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わが子の中学受験を終えて

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中学受験2019年02月19日12時00分

こんにちは! 小川大介です。

中学受験に携わってかれこれ20年以上経ちますが、
このたび初めて"受験親"を体験しました。
息子は幼い頃から憧れだった第一志望校に合格し、
4月から中学生になります。

私がこういう仕事をしているためか、
子どもの中学受験には相当熱心だったと思われることが多いのですが、
実はその逆でほとんどノータッチでした。
そうできたのは、幼い時から学習習慣を身に付けていたことと、
何事も本人に決めさせるという子育て方針を大事にしてきたからです。

私は子どもが5歳の時までに、
勉強のやり方の基礎を教えておくようにしました。
そう聞くと、早期教育をイメージする方も多いと思いますが、
そうではありません。

勉強の「やり方の基礎」とは、

1. 日々の学習習慣づけ 

2. 覚えることに慣れる 

3. 問題を解くことと答え合わせをすることに慣れる 

4. 答え合わせの後でもう一度取り組むことを知る

5. 間違ってもいいと知る

といったことがらです。

「何をさせるのか」ということよりも、
「学習マインド」を大切にしたのです。

そして勉強が「できる」ように導くにも、
「何をさせるのか」ということよりも、
「本人のマインド」を重視してきました。
簡単にいうと、本人が好きなことを伸ばすということです。

息子は小さい時から数が好きで、
それを伸ばす勉強だけ先取りをしていました。

数が好きとなぜ分かったのかといえば、
お風呂に一緒に入っている時に、言葉遊びよりも数遊びの方が
「キャッキャ、キャッキャ」と喜んだからです。

本人にとっては好きなことができるから
「勉強」という意識すらなかったはずです。
我が家では、「勉強は特別なことじゃない、当たり前のこと」
という感覚を子どもが自然と持つことを大事にしていたので、
「勉強しなさい」という言葉自体を幼児期には使わないようにしていました。

ただ、最初は1日5分から始めて、
5歳になるまでには毎日20分くらい机に向かって何かをする
という学習習慣を身に付けさせておきました。

そうして子どもの成長に応じて、
段階的に、ムリに押し付けることなく、
何をやるかも本人の反応を見たり、
本人に選ばせたりして、習慣の幅と中身を広げていきました。

小2になった時点では、
毎朝45分の朝勉強を自分で取り組んでから、
学校に登校することが日常となっていました。

計算力は塾通いしている子の小4レベル、
漢検も小2の間に5級(小学校卒業レベル)は取得していましたが、
いずれも本人がしたかったからそうなっただけです。

結果だけを見れば特別なことのように思う人もいるかもしれませんが、
子ども自身がいま出来ることを、段階的に広げていき、
楽しみをと切らせないようにしてあげるだけのことです。

中学受験の勉強もまったく同じやり方で、
小4の時点では、宿題の選択もすべて子どもに任せるようになりました。
息子は行きたい学校が比較的早いうちに決まっていたのですが、
小5の後半からは「やり方は任せるから、合格だけはしぃや」
と半分冗談まじりの声かけをしてきました。
我ながら、ひどい(笑)

「そんな子ども任せで本当にいいの?勉強内容が偏るんじゃないの?」
と心配になる方もいらっしゃることと思います。

はい、成績は偏ります。
息子は算数が好きですから、算数はみるみる伸び、
関連して理科も計算分野を中心に伸びていきました。

幼稚園からの鉄っちゃん(鉄道ファン)ですから、
全国の駅名や路線名を覚えていくついでに地理が得意になり、
駅名に残る旧地名もあって歴史も抵抗なく学習でき、
社会も得意科目になりました。

唯一国語だけは、ずーっと苦手科目で、
本人も好きではない科目でしたが
(父は国語の本も数冊出しているというのに・・・)、
私は教えないようにしていました。

中学受験は4科の総合点で合否が決まります。
どれも満遍なくよい成績を目指す必要はありません。
強みは伸ばし、苦手はあとからついていけばいい。
そんなデコボコの成績で何の問題もない。
本人の得意を伸ばしていくほうがトータルでは大きな成果になる。
ということを、知っていたからです。

