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どうすればいい?塾の先生との上手な付き合い方

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公開: 最終更新日:2021年07月20日

お子さんに中学受験をさせようと決め、塾に通わせ始めたら気になるのが、我が子がどんな先生に教えてもらっているのかということかもしれません。
今のお父さん、お母さん世代が受験したころは、ことさら塾の先生との付き合い方など考えず「おまかせ」でいたらよかったかもしれないのですが、今の親はどうでしょうか。

塾への送り迎えのときに挨拶程度、という方もいれば、かなり突っ込んだ質問や要望まで先生に伝えるという方もいるようです。
「先生の名前くらいは知っているけれど…」というような親御さんもたくさんいます。

ここでは、「塾の講師との付き合い方」について考えてみたいと思います。

塾の講師との距離感

塾に入れたから、あとは塾にお任せだというご家庭もたくさんありますが、できれば講師には、誰の親御さんかわかるくらいの認識を持ってもらっている関係だと、何かと便利です

とくに親密になる必要はありません。
お子さんがスランプに陥ったり行き詰まったときなど、どの子の親か分かるくらいになってもらっていれば、相談しやすいですね。

塾によって、あるいは講師によっても、非常に親身になって相談に乗ってくれる場合もあれば「自己責任」と非常にドライな対応をされる場合もあります。

「こんな当たり前のことを聞いて、先生は気を悪くしない?」
「うるさい親だと思われたりして・・・」
「納得いくようなアドバイスが得られないのでは?」

そんな不安があって相談しにくい、という親御さんもいるかもしれませんが、塾の方針や先生のタイプを知っておくという意味でも、一度相談を持ちかけてみる価値はあります。

親と講師の視点の違いを理解する

親は、勉強に限らずお子さんのいろいろな面を間近で、毎日見ています。
その意味では、我が子を一番知っているのは親、ということになります。

しかし一方で、お子さんが10歳なら親も「親歴10年」であり、他のお子さんの例をたくさん知っているわけではありません。
その意味では、長年たくさんのお子さんを見てきている塾の先生の視点は、とても参考になるはずです。

つまり、親と先生の視点の違いをしっかり理解した上で、アドバイスを受けることが大切なのです。

なかなか宿題に取りかかろうとしない我が子を見て「やる気がない!」と親はヤキモキするのですが、塾の先生に言わせれば「今の学年では多くのお子さんがそれくらいの感じ」かもしれません。

だから「何もしなくていいか」と言われればそうでもないのですが、少なくとも「うちの子だけが特にやる気がない」というわけではないということがわかれば、少しお子さんへの声かけも変わってくるかもしれませんね。

塾の先生は忙しいことを理解する

塾の講師は、なかなか忙しい仕事です。
夕方、授業が始まれば21〜22時くらいまでノンストップ、終わったら教室の後片付けがあります。
授業間の休憩時間は10分から長くて20分(食事をとる塾では、このくらいの時間で食べることになります)しかありません。

子どもたちのちょっとした質問に答えたり、教室間を移動している間に休憩時間は終わってしまいます。
ちゃんとした先生なら、授業の前にしっかりと授業計画を練るはずですから、授業前の時間も慌ただしいと思います。

そんな空き時間での相談、内容は端的に、しっかり詰めておくのも大切なことです。

たくさんのお子さんを受け持っていることに配慮しながらも、しっかり悩みを解決できたらいいですね。

あらかじめメモなどで相談内容を伝えておき、時間を確保してもらって相談するというのもいい方法です。

授業前後の質問には限界がある

進学塾ではたくさんのお子さんを一斉に教えているわけですから、なかなか一人一人のお子さんのケアができにくい面があります。

たとえば授業は、内容をよく理解しているお子さんに合わせて、どんどん進んでいきます。
一部に理解が追いつかないお子さんがいても、なかなか立ち止まってケアすることができないのです。
理解が進んでいる子から「先生、早く進めてください!」というプレッシャーがかかることもあります。

途中わからなくなった場合、それは我が子の理解力がないせいで、自宅学習でなんとかする以外に選択肢がないと思っている親御さんも多くいます。
しかし、授業を聞いてわからなかった問題を、家庭学習で克服するのはとても大変なことです。

できれば先生に質問して理解しておくようにしたいですね。
実際、多くの先生は授業前後の時間で質問に応じてくれます。

「物怖じして先生に頼みにくい」というお子さんもたくさんいますが、わからないと気付いたら後回しにしてはいけません。
たとえばお母さんが「この問題をうまく理解していないようなのですが、少し教えてやっていただけませんか」といったメモを書いて先生に手渡させるなど、サポートしてあげるとよいでしょう。

ただ、先述のように塾の先生には授業前後に僅かな時間しかありませんから、深く理解して納得いくまで教えてもらう時間はないかもしれません。

塾の先生への質問だけで解決しそうになかったら、また別の方法も考える必要がありますね。

個別や家庭教師の利用が増えている

上記のような背景から、近年は塾と併用する形で個別指導教室や家庭教師を利用するご家庭が増えているようです。

個別指導や家庭教師であれば、お子さんの疑問や質問に答えるだけでなく、お子さんにピッタリの勉強法や宿題への取り組み方など、塾の先生とはまた違った角度から、パーソナルな助言をいただける可能性があります。

せっかく個別指導教室や家庭教師を利用するのであれば、わからない問題をただ教えてもらうだけではなく、どのように勉強すれば効果が出る可能性が高いのか、お子さんのタイプや現状に合わせたアドバイスをいただける業者、先生を選びたいものですね。

個別指導の場合、塾の先生以上にお子さんとの信頼関係が重要で、しかも結果に影響を及ぼします。

教室選び、業者選び、そして先生選びをしっかりと丁寧に行いたいですね。

受験はもちろんお子さんがするものですが、「塾に任せたらOK」ではなく、親御さんもお子さんの学習環境、勉強の様子を把握しておくことが大切です。

ぜひ担当の先生たちとコミュニケーションをとってみてください。

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