2015年甲陽学院中学校 入試問題分析 国語2日目
総評
灘と並んで、関西、特に兵庫県(神戸)の中学受験生の間で人気の高い甲陽学院中学校。2010年度以降の特徴通り、2015年も科学に関する文章が出題されるなど、受験生の予想通りの出題だったと思います。
1日目同様、物語文がやや易しく、論説文の難度が高い構成です。論説文の独特の形式に解きづらさを感じた受験生も多かったのではないでしょうか。
出題範囲と難易度
※難易度はAからEの5段階で評価し、Eの難易度が最も高いものとしています。
国語2日目 |
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受験者平均得点、合格者平均点
2014年度 平均点 |
2015年度 平均点 |
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国語1 | 受験者 | 63.1点 | 62.0点 |
合格者 | ― | ― | |
国語2 | 受験者 | 69.5点 | 62.1点 |
合格者 | ― | ― | |
国語計 | 受験者 | 132.6点 | 111.3点 |
合格者 | 138.1点 | 117.7点 |
各問の解説
1 (1)論説文、(2)小問8題
(1)2010年以降、毎年、第1日か第2日の論説文において、科学分野の文章題が扱われています。今年も例年通りです。文章は2つに区切られていて、科学に関する質問に2人の学者が答えるという形式の文章題なので、受験生は戸惑ったかもしれません。問8を除いて、設問は、傍線部のある方の文章のみを参照すれば解くことができます。
(2)小問8題の中で、記述問題が3題、空欄補充問題が1題、記号問題が3題、知識問題が1題です。
問1.熟語の問題です。難易度は高くありません。全問正解すべき問題です。
問2.2つの空欄補充の問題です。前後の具体例をまとめる言葉を、それぞれ漢字二字で考えなければなりません。さらに2つの言葉に関連性を持たせる必要があるので、言葉の選択肢が狭まります。抽象化する力と言葉の力が必要です。
問3.理由説明の記述問題です。設問部分の近くにある具体的な説明箇所とまとめの箇所に注目すれば正答できます。
問4.理由説明の抜き出し問題です。設問内容を正確に読めば、無理なく答えられるでしょう。
問5.空所に当てはまる文章を選んで答える問題です。難易度は低いです。
問6.内容一致の記号問題。同一段落で繰り返し述べられている内容と矛盾が無いものを選択しますが、難度は高いです。
問7.「人は有限な存在」の何が有限なのかを答える問題ですが、多くの受験生にはあまり手応えが無かったかもしれません。
問8.記述問題です。本文中の内容を3つにまとめる問題です。内容が重複しないように注意しましょう。同一内容を正確に把握する力が必要です。
2 (1)物語文、(2)小問7題
(1)登場人物が少なく、人物像が対照的に描かれているので、読み易く感じたはずです。
(2)小問7題の中で、記述問題が5題、知識問題が2題です。
問1.例年出題される慣用句の空欄補充問題です。
問2.これも慣用句の問題です。Ⅰ.知識として知っていなくても文脈から解答を導き出せます。Ⅱ.難易度は低いです。
問3.言動の理由を説明させる記述問題です。難易度は低いです。
問4.心情を説明させる記述問題です。難易度は高くありません。
問5.会話文の空欄を補充させる記述問題です。甲陽では珍しい出題です。前後から解答を導き出せます。難易度は低いです。
問6.心情の理由を説明させる記述問題です。
問7.こちらも心情説明の問題です。問6の回答方針が間違っていれば、この問題も間違う可能性が高いです。