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第469回 中学入試で出題される「場合の数」 4

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中学入試の算数問題 / 場合の数の練習問題2019年11月09日18時00分

「第469回 中学入試で出題される「場合の数」 4」


これまで、中学入試で出される「場合の数」の問題について、「さいころの目の出方」や「塗り分け」について見てきました。


今回は「規則性」を利用して解く場合の数の問題を考えていこうと思います。


1問目は少し前の問題になりますが、前回に見た「塗り分け」に規則性が関係している問題ですので、ご紹介しておこうと思います。




2012年度 甲陽学院中 入試問題 第一日 算数より 

問題6 20191108141815.jpg円をいくつかのおうぎ形に分けて、となり合うおうぎ形には異なる色をぬることにして、赤、青、黄の3色でぬり分けます。図のように円が2つのおうぎ形A、Bに分けられていて、Aには赤色がぬられています。

(1) Bを4つのおうぎ形に分けると、何通りのぬり方がありますか。

(2) Bをいくつかのおうぎ形に分けると86通りのぬり方があり、分けるおうぎ形を1つ増やすと170通りのぬり方があります。さらに2つ増やして、86通りのぬり方があるときよりもおうぎ形を3つ増やすと、何通りのぬり方がありますか。








【解答例】
(2)で「86通り」、「170通り」のように「大きな値」が書かれているということから、規則性を使う問題だと予測できますので、2つの場合、3つの場合、4つの場合、...のように、「小さい値」から考えていくことにします。


(1)
Bが1つの場合、BはA(赤)以外の2通りですから、全部で 

A1通り×B2通り=2通り 

です。

20191108141936.jpg



Bが2つの場合、もし、AとBがつながっていなければ、Bの塗り方は、

B1はA以外の2通り×B2はB1以外の2通り=4通り

ですから、全部で 

A1通り×B4通り=4通り

の塗り方があります。

20191108142014.jpg

しかし、実際にはAとBがつながっているので、B2に赤を使うことはできません。


ですから、A1通り×B1はA以外の2通り×B2が赤の1通り=2通り を除くことが必要です。

20191108141953.jpg

4通り-2通り=2通り 



Bが3つの場合、もし、AとBがつながっていなければ、Bの塗り方は、

B1はA以外の2通り×B2はB1以外の2通り×B3はB2以外の2通り=8通り

ですから、全部で 

A1通り×B8通り=8通り

の塗り方があります。

20191108142138.jpg

しかし、実際にはAとBがつながっているので、B3に赤を使うことはできません。


ですから、

A1通り×B1はA以外の2通り×B2がB1以外の2通り×B3が赤の1通り=4通り 

を除くことが必要です。

20191108142258.jpg

8通り-4通り=4通り 


(2)
(1)より、Bを□個に分けた場合、AとBがつながっていなければ

1通り×2通り

の塗り方があります。


しかし、実際にはAとBがつながっていますので、Bの(□-1)個目まで色を塗った後、□個目の部分に赤を塗る場合を除かなければいけませんから、全部で、

1通り×2通り-1通り×2□-1通り×1通り

ということがわかります。


Bの部分を(□-1)個に分けたときに86通り、□個に分けたときに170通りと考えると、

1通り×2通り-1通り×86通り×1通り=170通り 
 ↓
2通り=256通り 
 ↓
□=8 

が求められます。


Bを7つに分けると86通り、8つに分けると170通りですから、9つに分けると

1通り×29通り-1通り×170通り×1通り=342通り

10個に分けると

1通り×210通り-1通り×342通り×1通り=682通り 

とわかります。






本問は、場合の数のうちの「塗り分け」に、「1つ前の利用(踏み台解法)」という考え方が組み合わされた問題です。


この問題が難しいところは、踏み台解法を利用するために「もし、AとBがつながっていなければ」と仮定することが必要な点にあります。


いかにも難関中の入試問題という感じがしますが、次にご紹介する早稲田実業学校中等部の入試問題も、踏み台解法を利用するために一工夫が必要な問題です。






2017年度 早稲田実業学校中等部 入試問題 算数より 

問題3  円周上に偶数個の点を等間隔でとり、その点に記号をつけます。そして、次の2つの決まりを守り、点同士を直線で結びます。

(決まり)
・全ての点から直線がそれぞれ1本のみ引かれている。
・直線が円の内部で交わってはいけない。


20191108142533.jpgこのとき、点同士が直線で結ばれている状態が、全部で何通りあるのかを考えていきます。 たとえば、点が2個のときは、右の1通りです。




点が4個ときは、次の2通りです。

20191108144225.jpg

次の各問いに答えなさい。

(1) 点Aから引く直線に注目すると、点が6個のときは、次の3つの場合に分けられます。点が6個のときは、全部で何通りありますか。

20191108142708.jpg

(2) 点が8個のときは、全部で何通りありますか。

(3) 点が12個のときは、全部で何通りありますか。
[必要なら自由に使いなさい。]
20191108142726.jpg







【解答例】
(1)
問題で与えられている3つの図について、直線で結ばれている部分が「ないものとして」考えると、問題図は、次のように考えることができます。

20191108143525.jpg

2通り+1通り+2通り=5通り 


(2)
点が8個のときも、(1)と同様に、点Aから引く直線に注目します。


このとき、点Aから引いた直線で分けられた2つの部分の点が偶数個になるように気をつけます。

20191108142817.jpg

上の図で、Aと「Aと結ぶ点」以外の点の個数が 

6個のとき → (1)より5通り 
2個と4個のとき → 1通り×2通り=2通り 
4個と2個のとき → 2通り×1通り=2通り 
6個のとき → (1)より5通り 

5通り+2通り+2通り+5通り=14通り 


(3)
はじめに、点が10個のときを考えます。

20191108142902.jpg

上の図で、Aと「Aと結ぶ点」以外の点の個数が 

8個のとき → (2)より14通り 
2個と6個のとき → 1通り×5通り=5通り 
4個と4個のとき → 2通り×2通り=4通り 
6個と2個のとき → 5通り×1通り=5通り 
8個のとき → (2)より14通り 

14通り+5通り+4通り+5通り+14通り=42通り...点が10個のとき 


点が12個のときも、点Aから引く直線に注目すると、Aと「Aと結ぶ点」以外の点の個数は、

(10個)、(2個と8個)、(4個と6個) 、(6個と4個) 、(8個と2個)、(10個)

の6つの場合に分けられます。


10個のとき → 42通り 
2個と8個のとき → 1通り×14通り=14通り 
4個と6個のとき → 2通り×5通り=10通り 
6個と4個のとき → 5通り×2通り=10通り 
8個と2個のとき → 14通り×1通り=14通り 
10個のとき → 42通り 

42通り+14通り+10通り+10通り+14通り+42通り=132通り 




今回は「規則性」を利用して解く場合の数の問題を見てきましたが、難関中を志望するときは、場合の数の基本的な考え方に加え、規則性を利用して解くことができる力も必要であることがわかりました。


サピックスの5年生は、来年の1月に「場合の数(2)」を学習する機会があります。


「場合の数は苦手かも...」と思われるようでしたら、夏休み前に学んだ「場合の数(1)」の等を利用して、これまでに学んだことの復習を冬休みに取り組んでみてもよいと思います。

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中学入試の算数問題 / 場合の数の練習問題2019年11月09日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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