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中学受験直前 やるべきことと5つの心構えとは

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

いよいよ入試が近づいてくると、子どもはかなりナーバスな状態になります。
この時期は、大人が一緒にピリピリしないように気をつけたいですね。
ここでは、中学受験の直前期にやってはいけないこととやるべきこと、親の声かけや親子の心構えなどについてお伝えします。

睡眠時間を削ってはいけない

入試直前で必要なのは、「本番で今やった問題と似たものが出たら、絶対に解けるようにする」という心構えです。
直前期に焦って問題をこなしていると、せっかく本番でそのまま出ても解けないということが起こります。
「20問をいい加減にやるより、10問を確実にできるようにしよう」と子どもによく話してあげましょう。

子ども自身が「もっと勉強をしたい」と言っても、直前期にはあまり夜更かしをさせないようにすることが大切です。睡眠時間を必ず7時間は確保させてください。
それ以上睡眠時間を削って勉強しても効率が落ちるだけですし、体調を崩す原因にもなります。ここは、大人がしっかりと管理をしてあげましょう。

そもそも、この時期の塾の課題や宿題をすべて終わらせることは無理です。
山のようなテキスト、問題週、過去問の中から必要な箇所だけを選んで取り組むようにしましょう。
塾に通い始めた段階から取捨選択をすることは必要ですが、直前期はさらに大切です。

「これだけやれば、もう大丈夫だよ」「ちゃんと寝ないと記憶が定着しないんだよ」と声をかけて、子どもをゆっくり寝かせてあげましょう。

直前期は「理解があいまいな問題」を優先するべき

入試が近いと焦りすぎて、問題の難易度や優先順位を判断できないまま、取り組もうとする子がいます。
難しい問題をやろうとして、解けなくて焦ってしまい、ふだんは解けるはずの問題にも影響が出る…という悪循環に陥ることもあります。
この時期は、これまでにやったことのない問題、解けなかった問題ではなく、解けそうで解けなかった問題や、解けるけど時々まちがえてしまう問題をやるべきだということを親御さんも知っておいてください。

12月の時点でその判断に役立つのは、過去のテキストです。実際に塾の授業で説明を聞いたときや自分で復習したときに、「○」(よくわかった・解けた)、「△」(だいたいわかった・解けたり解けなかったりする)、「×」(ぜんぜんわからなかった・解けたことがない)と印をつけておくと、この時期の学習に活用できます。
この時期にやるべき問題は「△」の印がついているもの。「×」には手をつけないようにしましょう。

「△」の問題の勉強方法としては、子どもにその問題の解き方を説明させて、大人が聞き役になる「ミニ授業形式」が効果的です。
この、印をつける方法は、あとでテキストを見直したときに「どの段階で理解があいまいだったのか」を振り返る目安になります。
つまずいた問題、対策するべき単元、もともと苦手だった問題などがよくわかります。

テスト直しのときもこの「○」「△」「×」に分類しておくと便利です。

大人もつられてピリピリしないように注意

受験の本番が近づいてくると、どんな子どもも親も普通ではない精神状態になります。
どれだけ自信がある子どもでも、どれだけのんびりした親御さんでも、程度の差はあれ心配や不安、逆に高揚感が高まるなどしてピリピリしてきます。

不安感や興奮が高まりすぎて夜、眠りにつくのが遅くなったり不眠気味になっていないか、大人が注意して見てあげてください。
完全な休みをつくって、のんびりリラックスする日にしたり、自由に遊ぶ日にしてもいいかもしれません。

男の子は特に怪我に注意、女の子も体調の変化に気をつけて

男の子の場合、本番が近づくにつれて落ち着きがなくなる子も多く、中には6年生の2学期あたりに骨折など怪我をする子もいます。
元気で明るいタイプの子でも、表には出ない不安があり、注意力が散漫になってしまうのかもしれません。
不安や焦り、心配を紛らわせるために、学校などで友達とふざけ合って怪我をする子もいるので十分に注意しましょう。

女の子で多いのが、お腹が痛い、頭が痛いなどの不調を訴えることです。
明るく振舞っていても、円形脱毛症になる子すらいます。
この場合は、かなり不安定になっていると考え、まずはお母さんやお父さんがリラックスして、家庭内の雰囲気を和やかにするように心がけてください。

時間の使い方を見直したり、塾の先生に志望校に無理がないか相談してみてもいいでしょう。
タイミングを見て、子どもにしっかり向き合う時間をつくってください。

子どもの不安を和らげるために努力を思い出させる

子どもが「もし合格できなかったらどうしよう」と強い不安を持っているようなら、これまでの努力を思い出させましょう。
塾に入ったころからの成績の推移を見てみるのもいいですし、これまで取り組んできたテキストや参考書を一緒に見返してもいいかもしれません。
山のように積まれたプリント類を見せながら「こんなにがんばってきたんだから大丈夫だよ」というねぎらいと励ましの言葉をかけてあげましょう。
そして合格の可能性が十分あるということを、明るく話してあげてください。

もし、それでも子どもの気持ちが前向きにならないようなら、「今やっていることは、なにひとつ無駄にならない」ということを、根気よく説明してあげます。
第一志望校へのチャレンジがもしも失敗したとしても、チャンスはいくらでもあるし、目標に向かうための別の方法もある、という選択肢を伝えると安心するかもしれません。

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