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なぜ復習テストはいいのに実力テストで落ちるのか。親が知らない「ミス」の真実

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公開: 最終更新日:2026年03月11日

こんにちは。
主任相談員の西村則康です。

お子さんのテストの成績がなかなか上がらない時、親御さんはどのような対応をされているでしょうか。「もっと多くの知識を与えよう」「もっと多くの問題を解かせよう」と考える方が大半かもしれません。

しかし、その方法では成績が上がることはまずありません。

なぜなら、多くの中学受験の公開テストは広範囲から出題されるため、出題される問題のすべてを網羅し、しらみつぶしに取り組むことなど不可能だからです。

テストで良い結果を残すための秘訣は、「ライバルが解けないような難問を解けること」ではありません。

真の秘訣は、「ライバルが解ける問題を確実に解けること」なのです。

テストに必要な知識を見据え、お子さんに欠けている弱点をしっかりと把握して、重点的に学習することが、成績アップへの第一歩となります。

本記事では、テストで確実に点数を出し、成績を上げるための具体的な学習方法と、テスト前後の親の適切なコミュニケーションについて詳しく解説いたします。

この記事の執筆者

西村則康近影

西村則康 名門指導会創設者

40年以上、難関中学・高校受験指導一筋のカリスマ家庭教師。
「なぜ」「だからどうなる」という思考の本質に最短で入り込む授業を実践している。受験を通じて親子の絆を強くするためのコミュニケーションをアドバイス、コーチング手法も取り入れ、親子が心底やる気になる付加価値の高い指導を行う。

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1. 実力テストで点が取れない「本当の理由」

「復習テストでは点が取れるのに、実力テストになると成績が下がってしまう」というご相談をよく受けます。

習ったことが定着していないのかと不安になるかもしれませんが、ここにはいくつかの明確な原因が隠されています。

1. 「ミス」の正体を疑う

テスト後に「ケアレスミスが多くて…」と嘆く声を聞きますが、それは本当にただのミスでしょうか。

たとえば計算ミスに見えるものの中にも、「九九の特定の段(6や7の段など)の記憶が不安定である」といった根本的な原因が隠れていることがあります。

これは単なるミスではなく記憶の不安定さゆえであるため、覚え直しをしない限り解決しません。

また、筆算に頼り切って暗算する習慣がないことによる「暗算力のなさ」も失点の大きな原因です。

計算を速く正確にするためには、「2ケタ×1ケタ(特に繰り上がりがあるもの)」の暗算練習をお父さん・お母さんが出題してあげるのが非常におすすめです。

2. 「授業ではわかっている」の落とし穴

塾から帰ってきたお子さんに「今日の授業、わかった?」と聞き、「うん、わかった」と返ってくることは多いでしょう。

しかし、一斉授業を行う塾では、担当の先生はクラス内の「標準的・平均的な学力の子」がなんとか理解できるペースで授業を進めます。

そのため、多くのお子さんは「だいたいわかった」「わかったような気がする」という状態のまま帰宅しているのが現実です。

まずは授業時間にできるだけ理解を深めるために、「正しい話の聞き方」をお子さんに伝えましょう。

  • 先生が説明を始めたら、ノートに書いている途中でも手を止めて聞くことに集中する。
  • 最初はわかりにくいと感じても、最後まで集中して聞く。
  • 先生の顔や口元、目を見て聞く(内容を理解しやすくなるため)。

3. 復習のサイクルを確立する

授業で理解したつもりでも、時間が経てば忘れてしまいます。

実力テストに出題されるのは数ヶ月後になることも多いため、記憶を定着させる工夫が必要です。

塾から帰ってきたら、まずは「今日の授業ではどんなことを習った?」と質問し、授業の内容を思い出させてください。

宿題はその場できなくても構いません。この「思い出す一手間」があるだけで、翌日の宿題演習の出来が大きく変わります。

さらに、復習テストなどで間違った問題をやり直す機会として、朝学習に「過去の問題1問」を組み込むだけでも、1ヶ月で30問の復習となり絶大な効果を発揮します。

親の言葉が合否を分ける!テスト結果との向き合い方

進学塾で行われるテストには、日常の復習テストから学校名を冠した合格判定模試、範囲のない組分けテストなど、大小さまざまな種類があります。

親御さんは、テストの種類を知り、それに応じた目標設定を行うことが不可欠です。

1. 点数至上主義という「恐ろしい病」

テストの結果が良かった時は大喜びし、悪かった時は「なんでこれしかとれないの?」と叱咤激励してしまうことはないでしょうか。

実はここに深い落とし穴があります。 幼い頃から「100点満点、えらいね!」と、点数や順位といった「結果」を中心とした評価ばかりを繰り返していると、お子さんは知らず知らずのうちに「点数至上主義」に染まってしまいます。

