2015年甲陽学院中学校 入試問題分析 算数2日目
総評
2015年度は算数1の平均点がやや上がったものの、算数2の平均点が下がり、算数全体ではやや難度が増した印象です。書き出しと高度な試行錯誤の必要がある問題、普通は切り捨てである消費税を四捨五入で扱った問題など、2日目はレベルの高い出題でした。
出題範囲と難易度
※難易度はAからEの5段階で評価し、Eの難易度が最も高いものとしています。
算数2日目 |
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受験者平均得点、合格者平均点
2014年度 平均点 |
2015年度 平均点 |
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算数1 | 受験者 | 60.3点 | 62.1点 |
合格者 | ― | ― | |
算数2 | 受験者 | 61.4点 | 53.1点 |
合格者 | ― | ― | |
算数計 | 受験者 | 121.7点 | 115.2点 |
合格者 | 138.3点 | 127.2点 |
各問の解説
1 植木算、平面図形の面積
(1)レベル易
実際に線分図を7等分して書き出して規則を見つければ解けます。
(2)レベル普通
扇形から正三角形を引いた面積を求めて、直角二等辺三角形から引きます。
2 数の性質と規則
過去に灘中2日目で同じタイプの問題が出題されています。
(1)レベル易
1から反対向きに戻る樹形図を書いて書き出します。
(2)レベル普通
ある整数から1を引き、さらに1を引き、3で割ることを繰り返すと書く個数は最も多くなるので、1から順に戻ると1→2→6→7→8→24→25→26→78→79→80のときに最も多くなります。
3 仕事算
(1)レベル難
全体量を480としたときにA+C=24/hとなり、B+C=20/hとなります。またAとBの合計では15日よりは多くかかり、16日ちょうどよりは少ない。だからA+B=30/h(16日)よりは多く、32/h(15日)よりは少ない。またA-B=4/hなので和差算でAは17/h(16日)より大18/h(15日)未満。よってBは13/h(16日)より大14/h(15日)未満。よってCは16日のとき7/hであり、15日のとき6/hです。ただしこれはCが新人のときなので、今はCが16日のとき14/h、15日のとき12/hです。よって16日のときも15日のときもA+B+C=44/hである。480÷44=10.9なので11日が答えです。
(2)レベル普通
(1)よりCは12/hより大14/h未満なので480÷12=40、480÷14=34.28となり早い場合35日、遅い場合39日となります。
4 割合 消費税の仕組み
消費税は普通は切り捨てですが、この問題では四捨五入であるので注意が必要。
(1)レベル易
実際に探してみます。
1580×1.08=1706.4なので10個で1580円。1個あたり158円なので158×1.08=170.6円 171×10=1710円
(2) ①易 実際に探しましょう。
②難 ある程度まで実際に探してみると、作れない金額に規則が見つかる。作れない金額は小さい金額から順に、7、20、34、47、61、74、88と続いていきます。つまり差が13と14で繰り返します。よって1500までを探すと、最後の数は1492になる。ここで2個ずつの和を等差数列にして足していきます。初めは規則には気づかないと思うのである程度調べ上げが必要となります。
5 規則性
(1)レベル易
7と11の最小公倍数の77までが1区切りとなる。真分数の部分の分子は1番目から順に7、3、10、6、2、9、5、1、8、4、0を繰り返します。全部で100個の数字が並ぶので群数列の和を求めればよいことになります。
(2)レベル易
(1)で考えた11個で区切ります。100÷11=9あまり1、1セット目の和は37、2セット目の和は114、9セット目の和は653で10セット目のはじめの数63が余る。等差数列の和で答えを求めます。
6 相似と面積比
(1)レベル普通
DFとEGは平行なのでAから底辺BCに向かってDFとEGに平行になるようにAHを引きます。CE:EA=1:2なのでEG:AH=1:3です。EGの長さを1とすると、AHの長さは3になります。BD:DA=3:2なのでDF=1.8。DF:EG=1.8:1=9:5です。
(2)レベル難
三角形ADEの面積と、台形DEFGの面積を全体から引くと、三角形DBFと三角形EGCが残ります。三角形ABHに対する三角形BDFの割合と、三角形AHCに対する三角形ECGの面積の割合を隣辺比を用いて求めることができます。ここで三角形ABHと三角形AHCの面積の和と、三角形BDFと三角形ECGの面積の和を消去算で消して三角形ABHと三角形AHCの面積比を求めます。