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調味料のお話

食育という観点から見た、調味料の役割とは

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浜作三代目主人 森川裕之

こんにちは。
浜作の森川です。

今日は調味料のお話をさせていただければと思います。


前回もお伝えしましたが、食育という観点で見た場合、

「あぁ、美味しい」

という感覚をお子さんに知っていただくことが大切なのではないかなと考えているわけですが、この感覚は調味料をお使いになる時にも意識していただきたいことであります。


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味付けの基本は、「酒」「みりん」「酢」「薄口醤油」「濃口醤油」「塩」

私がカウンターでお味付けをする時、用意しているのは
「酒」「みりん」「酢」「薄口醤油」「濃口醤油」「塩」になります。

最近では非常に高価な調味料が店頭に並んでおりますが、
当店では良質ではありますがごくごく普通の調味料を使用しています。

おそらく皆さまのご家庭でお使いになっているものと
変わらないと思います。

というのも、あくまで調味料は料理の素材を美味しくいただくための
脇役であって、個性を主張しすぎるものは高価であったとしても
適当ではないと考えているからです。

だからといって、化学的な旨味成分を含んでいる調味料は、
お出汁の件でお話したとおり、
その一時の作られた強い味を美味しく感じたとしても
結局後味が悪くなるため、できるだけ避けたほうが良いと思います。


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塩は味付けだけではなく、素材の下ごしらえにも使用頻度の高いものであります。
精製された塩化ナトリウムは味に角が立ってしまいますし、旨味成分を加味したものは、本来の素材の持味の邪魔をしてしまいますから、普段お使いになる塩は、いわゆる粗塩が良いと思います。


また、当店では極力砂糖を使わないように努力しております。
なぜなら、「甘み」の力は強く、
他の味をかき分けてまで前へ前へと出てこようとしてしまうからです。

その点みりんは他の調味料との相性も良く、まろやかな甘味を生み出してくれます。


お酒は臭みを消す働きもしてくれますが、調味料を加えるときのクッションとしてとても便利なものです。
それぞれの調味料の過剰な個性を吸収し、京料理独特のまろやかさを生むことができます。


食育という観点で見た場合、
様々な素材の味を体験とし、知識として知っていることはとても重要だと思います。

季節による味の違いや脂の乗り方など、その時々によって同じ素材の味にも違いがあります。
塩加減にしても、凍える季節と汗ばむ季節では味付けにも差がでます。

次回は調味料の事を踏まえた上で、味付けのお話をできればと思っております。




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【料理心得帖3】蒸しもの、汁もの、ご飯ものなど
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