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学力アップに効果!子どもが勉強するときの「目の動き」と「呼吸」に注目しよう

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公開: 最終更新日:2022年03月02日

親御さんたちは、子どもの勉強を見守るとき、ふだんどのようなことを意識して見ているでしょうか?
ここでは、子どもの「目の動き」と「呼吸」を注意深く見ていただきたいということについて考えていきます。
「目の動き」「呼吸」と学力アップとの関係についても説明していきます。

「目の動き」で、視線が何往復しているかを確認

国語が苦手な子には共通点があります。
それは、問題文でも論説文でも、素材とし出題されている文章を読むときに、途中で視線がうろうろしてしまうことです。

私が指導するときは、それを確認するためにまず、「問題文をしっかり読んでから解いてみようか」と声をかけ、子どもの前にしゃがんで座り、目の動きを確認します。
子どもは見られていることに最初は少し緊張しますが、やがて慣れてきて、普段の姿を見せてくれます。

国語の長文読解だけでなく、算数の文章題でもそうなのですが、苦手な子は途中まで読んですぐ、視線が解答欄のほうに移ってしまうのです。
5行もある算数の問題文を読んでいるはずなのに、視線を注意して見てみると、2往復くらいしかしていなかったりします。

ご家庭でも、以下のように確認することができます。ぜひチェックしてみてください。

①子どもを机に向けさせて、国語の長文問題を読ませてみる。
このときに、子どもにエンピツを持たせて、エンピツで文章をなぞるように読ませる。

②大人は子どもの正面に座り、少し下のほうから子どもの目線の動きをよく見てみる。

このときのチェックするべきポイントは、エンピツの動きと目線です。
国語に苦手意識を持っている子は、途中からエンピツよりも先に視線が行ってしまうでしょう。
こういう子には、毎日、なにかしらの文章を前述の方法と同じようにエンピツで追いながら繰り返し読ませるようにしてください。
手の動きと目の動きが一致するようになると、一字一句読み落としがない「精読力」が身につきます。

苦手意識が「誤読」の原因

「国語の長文読解が苦手」「算数の文章題がいまいちできない」という苦手意識を持っている子どもは、「早く問題を解かなくては」と無意識にプレッシャーを感じ、気持ちが焦ってしまうのでしょう。
問題文を読みながらそのなかにある漢字や数字を目にしただけで「こういう問題にちがいない」と早とちりし、決めつけてしまいます。
こうして問題文の「誤読」が起きてしまうのです。

算数の単純な計算ミスが多い子も、問題を見てすぐに「これは掛け算」「これは割り算」と、安易に判断してしまう傾向があります。
また、文章題で「○○を」を「○○で」と読み間違えるような、単純なミスも起こりがちです。

ぜひこういうお子さんの「目の動き」を注視し、もし視線が先を急いでいるなら、エンピツや指でなぞりながら読む習慣をつけて、目と手の動きを同調させる練習をしてみてください。
きっと、訓練することによって、誤読によるミスが減ると思います。

腹式呼吸で気持ちを落ち着ける

次は、呼吸についてです。
塾や家庭教師として教えながら、たくさんの子どもたちを間近で見てきました。
そのなかで、実力はあるのに、大切な試験でミスが多くなってしまう子どもには、ある共通点があることに気がつきました。

それは、呼吸です。いつもは落ち着いているのに、むずかしい問題を前にすると、呼吸が浅く、早くなってしまうのです。
きっと「これは大切な試験だから結果を出さなければ」「できなかったら、どうしよう」などプレッシャーを感じているのでしょう。
本来の実力なら解けるのに、プレッシャーと緊張によって呼吸が乱れ、それが思考の乱れを招き、結果的に集中力も欠けてしまいます。
そして、単純なミスが増えてしまうのです。

試験ではなくふだんの勉強のなかでも、むずかしい問題を前にしたときに、同じことが起こる子もいます。
そんなときは、問題を解くのをいったんやめて、深呼吸をするように促してあげましょう。

「背筋を伸ばして、深く息を吸って、思いっきり吐いて。落ち着いてから、もう一度問題を読んでごらん」と、声をかけてあげてください。
きっと集中力が高まるはずです。

 

このように、日ごろから「腹式呼吸」ができるようにしておくことをおすすめします。
目を閉じて、息をゆっくり吸いながらお腹をふくらませ、ゆっくり息を吐きながらお腹をへこませる。
お腹に手をあてて、ちゃんとできているか確認してあげてもいいですね。
できない場合は、大人が呼吸のお手本を示して、実際にお腹を触らせてみましょう。

試験会場などで緊張としたとき、これを何回か繰り返すと呼吸が落ち着くということを、事前に伝えておきましょう。
「この呼吸をすると、気持ちが落ち着く」と知っておくだけでも、子どものプレッシャーや不安をとりのぞくことができると思います。

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