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中学受験と高校受験、どちらを目指すべきなのか 中学受験と高校受験の違いを解説

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

中学受験のために塾に通わせてはみたけれど、子どもの成績が思うように伸びない。
もしかしたら、中学受験には向いていないのかも…そう悩む親御さんも多いことと思います。
中学受験をせずに公立の中学に通ったら、今度は高校受験をしなければなりません。
中学受験と高校受験では一体何が違うのか、詳しく説明いたします。

中学受験と高校受験の違い

親の負担の違い

中学受験はよく「親の受験」と言われます。子どもの力だけで成し遂げることは非常に困難だからです。
塾選び、授業の復習、宿題のチェック、テストの直し、志望校の選択と絞り込みなど、中学受験親のやることは膨大です。お金だけ払えばいいというわけではありません。

それが高校受験になると、親の負担はずっと楽になります。多少のサポートは必要ですが、あくまで主役は受験生である子ども。
親子二人三脚であった中学受験と違い、高校受験での親は応援団という役割になります。
高校受験をするくらいの年齢になると、子どもは思った以上に自分の意思を持っているものです。
とはいえ、まだまだ思春期。気持ちが揺らぐことも多く、ヤケを起こしたり、短絡的な考えをしたりすることもあります。
そんな時は、寄り添ってサポートする必要があるでしょう。

受験者数の違い

都内では40%が、首都圏では15~20%ほどの小学生が、中学受験をしていると言われています。
中学の場合、受験をしなくても、地域の公立中学校が受け皿となるため、進学できないということはありません。
受験者数が多い東京都でも、教育に熱心なご家庭だけが中学受験をすることになります。

一方、高校受験は、ほとんどの子が経験します。高校の場合、公立中学のような受け皿はありません。
受験をするなりして、進学先を自分で掴み取らなければならないのです。
日本の高校進学率は97%を超えており、ほぼ全員が高校に進学しているという状況です。
このうち、中高一貫校に所属している生徒以外は、一般入試や推薦入試といった高校受験に挑むことになります。

入試問題の違い

中学受験では、人気のある学校は「絞り込むための入試」を行います。
募集人数に対して多くの志望者が来た場合、これは仕方のないこと。
どうしても、入試問題を難しくして、選別することになってしまうのです。
そのため、小学校の授業で習うことよりも、ずっと難易度の高い問題が出されます。これに対応するには、小学校での学習だけでは不十分。
塾などで中学受験に特化した学習をする必要がでてきます。

一方、高校受験においては、私立の上位校を目指すのか、公立高校を目指すのかによって、随分と異なります。
公立高校の入試であれば、受け入れる層が幅広いため、基礎学力を問われるような問題が出題される傾向にあります。
私立高校を受ける場合には、中学受験のように絞り込むための入試が行われることが多く、しっかりとした対策をしておく必要があります。

偏差値の違い

高校受験の偏差値は、中学受験の偏差値と比べて、10~15高く出ると言われています。
これは、偏差値を算出する際の母集団の違いによるものです。
中学受験は受験者数が少なく、成績上位の子が受ける傾向にあるため、各校の偏差値は低く算出されます。
偏差値50というのは、あくまで中学受験をする子たちの平均値相当ということであり、全国平均よりもずっと高いレベルになります。

中学受験の偏差値は、御三家などの最難関校で70を少し超える程度、難関校で65前後、中堅校で50~60くらいです。(統計を取る際のテストなどにより、多少前後します)
それに対して、高校入試は全国で100万人近い生徒が受験します。
高校受験では成績の低い生徒まで満遍なく受験するため、偏差値は高く算出されます。
中学受験と高校受験では、このように偏差値が大きく違いますので、注意しましょう。

減りつつある中高一貫校での高校募集

中学受験勉強を続けるのか、諦めるのか、迷っている親御さんの中には、高校から進学校に入学することを検討している方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、その考えは実現が難しくなりつつあります。近年、高校募集を停止する中高一貫校が増えているのです。
2019年には成城が高校募集を停止しました。そして、2021年には本郷が、2022年には豊島岡女子学園が、高校募集を停止することを発表しています。

中学から入学した中入生は、中学3年間の間に先取り学習し、高校1年の段階で、半年~1年ほど、公立校のカリキュラムより進んでいることがあります。
進学校においては、数学で先取り学習が顕著に見られます。
すると、高校から入学してきた高入生と学習範囲が異なるため、別カリキュラムが必要となり、授業体制に負担がかかります。
また、先取り学習の進んでいる数学において、高入生がなかなか追いつけないという問題も起こりがちです。

そもそも、中高一貫校の最大の魅力は、6年間かけて教育することで、さまざまな経験をつめるところにあります。
高入生はこのメリットを享受することができないため、中高一貫校に高校から入学すること自体の意義も薄くなってしまうのです。
中高一貫校が高校募集を停止する背景には、このようなことが加味されているのではないでしょうか。

ちなみに、都立高校でも、2021~2022年度にかけて、中高一貫校のうち5校が高校募集を停止します。
都立の中高一貫校では中学からの内進生が多数派で、「途中から入って友達ができるのか「中入生に勉強が追いつけるのか」という不安から、あまり志望者が集まらないという状況にありました。
都立の中高一貫校が高校募集を停止するのは、高校の受験者が集まりにくいというのが大きな理由だと推測されます。

中高一貫校に中学から入るメリット

中学受験に向いている子、高校受験のほうが結果を出せる子、お子さんの性格やタイプによって、それぞれ違います。
ただ、もし入りたい学校が中高一貫校であるなら、中学から入ることをおすすめします。
それは、中高一貫校の最大のメリットが、6年間の教育にあるためです。

まず、高校受験の必要がないため、大学受験まで6年間を通してしっかりとしたカリキュラムが組まれています。
6年間というメリットは、学習だけでなく部活動にも言えることです。
同じ仲間と6年間切磋琢磨できるという経験は、人生の中でも大きな糧となるでしょう。

学習面でも生活面でも6年間というメリットは大きく、難関校ほど高校からの募集をしない傾向にあります。
首都圏の男女御三家において、高校入試を実施しているのは開成のみ。
それ以外の学校は、高校募集をせず、6年を通したカリキュラム一本で教育しています。

中高一貫校が高校入試を廃止するという流れは、今後も続くものと思われます。
中学受験をするのか高校受験にするのかは、今後の動向も見据えた上で、判断する必要があるでしょう。

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