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第504回 女子中の算数 比と割合 3

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中学入試の算数問題 / 割合の練習問題2020年07月11日18時00分

「第504回 女子中の算数 比と割合 3」


前回は、「比と割合」の問題の中から「食塩水の濃さ」の大問形式の問題をご紹介しましたが、今回も同じ大問形式の問題をみていこうと思います。


「食塩水の濃度が等しくなる」、「食塩の重さが等しくなる」といった条件のある問題です。




【問題】
6%の食塩水Aが600g、5%の食塩水Bが800gあります。このとき、次の問いに答えなさい。

(1) A、Bに同じ量の水を混ぜたところ、2つの食塩水の濃度が等しくなりました。それぞれ何gずつの水を混ぜましたか。

(2) A、Bから1:2の重さの比で食塩水をくみ出し、それぞれもう一方の食塩水に混ぜたところ、2つの食塩水の濃度が等しくなりました。食塩水Aからくみ出した量は何gですか。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図などを書きなさい。

(3) A、Bから1:2の重さの比で食塩水をくみ出し、それぞれもう一方の食塩水に混ぜたところ、A、Bそれぞれに溶けている食塩の重さが等しくなりました。食塩水Aからくみ出した量は何gですか。

(洗足学園中学校 2018年 問題4)








【考え方】
(1)
前回と同様に、問題の条件を流れ図にまとめてみましょう。

20200706115328.jpg


前回見た「混合後の濃さが同じになる=混合前の食塩水をすべて混ぜたときの濃さになる」という解法が利用できそうですが...。

20200706115351.jpg

本問では、はじめに用意した食塩水以外に重さがわからない水を加えるため、上の「塩テントウ(塩分数)」では△%を求めることができません。


「塩テントウ(塩分数)」が使えない問題は、「面積図」や「天秤法」を使うことを「比と割合 1」で見ましたので、「面積図」をかいてみましょう。


20200706115454.jpg

上の図で、ア=イ=ウ=エですから、

20200706115513.jpg

とわかります。


④-③=6%-5% → ①=1% 


つまり、△%=2%ですから、ア=イより、

600g×4%=□g×2% → □g=1200g

です。




「面積図」で解けるということは「天秤法」で解くこともできます。


20200706115627.jpg

上の図のように、

支点の右側にある重さの比 600g:800g=3:4
 ↓
うでの長さの比 ④:③ 

より、①=1%とわかります。




(1)は上記の解き方の他に、「水を加えても食塩の重さの和は変わらない」ことに着目すると、「比と割合1」の「水との等量交換」で用いた図(食塩と水が分かれてビーカーに入っていますので、『ビーカー解法』と呼ぶことにします)をかいて解くこともできます。

20200706115736.jpg


上の図で、

食塩の重さの比(面積の比) 36g:40g=9:10 
濃さの比(縦の長さの比) △%:△%=1:1
 ↓ 
食塩水の重さの比(横の長さの比) 9÷1:10÷1=9:10 


つまり、

(600+□)g:(800+□)g=9:10

です。


この比例式を計算すると、□=1200を求めることができます。

答え 
1200g 




上記は「比の積と商」を利用した解き方で、「~の比」を3つ使うことから「のひのひのひ」と呼ぶ塾もあります。


この解き方が身についていると、はじめに「流れ図」をかいた段階で「食塩の重さが分かっていて、濃さは同じだから、比の積と商を利用して解ける問題だ」と気づけます。  


20200706115931.jpg


(2)
この問題も「流れ図」に整理してみます。

20200706115910.jpg


本問は(1)とは異なり、容器間の「やりとり」ですから「食塩水の重さの和」は変化しませんので、「混合後の濃さが同じになる=混合前の食塩水をすべて混ぜたときの濃さになる」という解法が利用できます。

20200706115949.jpg

上の「塩テントウ(塩分数)」より、

76g÷1400g=19/350 → △%=38/7%

と求められます。


濃さがすべて分かりましたから、天秤法(面積図もOKですし、少し計算が複雑になりますが塩テントウでも解くことができます)が使えます。


20200706120021.jpg

上の図より、

□g×2:(600g-□g)=4:3 → □g=240g 


この他に、「容器Bから移す食塩水の濃さが5%よりさらに3/7%うすければ、移す食塩水の量は半分の□gになる」という工夫をしてもOKです。

20200706120049.jpg


(3)
(3)も「流れ図」をかいてみます。

20200706120142.jpg


本問も容器間の「やりとり」ですから、「食塩の重さの和」は変化しませんので、

△g=(36g+40g)÷2=38g

とわかります。


そこで、容器Aについて「塩テントウ(塩分数)」の式を作ってみると、

20200706120207.jpg

となります。


□を①に代えると、

36g-①g×6/100+②g×5/100=38g → ①g=50g 

と求めることができます。


なお、上記の「塩テントウ(塩分数)」の代わりに、容器Aから出て行く食塩と容器Bから入ってくる食塩について「比の積と商(のひのひのひ)」を利用して解くこともできます。

20200706120243.jpg

①g=1g → ③g=3g 

より、

□g=3g÷6/100=50g 


また、もし容器AからBに移す食塩水の重さを100gとすると、容器Aから出て行く食塩が6g、容器Bから入ってくる食塩が10gで、差し引き4g減ることになりますから、2g減らすには、

100g×2g/4g=50g

のように、「比と割合 1」で用いた「仮定」して解くこともできます。








今回ご紹介したように、食塩水の濃さに関する問題は、「食塩水の濃さが等しくなる」という結果は同じであっても、水を加える場合と2つの容器の間で食塩水のやりとりをする場合では、着眼点が異なりますので、「流れ図」など与えられた条件の違いに気づきやすくする整理方法を身につけること、条件に応じた解き方が使えることの2点がとても大切だと思います。

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主任相談員の前田昌宏
中学受験情報局『かしこい塾の使い方』の主任相談員である前田昌宏が算数の面白い問題や入試問題を実例に図表やテクニックを交えて解説します。
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