2015年東大寺学園中学校 入試問題分析 理科
総評
前年度の平均点が非常に低かったため、今年度は難易度が低くなるだろうという予想通りです。受験者平均点は20点以上上がり、差がつきにくい問題ともいえますが、難度の低い知識問題での失点が直接合否に影響するテストでした。東大寺の理科は、2014年のように難度が高い場合と、2015年のように難度が低い場合の両方に備えておく必要があります。
出題範囲と難易度
※難易度はAからEの5段階で評価し、Eの難易度が最も高いものとしています。
理科 |
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受験者平均得点、合格者平均点
2014年度 平均点 |
2015年度 平均点 |
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受験者平均 | 45.7点 | 67.2点 |
各問の解説
1 生物全般(動物の暮らし、人の誕生、花のつくり)
落とすとすれば(2)-②と(4)-②辺り。
(2)-②はウナギの生態の問題で、3年前に卵が発見され話題になっているため、ニュースなどを普段から見るような受験生であれば問題なく解けるでしょう。
2 地学全般(気象、地層、月)
(4)のグラフがやや読み取りにくいことを除けば、難解な問題はありません。選ぶべき選択肢の数も指定されているので、迷う事なく答えられる問題ばかりです。(6)で出題されている月の問題も基本問題レベルです。
3 化学(水素の発生)
難問ではありませんが、(2)で銅板を入れたままスチールウールを入れていたり、(1)で記号を全て使わなければいけなかったりと解きづらい問題が出題されています。また、塩化鉄が黄色っぽいことも問われており、最難関と言われる学校を受験する受験生はより深い知識を持つ必要性を感じさせます。
4 物理(光、力学)
物理に関する全般的な小問集です。(4)のはかりの問題がやや解きづらく、(5)は選択肢の見た目は難しそうに見えますが、普通に平均の出し方を考えられれば易しい問題です。東大寺受験者なら、選択肢の見た目だけで惑わされることはなかったのではないでしょうか。
5 物理(浮力)
難問とは言えないレベルではありますが、苦手とする受験生の多い単元ですので、差が付きやすいと思われます。
問題自体は、水中では「浮力=沈んでいる体積分の液体の重さ」であるという知識と、上下のつり合いの考え方で難なく解けます。
6 物理(電気)
東大寺らしい問題です。電気がどう流れるか想像出来なかった場合、全問不正解もありえます。
リングの部分を太い導線と捉えれば(5)以外はすんなり解ける問題です。