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第502回 女子中の算数 比と割合 1

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中学入試の算数問題 / 割合の練習問題2020年06月27日18時00分

「第502回 女子中の算数 比と割合1」


近年の女子中の入試問題の算数について考えてきています。


これまでの2回は、「文章題」について見ました。


今回からは、「比と割合」の問題を見ていこうと思います。


「比と割合」の問題には、食塩水の濃さ、売買損益算、仕事算などいろいろありますが、今回は「食塩水の濃さ」の「一行問題」を取り扱おうと思います。




【問題1】
8%の食塩水と16%の食塩水を2:3の割合で混ぜると、何%の食塩水になりますか。
(香蘭女学校中等科 2019年 問題1-(10) 問題文一部改)








【考え方】
「1行問題」で出される「食塩水の濃さ」の基本問題は、「食塩水の重さ×食塩水の濃さ=食塩の重さ」を利用して解きます。

20200616163133.jpg


しかし、本問のように食塩水の重さが「比(混ぜる割合)」で与えられている場合は、重さを仮定するか、「比」の利用ができる面積図や天秤法を用いて解きます。


(重さを仮定する場合)
2:3の割合で混ぜますから、8%の食塩水を200g、16%の食塩水を300gと仮定します。


具体的な重さを仮定しましたから、「食塩水の重さ×食塩水の濃さ=食塩の重さ」を利用することができます。


このとき、「塩テントウ(塩分数)」 で表すと、条件の整理も同時にできますから、どのような計算をする必要があるかを明確することができます。

20200616163115.jpg

200g×8/100=16g ... ア 

300g×16/100=48g ... イ 

16g+48g=64g ... ウ 

200g+300g=500g ... エ 

64g÷500g=0.128

答え 
12.8(%) 


(面積図を利用する場合)
面積図は、「食塩水を混合する」=「同じ濃さになる」 → 「ならす(平均)」ということを図にしたものです。


20200616163217.jpg

上の図より、

②+③=16%-8% → ①=1.6% 

8%+1.6%×3=12.8% 


(天秤法を利用する場合)
天秤法は、天秤の上側に濃さを、下側に食塩水の重さを書き、「食塩水を混合する=天秤が釣り合う → うでの長さ×重さ(=モーメント)が等しい」ことを利用する解き方です。


20200616163247.jpg

上の図より、

③+②=16%-8% → ①=1.6% 

8%+1.6%×3=12.8% 




このように、食塩水を混合したときの濃さの求め方には、「塩テントウ(塩分数)」、「面積図」、「天秤法」の3つがありますので、問題に応じて使い分けることができるようになれると理想的です。


では、もう1問です。




【問題2】
9%の食塩水と7.5%の食塩水を3:2の割合で混ぜ、水を150g蒸発させると350gの食塩水ができました。できた食塩水の濃さは何%ですか。
(横浜共立学園中学校 2019年 問題1-(6) 問題文一部改)








【考え方】
前問と似た条件ですが、食塩水を混合した後、水を蒸発させますので、少しだけ設定が複雑になっています。


このような場合は、「流れ図」を利用して整理すると考えやすくなります。


20200616163328.jpg


上の図で、最後から「巻き戻し」ていくと、□%の食塩水が

350g+150g=500g

であったことがわかります。


ここまでくると、問題の条件が前問と同じになりましたから、「塩テントウ(塩分数)」、「面積図」、「天秤法」のどれを用いても解くことができます。


今回は「塩テントウ(塩分数)」を利用してみます。


500g×3/5=300g ... 9%の食塩水 

500g×2/5=200g ... 7.5%の食塩水 


20200616163356.jpg


300g×9/100=27g ... ア 

200g×7.5/100=15g ... イ 

150g×0/100=0g ... ウ 

27g+15g-0g=42g ... エ 

42g÷350g=0.12

答え 
12(%) 




本問は最後の式からもわかるように、はじめから「塩テントウ(塩分数)」を書いて、500gを3:2に比例配分して解くことも可能です。


自分が解きやすい方法を選択すればよいでしょう。




最後に、もう1問ご紹介します。




【問題3】
3%の食塩水Aが100g、8%の食塩水Bが150gあります。これらをすべて混ぜると( ① )%の食塩水Cができました。次に、食塩水Cから( ② )gを取り出し、代わりに同じ量の水を加えてよく混ぜたところ、食塩水Aと同じ濃度になりました。( ① )、( ② )にあてはまる数を求めなさい。
(立教女学院中学校 2019年 問題1-(5) 問題文一部改)








【考え方】
( ① )は、「塩テントウ(塩分数)」、「面積図」、「天秤法」のどれを用いても解くことができます。


ここでは、整理が簡単な「塩テントウ(塩分数)」を利用してみましょう。

20200616163501.jpg

100g×3/100=3g ... ア 

150g×8/100=12g ... イ 

3g+12g=15g ... ウ 

100g+150g=250g ... エ 

15g÷250g=0.06

答え 6(%) 


( ② )は、条件を流れ図に整理してみます。

20200616163541.jpg

上の流れ図で、「食塩水の混合(赤線枠)」に着目し、「塩テントウ(塩分数)」で表すと次のようになります。

20200616163557.jpg

水の中に食塩は含まれていませんから、ウ=0gです。


また、

250g×3/100=7.5g ... エ=イ

です。


7.5g÷6/100=125g ... アg 

250g-125g=125g ... ( ② )g

答え 125(g 




ところで、本問は「水との等量交換(=水で薄める)」問題ですから、専用の解き方もあります。


20200616165800.jpg


上の図より、

加える水の量=250g×(1-1/2)=125g

とわかります。

20200616165450.jpg






今回は、「比と割合」の問題から、「食塩水の濃さ」の「一行問題」を見てきました。


そこから、次のようなポイントがわかりました。



「食塩水の1行問題のポイント」

(1) 「比」を使わない問題は「塩テントウ(塩分数)」で処理

(2) 条件が複雑なときは「流れ図」に整理

(3) 「比」を使う問題は機械的に計算ができる「面積図」や「天秤法」で処理

(4) 「水との等量交換」の計算公式は知っていると便利 




食塩水の問題が苦手な場合、ポイントのどの部分が理解し切れていないかを確認し、(1)→(2)→(3)→(4)の順にレベルアップを目指しましょう。


次回は、大問形式の「食塩水の問題」について考えていこうと思います。

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中学入試の算数問題 / 割合の練習問題2020年06月27日18時00分
主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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