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『5歳から始める最高の中学受験』で伝えたかったこと

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中学受験2019年11月12日12時00分

こんにちは! 小川大介です。

突然、宣伝から入って申し訳ないのですが、
この秋に『5歳から始める最高の中学受験』
というタイトルの本を刊行しました。

毎回、新著が書店に並ぶときは嬉しいもので、
私はいつものようにあちこちの書店を回ってみました。

ところが、そこで思わぬ現実に気づかされたのです。

この本は、中学受験を無理なく進めるための知恵をご紹介したものです。
タイトルから「中学受験」コーナーに置かれることはもちろんのこと、
「子育て」や「家庭教育」のコーナーに置かれるものと思っていたのですが・・・・・・・。

あれ? ないぞ?
一体どこのコーナーに置かれているのだろう?と、うろうろしていたら、
私の想定を超えて「小学校受験」や「早期教育」といったコーナーに置かれていたのです。

えっ!? なんでここに???

書店のスタッフさんを責めるつもりはありません。
毎日、たくさんの本が入荷してくるのでしょうから、
いちいち読んでもいられないというのもわかります。

だから、おそらく「5歳」というキーワードと
「中学受験」というキーワードを見て、
「この本は教育熱心な親が読む早期教育の本に違いない」
と思ったのでしょう。

しかし、読んでいただければ分かると思うのですが、
この本は早期教育塾に通わせたり、
習いごとをあれこれやらせたりといった、
いわゆる「早期教育」をすすめているものではありません。

一般的に中学受験の勉強は、
小学4年生(塾のスタートは3年生の2月)からスタートします。
そこから3年間掛けて、
受験のための準備を進めていきます。

中学受験に対するイメージを聞くと、
多くの方が「大変そう!」とおっしゃいます。

確かに中学入試では、小学校で習う学習内容を
はるかに超えた難しい問題がたくさん出題されます。
また、算数では特殊な解法が必要になるため、
そのための勉強をしなければなりません。

そこで塾通いが必須となるわけですが、
塾の授業はハイスピードで、
毎回たくさんの宿題が出されます。

また週ごと、月ごと、期間ごとにテストがあり、
そのたびに成績が出され、成績順にクラス替えがあるなど、
精神的なプレッシャーもあります。

そして、それに挑むのがまだ成長途上の小学生であるため、
どうしても親のサポートが必要になります。
こうした実態から、
「中学受験は大変そう」と思うのは無理もありません。

実際、今の中学受験は本当に大変なのです。

私は約30年前に中学受験を経験していますが、
当時は今ほどの難しい問題はありませんでした。
当時、難関校で出されていた難問が、
今は中堅校の標準問題で出されています。
年々、難化する入試問題に対応するために、
塾のテキストは分厚くなる一方です。

中学入試では、小学生の子どもには理解が難しい
抽象的な問題がたくさん出ます。

子どもの自然な成長を見たとき、
ものごとをまとまった考え(概念)として理解できるのは、
9歳ごろからと言われていますが、
それも子どもによって成長差があります。

そのため、小学校では4年生になってから
徐々に抽象的な概念の学習を始めていきますが、
中学受験塾ではそれを4年生のはじめから全開でスタートさせてしまいます。

つまり、子どもの自然な成長を考えたとき、
中学受験はとても不自然なものなのです

そこで3年間掛けて準備をしていくわけですが、
塾の授業は小学校の授業よりも学習内容が難しく、
進度が速く、また宿題の量も多い。
「このくらいの勉強はついていけて当然だよね?」
とばかりにどんどん進んでいきます。

そういう環境で勉強を進めていくは、
「毎日の学習習慣がついている」
「勉強はするのが当たり前と思っている」といった状態になっていないと、
いきなり戸惑うことになるでしょう。

そうならないためには、子どもがまだ小さいうちから、
少しずつ心と身体の準備をしておくことが大事だと私は考えます。

それがこの本で伝えたかった"ゆるやかに無理をさせる"という知恵です。

結局、小さいときから勉強をさせるってことでしょう?
と思った方もいるかもしれませんね。

確かに何もしないわけではありません。
でも、ここで紹介しているのは、
遊びなのか勉強なのか区別がつかないものばかり。
というのは、子どもは遊びや生活の中から多くのことを学ぶからです。

また、中学受験の勉強を進めていく上で、
学習スケジュールを立てることはとても大事ですが、
それも幼少期から無理なく身につくコツを紹介しています。

中学受験が大変なのは事実です。
そして、そのイメージが強すぎて、少しでも有利な立場にいたいと、
幼いときから間違った早期教育に走る親御さんがいます。

一方で、低学年まで何も準備をして来なかったのに
「4年生からの3年間はとにかく親子で必死に頑張ろう!」
と覚悟を決めて始める親御さんがたくさんいらっしゃいます。

けれども、長年中学受験に関わってきた私から見ると、
どちらもこの先、親子でしんどい思いをすることが予想されます。

なぜそんな困ったことになるかといえば、
子育て中の親御さんに対して、
適切な時期に適切な情報や知識が渡っていないからです。

未就学の段階でがんばる家庭は、小学校お受験組ですね。

中学受験を考える家庭は小3の2月から大変になりますよ。

低学年からがんばる家庭には、中学受験塾を先取りスタートがおすすめ。

と、世の中の学習サービスが年齢輪切りで提供されるために、
長期視点での子育ての知恵が出回らないのです。

だから私は、
もともと不自然である今の中学受験とうまく付き合っていくには、
幼いときから塾と同じようなメニューを勉強させるのではなく、
4年生になってからいきなり頑張るのでもなく、
お子さんが小さいとき(5歳くらいが理想です)から
徐々に中学受験の勉強を進めていく上で必要な
土台を家庭で作っておこうね、
そしたら本格的に受験の勉強が始まっても慌てることもないし、
わが家のペースで進められますよ、
ということを伝えたかったのです。

ところが、冒頭のように、
一番知っていただきたいご家庭に、
この本が届いていないようだと気づき、
ちょっと頭を抱えているところです。

「5歳」と「中学受験」というキーワードだけで、
「小学校受験」や「早期教育」コーナーに置かれてしまう。
または、どこ置いていいのかわからない。

これは、私にとっては想定外のことでした。
でもそれだけ世の中では、
「中学受験は4年生から死に物狂いで頑張るものだ」
と思われているということですね。

中学受験の「塾の授業」は4年生から始まります。
でも中学受験の「心と頭の準備」は
もっとずっと幼少期からの積み重ねです。

この違いを、これから中学受験を考えているご家庭には、
ぜひ理解していただきたいと思います。

ここを間違えなければ、
塾に通い始めて勉強が嫌いになってしまう子は
今よりずっと少なくてすむはずです。

中学受験の時間が親子にとって意味あるものとなるために、
ぜひこの"ゆるやかに無理をさせる"知恵を
取り入れていただければと思います。

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中学受験2019年11月12日12時00分
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