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幼児期から小学3年生までの時期に身につけること①値段や時間を「ユニット」として考える身体感覚

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公開: 最終更新日:2021年07月20日

中学受験をする、しないに関わらず、子供にとって幼児期から小学3年生までのあいだは、学びの土台をつくる大切な時期です。
ここでは、幼児期から小学3年生までのお子さんの親御さん向けに、今だから伸ばせる「学びの身体感覚」についてご紹介します。

一生を通じて大切な力の「土台」をつくる時期

子どもの幼児期から小学3年生までのあいだには、さまざまな力の土台がつくられますが、その多くが家庭で培われるものです。
中学受験には親のかかわり方がとても大事ですが、それ以前の時期も、親子のかかわり、家族のあり方は塾に通う前にとても重要になってきます。
一生を通して必要なコミュニケーション力、論理的に考える力、粘り強く努力する姿勢、知的好奇心といったものの、すべての「土台」をつくる大切な時期なのです。

早期教育をするべきだとか、小学校1年生の時から進学塾に行けといったことではありません。
また、早い時期から九九や漢字を覚えることや計算問題をたくさん解くことでもありません。
日常生活の中で得られる、生活知識や身体感覚を身につけておくのが、何よりも大切なのです。

この土台が、中学受験にも有利

この土台ができていると、4年生くらいから本格的に中学受験の勉強を始めたときに差が出ます。
逆に、大きくなってからこうした土台を作り直すのはかなり大変です。
そして土台のない上にどんどん高度な知識や問題演習を積み重ねても、もう一段レベルアップするときに足踏みをしてしまい、成績が下がってしまうこともあります。
小学校高学年、中学、高校と子どもの力を確実に伸ばせるかどうかは、実は幼児期から小学3年生までのあいだにかかっている、といっても過言ではありません。

おつかいに行くことで得られる算数の感覚

小学生の算数では、「数をユニットとして考えられるかどうか」がとても重要です。
1時間の半分が30分で、その半分の15分は1時間の4分の1だということが感覚的にわかるかどうか、といったことです。
これは、たとえばお母さんに「あと15分で夜ごはんだよ」と声をかけられた時や、お母さんにおつかいを頼まれたときに「あといくら残っているかな」と数えるなど、日常生活でも得られる算数の感覚です。
「算数のセンス」などと語られることも多いですが、そのような大げさなことではなく、こうやって日常から育める「感覚」こそが、算数のセンスのもとになっていきます。

10円が10個で100円になるということを感覚でわかっていたら、小学校の繰り上がり、繰り下がりの足し算引き算をするときの手助けになります。
10のカタマリが10個で100になる、ということを身体感覚ですでに経験しているからです。
こういう考え方を、幼児期のうちから遊び感覚で生活の中に取り入れてみましょう。
買い物から帰ってきたらお子さんと一緒に硬貨を数えて、50円が2つ、そしてその半分の25円が4つで100円になる、ということを自然に覚えていくのが一番いいのです。

自然に身についていく身体感覚を大切に

子どもの幼児期から小学3年生までは、あらゆる土台づくりに大切な時期です。
ご家庭でできることがたくさんあるので、ぜひ今回ご紹介した「数をユニットとして考える」身体感覚を遊びの中から子どもに伝えてあげてくださいね。

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