中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

今一度考えてみたい、地域の中小塾、個別指導塾のメリットとデメリット

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

お子さんの中学受験を考えたとき、多くの方は大手の進学塾に通わせることを考えられるのではないでしょうか。

首都圏ならサピックス、日能研、四谷大塚や早稲田アカデミーなど、関西なら浜学園や希学園といった塾が頭に浮かぶ親御さんも多いと思います。

一方で、近所にある中小の塾や個人塾、個別指導塾が気になっている、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここでは、地元の中小塾、個人塾、そして個別指導塾などで中学受験に挑戦することは現実的なのか、中小塾のメリットとデメリトについて考えてみたいと思います。

先生の能力によっては、中小塾でも成績アップが望める

中小塾や個人塾のメリットの1つに、個別に丁寧に指導してもらえる可能性という部分があります。
確かに、大手の塾と違って小規模な個人塾なら、一人ひとりに目が行き届く可能性はあります。
校長や担当の先生の熱意や能力によっては、大手塾に引けをとらない効果が期待できる場合もあります。

このように、地域の小規模塾は生徒の数も講師の数も少ないため、アットホームで生徒と先生の信頼関係が強く築かれる場合があるのがメリットです。
また、大手進学塾は頻繁にクラス替えが行われて担当講師が目まぐるしく変わる場合もあり、じっくり勉強に取り組みたいお子さん、親御さんにとっては、その点でちょっと不安があるかもしれませんね。

逆に小規模塾のデメリットも、やはり規模が小さいことによる部分となります。
講師数が少ないために塾長や担当の先生が「一人◯◯役」で活躍しなければならず、カリキュラムやテキスト構成なども決していたれりつくせりというわけではない場合も多く、志望校対策(やそのノウハウの蓄積)も大手塾には及ばないケースが多くあります。

このようなメリットとデメリットをよく理解した上で、選ぶようにしたいものですね。

個別指導塾に通うなら、目的をしっかり定める

近年は、個別指導教室でのマンツーマン指導を選ぶご家庭も増えています。
塾の成績を上げるために一斉塾に通いながら個別指導塾にも在籍する「ダブルスクール」も特別なことではなくなってきています。

個別指導塾は、一斉塾以上に指導の内容や利用する目的に合わせて選びたいところです。
個別指導塾にお子さんを通わせる目的が「塾の成績を上げる」「苦手科目や分野を克服したい」といったことであれば、確実にその目的を叶えてくれる教室を選ばなければなりません。

たとえば、マンツーマンで教えてくれるけれど、決して「プロ」とは呼べないような講師が授業を担当する塾も、残念ながら存在します。
学生のアルバイト講師などがすべて悪いとは思わないのですが、やはりそれ専門で経験を豊富に積んだ講師とくらべると、見劣りするものです。

わからない問題を教えてもらうだけでは、違いがわかりづらいかもしれませんが(実際にはそれだけでも大きく違いがあり、わかるものです)、成績があがる勉強法や進路指導に関する知識やノウハウなど、やはりプロフェッショナルにしかないスキルというのはあるものです。

面談などを経て、体験授業などで授業の質を親御さん自身がチェックして判断してください。
判断のしかたは難しくありません。
受験勉強の専門家ではない親御さんが授業を見学し「なるほど、よくわかる」「そうやって説明してくれれば納得できる」と思える先生、教室を選ぶようにしてください。

「マンツーマン指導=成績が上がりやすい」というイメージだけで選ばないことです。
マンツーマン指導にも、成績が上がる指導とそうでない指導があるということを意識しておきましょう。

一斉塾を軸にするのがよいが、中小塾は信頼できるところを選ぶ

やはり中学受験のための勉強を考えた場合、一斉塾を軸にするのがおすすめです。
集団の中に身を置くことで「仲間と一緒にがんばろう」という連帯感や一体感、また強制力のようなものもはたらき、勉強のリズムもつかみやいからです。

中小塾でももちろんOKですが、以下の3点が揃っていることが条件です。

  1. 1.カリキュラムがしっかりしており、そのとおりに授業が進められていること
  2. 2.信頼できるテキストがあること
  3. 3.テストのシステムがしっかりしていること

まれに、中小塾で「カリキュラムは塾長の頭の中だけ」というようなケースもあります。
これでは、ご家庭にとっては受験勉強のゴールや途中経過の確認事項が見えず、勉強がいきあたりばったりになってしまいます。

テキストやテストは、特に「オリジナル」である必要はありません。
市販のテキストにもいいものはたくさんありますし、それらを上手に組み合わせて効果を上げている中小の塾も多くあります。

そのような意味では、四谷大塚の準拠校などは一定の安心感があります。
テキストの「予習シリーズ」は実績と信頼のあるもので、四谷大塚が主催する全国テストのシステムも利用できるからです。

個別指導塾だけで中学受験を目指すのは、いろいろな意味で困難があります。
費用面やカリキュラム、またお子さんのモチベーションの維持などです。
ただし集団塾に馴染めなかったり、通っていたけど成績がぜんぜん上がらない、といったケースは個別指導塾だけでの受験も考えてよいかもしれません。

一斉指導塾を軸に、不足を個人指導で補うという考え方がよい

上記のように、個別指導塾は「一斉塾を補う」という役割で利用することを基本と考えるのがよいでしょう。

一斉塾で成績を上げるための学習法を学びたい、塾でわからなかった分野の理解を深めたい、といった要望を満たす「+α」の選択肢として考えると、個別指導塾を選ぶ際の視点もブレがありません。

個別指導塾にはどんなことを期待するのか、あらかじめ考えておくことが大切です。
志望校対策の時期に、数ヶ月の期間限定で丁寧な志望校対策を個別指導塾で行う(特にお通いの塾に志望校の対策コースがない場合など)ご家庭も一定数存在します。

以上のように、地域の中小塾や個別指導塾で中学受験を目指すことは可能ですが、いくつか注意しておくべきことがあります。
ぜひ上手に選んでお子さんの受験勉強を聖光に導いてあげてくださいね。

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