していて、今から56 4/11分後に、長針と短針のつくる角が180度になります。今、長針と短針がつくる角は(  )度で、時刻は午前(  )時(  )分です。








【解答例】
この問題の「時計の長針は文字盤の1~12のいずれかの数をちょうど指していて」という条件を読んだときに、時計算で練習した

20190222172854.jpg

という問題に似ていると思うことができれば、方針が立てやすかったことでしょう。


上記のような問題は2針が作る角の大きさがわかれば時刻が求められますから、「今から56 4/11分後に、長針と短針のつくる角が180度になります」を使えばOKなので、あとは「短針を止めた図で考える」、「巻き戻す」の2つを利用すればよいとわかります。

20190222172917.jpg


(6°/分-0.5°/分)×56 4/11分=310° 


巻き戻す角の大きさが310度とわかりましたから、今、長針と短針のつくっている角の大きさは、

310°-180°=130°(または230°)

です。

20190222172946.jpg


上の図より、短針は□時0分(正時)より

a=130°-30°×4=10°

進んでいることがわかりますので、

10°÷0.5°/分=20分 → □時20分が現在の時刻

です。


「20分」とき、長針は文字盤の「4」を指していますから、  

20190222173023.jpgより、

今の時刻は8時20です。




本問も時計算の2つのテーマ「長針と短針が□時☆分に作る角の大きさ」と「時刻当て」が1つになった融合問題です。






2019年度の女子学院中学校の算数の入試問題は、今回ご紹介した2つの問題のように、入試レベルにおける各分野の定番問題を上手く組み合わせた問題が多く見られました。


近年、女子学院中学校のように「難関」といわれる学校の入試問題は、「知識量」だけでなく、「なぜそのような解き方なるのか」、「どういう条件があるときのその解き方が使えるのか」といった「理解の深さ」を問う問題が増えてきています。


新6年生である程度まで受験勉強が進んでいるようでしたら、2019年度の女子学院中学校のような良問の入試問題に挑戦して、現在の自分の学習の理解の深さを知り、また不足しているものが何かを明確にしてこれからの学習に取り組むことができればいいなと思います。

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中学入試の算数問題2019年03月02日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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