勉強の段取り、誰が決めていますか?
こんにちは! 小川大介です。
自分から勉強する子になってほしい。
親なら誰もがそう思います。
しかし、現実は、
「宿題はやったの?」「早くやりなさい」
「算数の丸つけはお母さんがやっておくから、
さっさと漢字ドリルを終わらせなさい」と、
確認や指示を出してばかり。
グズグズ行動する子どもにイライラして、
つい大声を張り上げたり、
嫌味を言ってしまったり・・・・・・。
そんな毎日ぐったりしている親御さんも多いことでしょう。
でも、それを続けている限り、
子どもの学習意欲が高まることはありません。
まず、大前提としてお伝えしたいのですが、
子どもたちはもともと勉強が嫌いなのではありません。
子どもには、大人が想像できないくらいの知的好奇心があり、
「なぜ?」「どうして?」と様々なことを知りたがっています。
知ること、学ぶこと、「なぜ?」が解けることは、
もともと好きなのです。
では、いつから「勉強」が嫌いになるかというと、
大人たちが、「勉強とは、辛いものなんだよ!」
「勉強とは、面白さを求めるのではなく我慢するものです!」
「勉強は誰だってイヤだよね」
と教え込んだときからです。
学校や塾に入ると授業やテストがあり、
まわりと比べられたり、評価されたり、叱られたりします。
いずれも「勉強」の本質からは外れたことばかりですが、
与える側の大人が、そういった苦痛を伴うものを
「勉強」だと思いこんでいるのですね。
それに追い打ちをかけるように、
「グズグズしていないで、早く勉強をしなさい!」
などと親から言われ続けると、
子どもは「勉強ってイヤだなぁ」と確信するようになります。
子どもを勉強嫌いに育てるのは、とても簡単です。
・人と比べて劣っているところを指摘したり、叱ったりする
・一方的な指示、命令に従わせようとする
・本人の気持ち、言い分に耳を貸さない
・大人が決めたスケジュールの中に子どもをはめ込もうとする
・努力や取り組みを褒めず、ダメ出しばかり行う
・叱ったり責めたりする時に「勉強」という言葉を使う
これを一ヶ月続ければ、どんな子でも確実に勉強嫌いになります。
勉強嫌いにさせたくなければ、
この反対を行えばいいのです。
子ども自身の気持ちを汲み取り、
努力や取り組みを褒め、
自分のことを決めさせてあげる。
そして、褒めたり応援したりする時に
「勉強」という言葉を使う。
子どもの学習意欲を高めたいなら、
親が子どもの勉強を手取り足取り面倒みるよりも、
子ども自身に選ばせることが大事です。
ポイントは、親の適切な問いかけです。
親が「あれをやりなさい」「これをやりなさい」
と指示を出すのではなく、
「どれからやりたい?」と段取りを問いかけるのです。
親:「今日はどんな宿題が出たの?」
(興味があるような聞き方で)
子:「算数の計算と国語の漢字。あと調べ学習もあるよ」
親:「わぁ、結構あるね。どれに一番時間がかかりそう?」
(子どもがどう思っているのかなという気持ちで)
子:「調べ学習かな」
親:「調べ学習にたくさん時間がかかりそうなのね。
あ、じゃぁ、算数と国語はいつやるの?」
(子どもの言葉を受け止めて、
子どもと一緒に考えようとする気持ちで)
子:「夕飯前かな」
親:「それ、いいね。どっちからやる?」
(もちろん決めるのはあなただよ、
と子どもを信頼する気持ちをこめて)
子:「うーん、じゃあ算数からやっちゃおうかな。
その後、漢字をやってご飯。」
親:「それ、いいね!」
(子どもが決めたことには応援の気持ちをこめて賛成)
子:「調べ学習はお母さんも一緒に手伝ってくれる?」
親:「いいわよ。じゃあ、お母さんは夕飯の支度をするね!」
こんな感じで、子ども自身が段取りをつけていくのを応援するのです。
こうやって子ども自身の心の動きを大切に、
「自分で選ぶ」という主体的な行動を応援していくと、
子どもが実行に移りやすくなります。
子どもが選んだら、「よし、ご飯まであと1時間!
お母さんもがんばってご飯を作るね!」と、
親の自分がまず決めたことを行動し始めます。
教室で周りの子が勉強をがんばっていると、
引っ張られるように「ぼくもやろうかな」
という気分になりやすいものですが、
親子でもそんな空気を作るイメージです。
「指示・命令」ではないから作れる空気ですね。
子どもがやり終えたら、
「自分で決めたことができると気持ちがいいね!」
と取り組めたことにOKサインを出してあげ、
本人も達成できたことに嬉しそうな顔をしていたら、
「よかったね」と一緒に喜びます。
勉強の進め方を自分で選んで、
すぐに自分で取り組むことが"できた"。
この「できた」という気持ちがとても大切です。
「勉強が嫌い」という気持ちの根っこには、
「勉強が苦手」という思いが横たわっているからです。
この思いに配慮せず、
「いいからやりなさい」と無理強いすればするほど、
子どもは「嫌なことをやらされる」という気持ちになります。
自分から動けるように、選べるように、
問いかけていきましょう。
問いかけをして、子どもが選んだら、
あとは背中を押してあげればいいだけ。
そうすれば、親子のバトルもなく、
お互いに気持ちよく過ごすことができます。
勉強は「やらせるもの」ではなく、
「見守るもの」なのです。