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第447回 人気中学校の入試問題 6 ~明治大学付属中野中学・高等学校~

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中学入試の算数問題2019年06月08日18時00分

「第447回 人気中学校の入試問題 6 ~明治大学付属中野中学・高等学校~」


首都圏で人気のある学校の問題をご紹介しています。


第6回の今回は、2月2日と4日の2回入試が行われる明治大学付属中野中学・高等学校です。


以前ご紹介した香蘭女学校中等科や白百合学園中学高等学校とは異なり、高校からの募集も行われる中高一貫校です。


近年は明治大学への推薦率が約80%となっていますが、明治大学内部推薦の権利を保持して国公立大学を「併願」する制度を利用して国公立大学へ進学する生徒もいます。(明治大学付属中野中学・高等学校ホームページより)


その明治大学付属中野中学・高等学校の2019年度の入試状況は次の通りです。

20190603154527.jpg


算数の合格者平均と受験者平均の差が他の科目の2倍以上となっており、4科目の合計点の差におけるおよそ50%を占めています。


では、実際の問題を見ていきましょう。





2018年度 明治大学付属中野中学・高等学校 第1回 入試問題より 算数


20190603154547.jpg大問4 右の図の三角形ABCにおいて、AD:DB=AE:EC=2:1、EF:FC=1:1で、BCとDEは平行で点GはBCとDFを延長して交わった点です。点HはDGとBEが交わった点です。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、比はできるだけ簡単な整数で表しなさい。

(1) DE:BGを求めなさい。

(2) DH:HF:FGを求めなさい。

(3) 三角形HBGの面積が75cm2のとき、三角形ABCの面積を求めなさい。








【解答例】
(1) 
次の図のように、AD:DB=AE:EC=2:1ですから、DE:BC=2:3です。

20190603154630.jpg


また、EF:FC=1:1ですから、

20190603154646.jpg


のようになるので、DE:BG=2:5です。


(2) 
(1)の2つ目の図のようにDF:GF=1:1で、また、

20190603154710.jpg


より、DH:HG=2:5ですから、

20190603154725.jpg

のように「比合わせ」をすると、DH:HF:FG=4:3:7と求められます。

20190603154753.jpg


(3) 
解き方はいくつかありますが、ここでは「底辺の比と高さの比」に着目して解く方法を用いてみます。


これまでにわかったことから、

20190603154841.jpg
となるので、三角形ABCと三角形HBGは、

20190603154901.jpg
とわかります。

75cm2×63/25=189cm2 

(別解)
「等高三角形の面積比」を用いて解くこともできます。

20190603154923.jpg






大問4は、(1)が2組の相似な三角形を利用する基本レベルの問題、(2)は(1)で用いた2組の相似な三角形の辺の比をそろえる「ダブルチョウチョ相似」という定番の応用問題、(3)は「辺の比と面積の比」の関係を利用して解きますが、(2)の答えを間違えると(3)も正解しにくい問題ですので、(1)だけしか正解できない受験者と全問正解の受験者が生じる、点差のつきやすい問題だといえそうです。




では、もう1問です。




大問6 容器A、B、Cにはそれぞれ水、0.5%の食塩水、3%の食塩水が同じ量入っています。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) これら3つの容器から水、食塩水をそれぞれ2:5:3の割合で混ぜて1本500gの食塩水のペットボトルをつくります。濃度は何%ですか。

(2) (1)のペットボトルを65本つくったときに、容器Bの食塩水がちょうどなくなりました。容器Cの食塩水は何g残っていますか。

(3) 容器A、Cの残った水と食塩水を使って、1本300gの食塩水のペットボトルをつくります。この食塩水の濃度が1%のとき、ペットボトルは何本つくれますか。








【解答例】
(1)
2:5:3の割合で混ぜて1本500gの食塩水のペットボトルを作りましたから、

500g×2/10=100g ... 容器Aから使った水の重さ

500g×5/10=250g ... 容器Bから使った食塩水の重さ

500g×3/10=150g ... 容器Cから使った食塩水の重さ 

を求めることができます。


従って、ペットボトル1本に含まれる食塩の重さは、

100g×0/100+250g×5/1000+150g×3/100=5.75g

です。


5.75g÷500g×100=1.15


(2)容器Bに入っていた食塩水の量は、

250g×65本=16250g

で、どの容器にも「同じ量」入っていましたから、容器Cに残っている食塩水の量は、

16250g-150g×65本=6500g

です。

※(250g-150g)×65本=6500gのようにして求めることもできます。


(3)
容器Aに残っている水の量は、

(250g-100g)×65本=9750g

です。


容器Aの水と容器Cの3%の食塩水を混ぜて濃度が1%の食塩水を作るには、

20190603155107.jpg

のように、A:C=2:1の割合で混ぜればOKです。

②g+①g=300g → ①g=100g 


従って、容器Aの水は、

9750g÷(100g×2)=48本分あまり150g

容器Cの食塩水は、

6500g÷100g=65本分

ですから、濃度1%の食塩水が300g入ったペットボトルを最大で48作ることができます。






大問6は本試験の最終問題ですが、決してこの問題が最も難しい問題というわけではなく、(1)が食塩水の3公式を利用する基本レベルの問題、(2)は(1)でわかったことをそのまま利用する基本レベルの計算問題、(3)はどちらか一方が余ることに気をつけて解くという問題でした。


どの設問も特別なテクニックは必要としませんから、条件の把握と整理がポイントとなる問題だったといえます。






明治大学付属中野中学・高等学校の入試問題は、本校のホームページにも掲載されているように、「出題内容は~(中略)~計算・小問が8~10題程度。その後、文章題・グラフの読み取り、平面・立体図形などの問題が8~10問程度です。~(中略)~本校では難問・奇問と言われるような内容は出題されませんので、確実に正解を導けそうな問題から取り組み、早く正確に計算ができるように計算練習を着実に行ってください」というものです。


ですから、明治大学付属中野中学・高等学校を志望校としている場合は、どの分野も定番の問題に苦手をつくらないことが大切です。


この先、夏期講習などで総復習をするときは、これまでに一度は見たことがある問題を正解できるように宿題に取り組んでいくことができれば、秋以降に行う過去問演習に役立てることができると思います。

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中学入試の算数問題2019年06月08日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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