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第465回 合格をするために正解したい問題 10

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中学入試の算数問題 / 図形の練習問題2019年10月12日18時00分

「第465回 合格をするために正解したい問題 10」


前回は、中学入試で正解したい問題について、「水問題」の中から、水の入った容器の向きを変える問題と水の中に立体を沈めていく問題を取り使いました。


今回は水位の変化とグラフの問題を見ていこうと思います。


1問目は昨年度も出題が目についた「2つの蛇口がある水そう」の問題です。




【問題】
下の図のような、直方体の形をした水槽があります。水槽は底面に垂直な、高さ10cmと20cmの仕切り板で3つの部分ア、イ、ウに分けられています。アの部分には蛇口A、ウの部分には蛇口Bがあり、2つの蛇口A、Bからは毎秒同じ割合で水を注ぐことができます。蛇口A、Bを同時に開いて、水槽に水を注ぎました。下のグラフは水を注ぎ始めてからの時間と、アの部分の水面の高さの関係を表したものです。

20191011115858.jpg

(1) 1つの蛇口から、毎秒何cm3の割合で水が注がれるか答えなさい。

(2) 水槽が満水になったのは、蛇口A、Bを同時に開いてから何分何秒後か答えなさい。

次に、水槽の中を空にした後で、蛇口Aのみを開いて水を注ぎ始めました。蛇口Aを開いた30秒後に蛇口Bを開いてウの部分にも水を注ぎ始めました。

(3) アの部分の水面の高さが24cmになるのは、蛇口Aを開いてから何分何秒後か答えなさい。








【解答例】
(1)
水そうの問題は真正面から見た図をかいて考えるのが原則です。

20191011115930.jpg

上の図より、
15cm×40cm×10cm÷30秒=200cm3/秒 


(2)
水そうの容積を2つの蛇口が1秒間に注ぐ水の量で割ります。

(45cm×40cm×30cm)÷(200cm3/秒×2) =135秒 → 2分15秒後

(3)
蛇口1つが30秒間に真正面から見た「15cm×10cm」の長方形の分だけ水が入ることを利用すると小さい値で計算ができます。


30秒後までは蛇口Aだけで注水しますから、長方形1個分に30秒かかります。


その後は蛇口が2つになりますから、長方形1個分にかかる時間は半分の15秒です。

20191011120123.jpg

上の図のように、水の深さが20cmになるまでに105秒かかり、残りは4cm分です。

(45cm×40cm×4cm)÷(200cm3/秒×2)=18秒 

105秒+18秒=123秒 → 2分3秒後
(出典:浦和明の星女子中学校 2019年度入試 第1回 問題2)






本問は容器の数値が全てわかっている「蛇口が2つある水そう」の基本問題です。


「2つの蛇口A、Bからは毎秒同じ割合で水を注ぐことができます」という条件で「同じ割合」の意味が掴みにくくても、(1)で「1つの蛇口から、毎秒何cm3の割合で~」とありますので、どちらも1秒間に注ぐ水の量は等しいことがはっきりします。


従って(1)で問題を解くのに必要な数値は全てわかりますから、あとは順序よく計算を進めていけば全問正解が可能な問題でした。






ではもう1問、グラフが関係する問題を見てみます。




【問題】
図のような2つの容器A、Bがあります。外側の容器Bの高さは容器Aの高さの1.2倍です。容器Aと容器Bの底面の半径の比は1:2です。容器Bには、容器Aの高さの2/3のところに排水口がついていて、毎分1.2リットルの水が排水されます。グラフは、空の容器Aに水を毎分2.4リットルで入れたときの水面の高さ(AとBの高い方)を表したものです。グラフのC、Dにあてはまる値を求めなさい

20191011120242.jpg








【解答例】
前問と同じように、容器を真正面から見た図に水位の変化を書き込みます。


このとき、「水面の高さ(AとBの高い方)」という条件がありますから、C分後は水が排水されはじめたときではなく、容器Aと同じ高さまで水が入った時間であることに気をつけます。

20191011120314.jpg


上の図より、アとイの体積の比は、

底面積1×高さ3:底面積(4-1)×高さ2=1:2

ですから、水が入る時間の比も1:2です。


11分×2=22分...イに水が入る時間 


また、イとウの体積の比は、

底面積(4-1)×高さ2:底面積(4-1)×高さ1=2:1


1分間にたまる水の量の比は、

2.4L/分:(2.4L/分-1.2L/分)=2:1

ですから、水が入る時間の比は

2÷2:1÷1=1:1

です。 → ウに水が入る時間は22分 

11分+22分+22分=55分...ウまで水が入る時間 → C=55 



さらに、ウとエの体積の比は、

底面積(4-1)×高さ5×1/3:底面積4×高さ(6-5)=5:4

ですから、水が入る時間の比も5:4です。

22分×4/5=17.6分...エに水が入る時間

55分+17.6分=72.6分 → D=72.6
(出典:芝中学校 2019年度入試 1回 問題9 一部改題)




本問は、グラフが折れ曲がる理由を考えながら、「体積比÷1分間にたまる水の量の比=水がたまる時間の比」を利用する問題でした。


さらに、解答例中でも書きましたが、「容器Bに容器Aの高さの2/3まで水が入ると1分間にたまる水の量が変化するから、それがC分後」と決めつけてしまうと正解できません。


グラフの示す高さが「高い方の水面」という条件を見落とさないことも重要です。




5年生の教材で取り扱う「水問題」は、「1000cm3÷200cm3/分=5分」のように実際の長さや量で計算することが多いのですが、入試問題も少し難度が上がると、本問のように「比」で答えを求めるものが出されます。


問題演習で実際の数値を使って「体積÷1分間にたまる水の量=水がたまる時間」のような関係を理解したら、「比を使って解けないかな?」という工夫をいろいろな図形問題で試してみると、6年生で学ぶ問題を速く、正確に解くことができるようになると思います。

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中学入試の算数問題 / 図形の練習問題2019年10月12日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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