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中学受験をやめる?

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公開: 最終更新日:2021年07月26日

中学受験をやめる理由は

例年、夏休みが終わると、6年生の中で「中学受験をやめる」という選択をするご家庭が出てきます。
この年令で私立中学校を受験するより、ここはいったんあきらめて、高校入試に照準を合わせて勉強したほうがよいという判断をするのです。

中学受験の勉強をいつ始めたかは人それぞれですが、少なくとも1年、2年と続けてきた受験勉強。
親としてはそう簡単にはあきらめがつかないのではないでしょうか。

中学受験をあきらめる大きなひとつの原因に、通っている小学校の問題があります。
私立の小学校に通っていて、併設の中学校への内部進学と外部受験を天秤にかけ、結果として内部進学をしたほうがよいと判断する場合です。

この場合、根拠は明確で、外部受験で進学できそうな学校より、今通っている学校に内部進学したほうが将来有利だろうと判断できるというケースです。

また、地元の公立高校のレベルが高く、中学受験をするのではなく、公立中学校に進学して、高校受験で難関公立高校を狙おうというケースもあります。

いずれも、いくつか考えられる進学先から、将来性を見据えてより有利な進学先を選ぶわけですから、どちらかと言えば前向きな進路変更ということができます。

親子共に、気持ちが切れてしまうことも

一方、とても残念ですが、どうしても子どものやる気がでない、モチベーションが上がらないということから、泣く泣く中学受験をあきらめるケースもないとはいえません。

中には、お父さん、お母さんも気持ちが切れてしまい、「そもそもあなたが受験したいって言い出したんじゃないの!やる気が無いならやめちゃいなさい!」といった感じでやめさせてしまうような場合もあるようで、非常に残念なことです。

その多くの場合は、志望校と学力(=テスト結果)にギャップがあり、お子さんも「がんばってもどうせダメ」と思ってしまっています。
「夏にこれだけがんばったのに」という失望の気持ちから、いよいよ親子ともども気持ちが切れてしまうのです。

気持ちが切れない、切れさせない受験計画

「どうせがんばってもムリ」と感じているとき、お子さんのモチベーションは上がりません。
でもこれは大人でも同じですね。
「ちょっとがんばれば達成できそう」という希望を感じるとき、人はがんばれるものです。

前向きにお子さんをがんばらせてあげるには、目標を高過ぎるところに設定せず、小さな成功体験を積み上げさせることだと、中学受験情報局の主任相談員の先生方は言います。

  • 1.夏が終わった段階で、志望校と現状の偏差値にどのくらいのギャップがあるのか
  • 2.そのギャップを埋めるための方法として、どのようなことが考えられるか
  • 3.現実問題として、ここから数ヶ月で偏差値をどのくらい上げられる見込があるか

この3点をはっきりさせると、志望校変更を検討する必要があるかどうか、冷静に判断できます。
このまま第一志望校だけを目標にし、そこに到達できなかったらやってきたことが無駄になる、といった考えだけは、お子さんに持たせないようにしたいものです。

6年生はこれ以降、入試実戦を意識した模擬テストがどんどん続き、学力と志望校の偏差値に大きなギャップが有る場合は、どんどん気持ちが苦しくなっていきます。

たとえば、第一志望校は難しいかもしれないけど、第二志望校であれば可能性はグッと上がるとか、その第二志望校にも第一志望校に負けないくらいたくさん良い所があるとか、そんな情報をお子さんに与えてあげることで、「◯◯中学校に合格できなければ、なにもかもおしまいだ」といったような追い詰められた気持ちから解放され、モチベーションも上がるものです。

親が追い詰められるのがもっともいけない

主任相談員の辻先生によると、お子さんではなくお父さん、お母さんが「◯◯中学校に合格できなければ、今までやってきたことがすべて無駄になる。どうしよう」といった気持ちになってしまうことも少なくないそうです。

そうなると、入試間近の模擬テストの結果に親が翻弄されてしまい、そんな親の姿を見てお子さんがさらに動揺し、無力感を強くするという悪循環に陥ってしまいます。

入試が近づいてきたら、親はある意味無理矢理にでも楽天的に振る舞うような、そんな「演技力」が必要な場合も出てきます。

長い目で見て、親子ともども「あの受験はしてよかった、成功だったな」と思い返せるような中学受験にしたいものですね。

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