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第440回 中学入試の攻略ポイント3

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中学入試の算数問題 / 算数の成績アップ勉強法2019年04月20日18時00分

「第440回 中学入試の攻略ポイント3」


これまで、「中学入試で正解できる問題」の代表である「計算問題」と「一行問題」について、海城中学、頌栄女子学院中学の入試問題を例に見てきました。


そこで、今回からはいくつかの小問で構成される「大問」について、得点の方法を考えていこうと思います。


今回ご紹介する問題は、サピックスの「2020年 中学入試 予想偏差値(合格率80%以上)」が58となっている早稲田中学(第1回)の入試問題です。


例年、早稲田中学(第1回)の入試の算数の合格者平均は概ね40点前後(満点60点)で、2019年度の場合は38.2点(得点率63.7%)でした。


2019年度は「小問3問×大問5題」という問題構成でしたから9.5問、平均すると大問ごとに小問を2問正解することが必要ということになります。


では実際の問題を見ていきましょう。




2019年度 早稲田中学 第1回入試問題 算数より 

大問1
(1)  20190417135824.jpgを最も簡単な分数にしなさい。

(2) 2つの容器A、Bに同じ量の水を入れたところ、Aには容器の4/5、Bには容器の3/4だけ入りました。その後、AがいっぱいになるまでBの水をAに移すと、Bには18L残りました。Bの容積は何Lですか。

(3) 中学生(12才~15才)の太郞君とお父さんの年令の和は、現在と18年後では十の位の数字と一の位の数字が入れ替わります。また、現在から18年後に初めて太郞君の年令の2倍がお父さんの年令を上回ります。お父さんは現在何才ですか。








【解答例】
(1)
「ある分数XがAで約分できるとき、Xの分子と分母はAの倍数である」という関係を利用して、問題の条件を線分図に表すと次のようになります。

20190417135757.jpg


上の線分図より、5080と5207の差127はAの倍数とわかります。


127は素数なのでA=1または127ですから、 20190417135824.jpgを127で約分します。

20190417135917.jpg
 

(2)
20190417135935.jpgですから、入れた水の量を⑫とすると、容器Aの容積は⑮、容器Bの容積は⑯となります。


従って、問題の条件を図に整理すると次のようになります。

20190417135952.jpg


上の図より、⑨=18L → ①=2L と分かりますので、容器Bの容積⑯=32Lです。


(3)
現在の太郞君とお父さんの年令の和をPQ、18年後の年令の和をQPとすると、次のように表すことができます。

20190417140023.jpg


このことから、18年後の2人の年令の和は、95才、84才、73才、62才、51才のいずれかです。


また、太郞君の現在の年令が12才~15才ですから18年後は30才~33才となり、「18年後に初めて太郞君の年令の2倍がお父さんの年令を上回ります」という条件にあてはまるお父さんの年令は、

(太郞君、お父さん)=(30才、59才)、(31才、60才)、(32才、63才)、(33才、65才)

の4つの場合です。


このうち、2人の年令の和が95才になる(太郞君32才、お父さん63才)という組み合わせが18年後の年令わかります。

63才-18才=45 




2019年度の早稲田中学の入試問題の大問1は、小問(1)と小問(2)が塾の教材などで練習したことがある問題、小問(3)はあまり練習の機会がない問題という構成ですから、3つある小問のうち2問の正解」を達成するためには、ふだんの学習が大切になっていることがわかります。


もう1つ大問を見てみましょう。




大問3 あるお店のおにぎりは、シャケが1個100円で、イクラ1個はタラコ1個より40円高く売られています。 6500円で、おつりのないように45個のおにぎりを買うとき、次の問いに答えなさい。

(1) シャケを10個と、イクラとタラコを合わせて35個買おうとしたところ、200円足りません。しかし、イクラとタラコの個数を入れ替えると、ちょうど6500円で買うことができます。タラコ1個は何円ですか。

(2) できるだけ多くタラコを買うとすると、タラコは何個買えますか。ただし、どのおにぎりも1個以上は買うものとします。

(3) 6500円で買ったおにぎりのうち、タラコ1個を落としてしまいました。代わりにどれかのおにぎりを1個もらって加えたところ、シャケ、イクラ、タラコはどれも3等分できる個数になりました。このようなおにぎりの個数の組み合わせとして考えられるものは何通りかありますが、最初に買ったシャケの個数が最も多いのは、シャケを何個買ったときですか。







【解答例】
(1)
6500円-100円×10個+200円=5700円...イクラとタラコ35個を予定の個数で買うときの代金 

「とりちがえ」の問題なので、予定と個数を入れ換えたときを次のように整理します。

20190417140356.jpg


上の表より、

11200円÷35=320円...イクラ1個とタラコ1個の代金 

(320円-40円)÷2=140 


(2)
「条件なしの3種のつるかめ算」なので、面積図に整理します。

20190417140426.jpg


上の面積図より、40円×□個+80円×△個=2000円で、タラコの個数である□個が最大になるときを求めればよいことがわかります。

20190417140442.jpg


上の表より、タラコの個数は38です。


(3)
(2)の表を利用すると、「タラコの個数=3で割ると1余る数、イクラの個数=3で割ると2余る数、シャケの個数=3の倍数」のときに、「どれも3等分できる個数」になることがわかります。

20190417140506.jpg


上の表より、問題の条件にあてはまるシャケの個数は18です。




大問3も大問1と同様に、小問(1)と小問(2)が塾の教材などで練習したことがある問題、小問(3)は初見問題という構成ですから、ここでも、3つある小問のうちの2問を正解するためには、塾教材を用いた家庭学習が重要と言えそうです。






今回ご紹介した早稲田中学は、サピックスの「2020年 中学入試 予想偏差値(合格率80%以上)」が58という難関中ですが、合格者平均に達するために必要なことは、これまでに見てきました「計算問題」や「一行問題」と同じように、塾や市販の教材で一度は練習したことがある問題を間違わないことだとわかります。


従って、6年生はこれから夏にかけて5年生で学んだことの応用問題に取り組むことが多くなりますが、その1問1問の解き方を身につけていくことが、受験校の難度にかかわらず、とても大切になってくるといえそうです。

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中学入試の算数問題 / 算数の成績アップ勉強法2019年04月20日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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