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出汁のおはなし

京ぎをん 浜作で大切にされている、「和食」について、食育の観点からお話を伺いました。

主任相談員:西村則康先生

京都の街で長年に渡り愛されてきた老舗の割烹、京ぎをん浜作のご主人、森川氏に、和食のプロという立場から、現代日本の食育、食生活について様々な話題を教えていただきました。


私は中学受験のプロ講師として様々なご家庭におじゃまする日常を過ごしています。そんな中で、日本の家庭料理やお弁当がお子さんやご家族の健康・文化に与えている影響力の大きさを痛感しています。


今日から日本料理のプロとして、そして料理教室では日本料理の指導者として活躍されている森川さんに、様々なお話をお聞かせいただこうと思います。もしかするとプロならではのレシピなども教えていただけるかもしれませんから、楽しみにお待ちください。隔週で連載いただく予定です。


出汁のおはなし

私たちが始めた「板前割烹」とは、ほぼ全てのお料理の工程を、お客様がいらっしゃってから目の前でリアルタイムにお見せし、一品一品をその都度お出しするものです。
この点において、高価な料亭などでは常識的に行われている、食材に何時間もの手間をかけて下ごしらえをしてからといったお料理ではない、ご家庭でのお料理においても実践しやすく、参考になるサービスのスタイルなのではないでしょうか。

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新鮮な材料と料理の技をお客様の目前でお見せして、召し上がっていただく「割烹」


そして今回、西村氏をはじめ多くの教育事業に携わる方とお話しする機会を得、私が常日頃思いを馳せていた「食」に対する考え方や、「食」のあり方をありのままにお伝えすることで、まさに「食育」というものの一助となれるのではないかという思いを持ちました。


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浜作三代目主人 森川裕之

では早速ではありますが、まずはお出汁について少しばかりお話しをさせていただきます。

拙著「和食の教科書 ぎをん献立帖」でも詳しくお話させていただいておりますが、私は、和食とは淡い出汁の力を借りて、素材から本来の味と旨味を引き出すものだと考えております。

つまりお出汁の特性として、あえて余白や余韻を残して最終的な解釈を食べた人に委ねる、和歌や俳句、日本画などの伝統文化の大系の中にあると思っています。

ですから、かつおや昆布の個性が主張して口に残ってしまうのではなく、例えばお吸い物を口に含まれた時に、「あぁ美味しい」と感じる感覚が大切だと思うのです。


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手間と時間を惜しまず、本格的な出汁を求めるなら、削りたてのかつお節をお使いいただくのが第一でしょう。
戦前から戦後暫くは、ご家庭でもかつお節をご家庭で削っていらしたと思います。

現在ではあらかじめ削ってパックに詰めたものが主流になっていますので、こちらでも勿論十分に美味しい出汁をとっていただけます。
インスタントの顆粒の出汁などもありますが、手軽で便利である反面、押さえつけて創りだされた強い味になってしまいます。

食育という観点で見た時、素材の本来の味と旨味を引き出して、細やかな味や季節を感じる「食」をご家庭でお子さんに知っていただこうとするなら、可能なときはやはり削り節からお出汁を取って、主張が強くならない、「あぁ、美味しい」という感覚をお子さんに知っていただくことが大切なのかなと感じております。




森川 裕之 著

¥2,520
和食の教科書 ぎをん献立帖
→アマゾンで購入する

本書は日本最初の割烹料理店である京都・ぎをん「浜作」ご主人・森川裕之さん、初めての著書です。
名店のレシピ集があまた刊行されている中で、「浜作」の料理本がこれまでなかったのは意外なほど。
森川さん入魂の本書には、長年、カウンターそして料理教室で披露してきた和食の基本の技、料理が ぎっしりとつまっています。
川端康成、河井寛次郎、中村吉右衛門など著名人たちが来店すると決まって注文した逸品や名物料理のレシピも惜しげもなく掲載、“食べものがたり"としても面白い一冊です!

【目次】
【料理心得帖1】包丁の使い方、おだしのとり方など
【料理心得帖2】煮焚きもの、焼きものなど
【料理心得帖3】蒸しもの、汁もの、ご飯ものなど
【御贔屓献立帖】川端康成、河井寛次郎、中村吉右衛門、グレース・ケリー、バーナード・リーチ、
ダイアナ妃など著名人が愛した逸品、名物料理の数々

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