国語についても、いずれ本人が必要だと思えば相談してくるだろうし、
その前に国語で気に入る先生に出会えれば、
その先生とやっていくだろうと、息子を信じていたからです。

そして実際、小6になって塾で大好きな先生とめぐりあい、
彼なりに国語もずいぶん勉強するようになりました。
テストの成績はなかなか上がりませんでしたが、
入試本番では合格ラインをちゃんと取ってきたのです。

とはいえ、私も妻も常に平常心でいられたわけではありません。
実は5年生の初め頃(彼は一学年飛び級をしていたので塾学年は6年生)、
塾の学習量が急に増え、負担感を強く感じた息子は、
急に日々の学習への意欲が減退してしまったのです。
小学校も休みがちになるなど、
生活全般に無気力さを出す時期がやってきました。

今までなら、「今週の予定を立てておきな」と言えば、
自分でやることを考え、スケジュールを立てていたのに、
それすらやらない。
塾の宿題をまったくやらず、
塾だけには行くという穴だらけの勉強の時期もあり、
テストでも時々これまでにない成績を取ることがありました。

すると、今まで穏やかに見守れていた妻も不安がピークになって、
口を開けば成績の話をしてみたり、
「無理しなくていいよ」とはれものに触るように接したり。

私もダラダラとしている息子に腹を立て、
感情が爆発して怒鳴りつけることもありました。
一時は家庭の雰囲気がとても悪くなったのですが、
そんな時こそ家族でとことん話し合いました。

なにより妻が、母としての決意を秘めて
「私はとにかくこの子が気分よく毎日を過ごせるように、全力を注ぐ!」
と宣言してくれたことが素晴らしかったです。

感情的になりがちだった自分を反省し、
あらためて息子の力を信じて見守る父へと、
自分自身を取り戻すことができました。

すると、3ヶ月もしないうちに、
それこそふっと憑き物が取れたように、息子の日々のリズムも整いだし、
遊びも学習も無邪気に楽しむいつもの姿を見せてくれるようになったのです。
(本当に良かった・・・)

そして6年生を迎えた後は、親はただ見守るだけです。

幼い時から自分でやることを決めるという習慣はついていますから、
親は体調と気持ちのサポートだけ気をつける日々でした。
自分で選んで、自分なりに納得して学習してきた結果、
彼は本番で一切緊張することなく実力を出せました。
わが子ながら「逞しいな、すごいな」と尊敬しています。

こうして、息子は自分の力で入りたかった学校への入学を決めたわけですが、
象徴的だったのが合格発表の日。
合格していたらさすがに興奮するんじゃないかなと想像していたのですが、
彼は自分の番号を見つけて「あ、あった」とあっさり。

「え、それだけ?」と、
私も妻も拍子抜けするぐらいのあっさりとした口調だったのです。

そうなんですね。
彼にとって、受験の合格は目標ではなく、
これまで重ねてきた日々の途中結果であり、
人生の通過点に過ぎないのですよね。

また1つ息子に教えてもらった、印象的なシーンです。

あのあっさりとした口調と飄々とした表情は、
これからも何度も思い出すと思います。

息子の中学受験を終えて思うことは、
「やはり中学受験をしてよかったな」と。
それは志望校に合格できたからではなく、
息子の成長を夫婦で共に見ることができたからです。

また、受験を通して、
家族でたくさん話し合いができたことも良かったと思います。
家族が密になるからこそ、
普段は気づかないような子どもの良さに気づける。
中学受験はわが子のスゴイところをたくさん見つけられた時間でした。

これからも色々なご家庭の、
さまざまな中学受験を希望をもってサポートしていきたいと思っています。

親は、子どもに育ててもらっているのですね。

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中学受験2019年02月19日12時00分
主任相談員の小川大介
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