この病に感染すると、以下のような行動をとるようになります。

  • 「先生、説明はいいから早く答えを教えて」と、答えにのみ興味を示す。
  • 間違っていると言われることを極端に恐れる。
  • 他人が読めないような小さな字や走り書きをする。
  • 考え方の誤りを指摘されるのが嫌で、答えだけを書く。
  • 答えを手で隠したり、間違っていると思ったらすぐに消しゴムで消そうとする。
  • 先生が説明を始めたら、ノートに書いている途中でも手を止めて聞くことに集中する。

これでは、いくら机に向かっても成績は上がりません。

低学年のうちは「次はもっとがんばって!」という励ましで力技の挽回ができても、高学年になり学習量と質が上がると、その励ましが次第に「重荷」へと変わってしまいます。

2. 間違えたことは「むしろラッキー」と考える

テストで失敗したこと、成績が悪かったことを一番よくわかり、ショックを受け、反省しているのはお子さん自身です。

そこに親が追い討ちをかけるような文句を言えば、傷口に塩を塗り込むのと同じです。

考え方を180度変えてみましょう。ご自身はテストの点が悪いことをマイナスだと捉えていませんか? 実はまったくの逆で、「間違えたことはむしろラッキー」なのです。

正解した問題は復習のチャンスを逃してそのまま通り過ぎてしまいますが、間違えた箇所は当然復習します。

つまり、「本番で同じ問題が出れば得点できる(合格へ一歩近づいた)」ということなのです。

成績を飛躍させる「テスト直し」の極意

テストで最も重要なのは、返却された後の「テストの使い方(間違い直し)」です。

組分けテストや実力テストのような「範囲のないテスト」は、対策が難しい反面、お子さんの弱点や課題を洗い出す最高のツールになります。

1. 直すべき問題を「正答率」で選別する

テスト直しにおいて、むやみに全問を解き直すのは非効率です。まずは直すべき問題を見極めましょう。

基準となる計算式は以下の通りです。

「100 - お子さんの偏差値 = 目安となる正答率(%)」

たとえば偏差値55のお子さんであれば、「100 – 55 = 45」となり、正答率が45%よりも高い問題に絞って直しを行います。

あまりに正答率が低い(難しすぎる)問題に労力をかけるより、あと少しでできそうな問題に力を入れるのが、学力をつける近道です

2. 原因を具体的に追求し、「思考の痕跡」を活用する

間違えた問題を直す際、「やる気がない」「集中していない」といった精神論的結論に逃げてはいけません。

目的は 「お子さんがテスト中に正解させられる問題を増やしていくこと」です。

お子さんに「どうして間違えたの!?」と責めるのではなく、 「どうすれば正解できそう?」と問いかけてください。

そして、問題を解くプロセスのどこで間違えたのかを冷静に分析します

その分析を可能にする絶対条件が、テスト用紙に「思考の痕跡」を残すことです。

国語なら問題文や本文への線引き・消去の跡、算数や理科なら考え方や筆算などの補助計算を書き残す習慣をつけましょう。

答えしか書かれていない答案では、結局全問を初めから解き直すしかなく、忙しい受験生にとって時間の無駄になります。

「思考の痕跡」があれば、間違った問題に対して以下の3つの対応を使い分けることができます。

  • (A) もう一度解き直す → 解法知識や技術の抜け・漏れを修復する
  • (B) 間違った箇所をお子さん自身が探し出す → ケアレスミスを減らす
  • (C) 手をつけるべき問題であったか検討する → 限られたテスト時間を有効に使う「眼力」を養う

※なお、お子さんが考え方を書かない・書けない場合、(A)書く技量がない、(B)誤りを注意されるのが嫌、(C)指のスタミナがない、(D)問題が難しすぎる、の4つの原因が考えられます。

お子さんをむやみに傷つけず、原因を冷静に見極めることが大切です。

3. 「間違った問題を直すだけ」から一歩進んだ学習へ

テスト直しを単なる「間違えた問題の解き直し」で終わらせず、「間違った分野全体の復習」へと昇華させましょう。

たとえば、理科でアサガオの光合成に関する問題を間違えたなら、その問題の直しに加えて、塾のテキストで光合成に関する他の問題を解いたり、植物の蒸散についても確認したりと、関連テーマの学習を深掘りします。

テストに出題された問題はあくまで「一例」にすぎません。

別の切り口で出題されても解けるように、テストの直しに加えて「+1テーマ」の学習を習慣づければ、着実に実力テストに強い学力が身につきます。

おわりに

テストは、優先度の高い学習は何かをはっきりさせ、自分の弱点を自ら診断して対策を講じるための「最高のツール」です。

「取り組んだ分だけテストで成果が上がるという確信」をお子さんに持たせてあげること、そして結果に一喜一憂せず、冷静に「思考の痕跡」をたどって次へのステップを導き出すこと。

これらを実践することで、必ず成績アップへの道は開けていきます。

ぜひ本記事の内容を参考に、次回のテストからお子さんとの関わり方や復習のサイクルを見直してみてください。

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