志望校を選ぶときは、偏差値の高い学校を目標にしたほうがいい?「いい学校」の基準とは

中学受験をすると決めた場合、志望校はどのように決めたらいいのでしょうか。
6年生にもなると、子ども本人、親御さんとも、現実的な志望校が見えてくるのではないかと思います。
一方で、子どもが4年生で塾に通い始めたばかりのご家庭にとっては、まだ先のことだと思うかもしれません。
でも、早めに志望校をある程度決めておくことで、じっくりと受験対策ができるというメリットもあります。
少しでも偏差値が上の学校を目指すべき?
中学受験をする家庭の親御さんは、少なからず「少しでも上のレベルの学校を目指してほしい」思っているのではないでしょうか。
たしかに、子どもにとってもそれが勉強へのモチベーションにつながります。
とはいえ、目標の高さには限度があるので、それをよく見極めて志望校を決めていきましょう。
やる気を出すどころか、「どんなに努力しても、さすがに無理だろう」という気持ちを子どもに抱かせないように気をつけたいところです。
勉強する意欲を失ってしまっては、元も子もありません。
少し努力すれば合格圏内に届きそうな学校を目標にするのが、正しい判断といえそうです。
子どもの偏差値が40ぐらいなら、45ぐらいの学校を目指す。
それがクリアできたら50と、少しずつ目標を高めていくようにしましょう。
最初から難関校を目指すのではなく、徐々に子どものモチベーションと目標を連動させながら高めていってあげてください。
学校情報は幅広く集めておく
とはいえ、親御さんの方にも夢があるでしょう。
「今は無理かもしれないけど、できたら最終的にこの学校に行ってほしい」という希望を持つことは悪いことではありません。
それを子どもに押し付けず、胸の中にしまっておいて、実現できそうなくらい学力が伸びてから「こんな学校もあるよ」と伝えてみてはいかがでしょうか。
子どもが5年生くらいになると、具体的に志望校にしようとしている学校の説明会に参加するようにしましょう。
学校に関する情報収集はとても大切です。
フィーリングだけで決めず、実際に教えている先生たちや通っている生徒たちの様子もよく見るようにしましょう。
学校訪問は、少なくとも5、6校くらい足を運ぶようにしたいところです。
中学受験をする家庭の親御さんで一般的なのは、8〜10校ほどの学校を訪ねることが多いようです。
それくらいの数を比較すると、各学校の特色が見えてくるでしょう。
偏差値帯ごとに目標とする学校を絞っておくと、より選択肢が広がり、いい目標になると思います。
「いい学校」とは?
偏差値が高いほど「いい学校」というイメージを持つ方も多いですが、それは本当なのでしょうか。
多くの親御さんたちが考えている「いい学校」とは、東京大学や京都大学などの名門国立大学や、早稲田大学や慶應義塾大学などの有名私立大学への進学実績が高い学校と、おおむねイメージが重なるのではないかと思います。
確かに、難関大学への進学実績が高い学校と偏差値の高い学校は、ある程度比例します。
でもすべての子どもにとって「いい学校」であるとは言い切れないことも事実です。
たとえば、同じような偏差値のA中学校とB中学校は、校風が大きく異なるとします。
- A中学校はとにかくスパルタで、中学1年生の時から大量の宿題が毎日出され、それに追われる日々。
- 夏休みも40日のうち30日は補習で、冬になると生徒全員朝の7時から剣道の朝練をさせられます。
- B中学校は、自由な校風で知られていて、生徒ものんびりしているのですが、先生たちは熱意を持って毎日の指導に臨んでいます。
子どもが先生などにお尻を叩かれたほうがやる気が出たり、競争心が強くて人と競い合うことで伸びるタイプなら、A中学校のような学校が「いい学校」でしょう。
でも、叱られると萎縮したり、他人と競争するというより自分で設定した課題をコツコツ乗り越えることに喜びを感じるタイプの子なら、B中学校のような校風が合っていると思います。
子どもの性格に合った学校は、偏差値だけではかれない
偏差値やレベルが高いから、進学実績が高いから、評判がいいから、有名だからなど、さまざまな理由がありますが、それだけが「いい学校」の基準ではありません。
それぞれの子どもにとって「いい学校」かどうかを判断してあげたいですね。
もちろん、偏差値や進学実績は、その子がその後の人生を切り開いていく上での大きな要素になるかもしれません。
でも、それだではない可能性もじゅうぶんにあります。
偏差値や実績だけを重視してしまうと、あとで「こんなはずじゃなかった」ということになりかねないので、慎重に判断するようにしましょう。
同じレベルの偏差値の学校でも校風が大きく異なることがあるので、選ぶときによく確認してください。
中学受験は合格すればそれで終わりというものではありません。
その後の中学校生活、高校生活をどうすごし、そこでどう成長していくかはそれぞれの子ども次第です。
そこをよく想像したうえで、子どもにとってより「いい学校」を選択してくださいね。