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第452回 大手進学塾の夏期講習 4

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速さの練習問題2019年07月13日18時00分

「第452回 大手進学塾の夏期講習 4」


あと1週間もすれば大手進学塾の夏期講習が始まります。


これまで3回にわたって大手進学塾の6年生が夏期講習で学習する内容について見てきていますが、そこからは夏期講習を受講するまでにこれまで学んだ内容で不安な部分は見直しをしておくことが大切なことがわかってきました。


夏期講習が迫ってきた今回も、大手進学塾の6年生が夏期講習で学習する内容についてサピックスの夏期講習教材「サマーサポート」から、第5回で学ぶ「速さ(1)」を見ていこうと思います。


「速さ」について、サピックスの6年生は、春休み前の平常授業の第5回で「旅人算」、第6回で「通過算と流水算」、そして第18回で「速さと比」を中心にしたいろいろな速さの問題に取り組みましたが、夏期講習の2回の速さの授業ではどのようなことを学ぶのでしょうか。


「サマーサポート」の過年度版にある問題を見てみましょう。






サピックス 夏期講習教材「サマーサポート 第5回 速さ(1)」(過年度版)より 

A問題4 Aは毎時10km、Bは毎時6kmの速さで進みます。Aは東地から西地へ向かい、Bは西地から東地へ向かいます。BはAより1時間20分早く出発したところ、ちょうど東西両地の中央で2人が出会いました。次の問いに答えなさい。

(1) AはBと出会うまでに何時間進みましたか。

(2) 東西両地間は何kmありますか。








【解答例】
(1)
距離条件が「東西両地の中央」、時間条件が「1時間20分」の1つずつですから、条件の整理方法は線分図でもダイヤグラムでも得意な方を選べばよいでしょう。


今回は線分図を利用してみます。

20190710131710.jpg


線分図解法のポイントは、

20190710131724.jpg

ですから、Bが1時間20分で進んだ→に距離をかきます。

20190710131743.jpg


上の線分図より、同時マークに着目すると、〇から出会うまでの→の長さはAの方がBよりも8km長いことがわかりますので、

8km÷(10km/h-6km/h)=2時間

が(1)の答えとわかります。


(別解)
平常授業の第18回で学んだ「速さと比」を利用すると、線分図は次のようになります。

20190710131810.jpg


上の線分図より、

⑤=③+8km → ①=4km 

4km×5÷10km/h=2時間 


(2) 
〇から2時間でAとBが出会ったのですから、東西両地間の距離は

(10km/h+6km/h)×2時間+8km=40km

です。




(1)を別解のように解いた場合は、

4km×(5+3)+8km=40km

のようにして求めることができます。






A問題4は、平常授業の第5回で学んだ「まん中で出会う」の条件が少し変えられた問題です。


また、第18回で学んだ「速さと比」を利用して解くこともできる問題ですから、「これまでに学んだ内容の復習」にあたります。




ではもう1問見てみましょう。




B問題3-(1) 自転車で、電車の線路沿いに毎時12kmで走っている人が、向かってくる電車と10分ごとにすれちがいました。電車は何分間隔で運転されていますか。電車の速さは毎時60kmとします。ただし、電車の長さは考えないものとします。








【解答例】
距離条件が「等間隔で運転」、時間条件が「等間隔で運転」「10分ごと」ですから、ダイヤグラムを利用してみます。

20190710131941.jpg


上のダイヤグラムの中に、求める「電車の運転間隔」を書き込むと、ダイヤグラムの第2原則「等高三角形(山&谷)」が見つかります。

20190710132928.jpg


上のグラフより、

⑤=10分 → ?分=12 


(別解)
条件を線分図に整理します。

20190710132022.jpg


上の線分図より、電車と電車の間の距離は

(60km/h+12km/h)×1/6時間=12km

とわかりますので、

12km÷60km/h=1/5時間=12分 




B問題3-(1)は、平常授業の第6回で学んだ「通過算」に似ているなと判断できれば、線分図に「電車を2台」をかけば解きやすくなることに気づけますので、「これまでに学んだ内容の発展学習」にあたる問題といえます。




最後にもう1問見ておきましょう。




C問題2 英子さんの家から学校までの道は、上り坂と下り坂の連続で平らなところはありません。英子さんは上り坂を毎時4.5km、下り坂を毎時6kmで歩き、登校には33分、下校には30分かかります。家から学校までの道のりは何mですか。








【解答例】
「坂道問題」です。


「坂道問題」では、「同じ区間(距離)にかかる時間の比は速さの比の逆比」を利用した時間の消去算解法で解く問題が基本レベルです。


時間の消去算解法で解く場合は、問題の条件を次のように整理します。

20190710132111.jpg


上の線分図より、

4〇時間+3□時間=33/60時間
3〇時間+4□時間=30/60時間

とわかりますから、この消去算を計算すると、

1〇時間=1/10時間
1□時間=1/20時間

が求められます。


4.5km/h×4/10時間+6km/h×3/20時間=2.7km=2700m 






「坂道問題」はこれまでに学んでいない「新しい学習」です。


今回ご紹介した「時間の消去算解法」の他にも解き方がありますので、別解を学んだときは、その解法も身につけておくと「坂道問題」の難しい問題を解くときに役立つでしょう。




「サマーサポート」の過年度版には、この「坂道問題」以外にも、「時差追いかけ」や「歩幅の問題」などの「新しい学習」がありますので、夏期講習の第5回「速さ(1)」を学習するまでに、これまで学んだ「旅人算」、「通過算」、「流水算」、「速さと比」の中で苦手だなと感じる問題をなくしておくことが望ましいと言えます。


残された時間はあまりありませんが、1学期末に短縮授業があればその時間を、また終業式から夏期講習の開始までに何日かお休みがあればその日を利用するなどして、これまでに習ってきたことの中で不安な問題などを解決することができるといいですね。

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速さの練習問題2019年07月13日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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