中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

塾の成績を上げて合格を勝ち取る!中学受験の勉強法

中学受験は、難関校になればなるほどライバルが多く、対策もむずかしくなります。
しかし、正しい方法で勉強すれば合格がぐっと近づいてきます。
今回の記事では、塾で出される宿題のこなし方や科目別の受験対策など、中学受験の塾の成績を上げ合格を勝ち取るための「勉強法」について解説します。

勉強法は塾によって異なる

塾によって勉強のしかたは違う

中学受験に欠かせないのが塾通いです。
首都圏の上位校合格者の大半が、サピックス、日能研、四谷大塚、早稲田アカデミーなど、大手中学受験塾の生徒です。
こうした塾では、毎週大量の宿題が出されます。
それも、深夜まで勉強したとしても終わらないくらいの量ですので、大変だと感じているご家庭も多いでしょう。
そんな塾の宿題をいかにこなすべきか、ここでは例として「サピックス」と「日能研」に絞って解説します。
サピックスの場合、毎週行われる「デイリーチェック」(復習テスト)に向けてテキストの問題を全部解くことが宿題とされています。
テストで良い成績をおさめるためには全ての問題を解く必要がありますが、まず不可能でしょう。
対策として、まずは、授業で扱われた問題だけは解かせましょう。先生が授業でわざわざ解説するのは、受験によく出る重要な問題だからです。
また、先生が指定した補助教材やプリント内の問題も、できるだけ解けるようにしておきましょう。
次に、日能研では、授業用のテキストとは別に宿題用の「栄冠への道」というテキストがあります。

サピックスと同じく定期的に復習テスト(カリキュラムテスト)が行われるので、そのテストで良い成績をおさめるには、全問題をこなす必要があります。
しかし、現実的にすべての問題に取り組むのはむずかしいでしょう。
そこで、まずは授業中に先生が「重要」「試験によく出る」などと言った問題、類似の問題を探して優先的に解くように子どもに伝えましょう。
また、補助プリントが配布された場合は、何度も目を通すようにしてください。
このように、お子さんを通わせる塾のカリキュラムや仕組みに応じて勉強のしかたは変わってきます。効率的に勉強を進めるためには、それぞれの塾のカリキュラムや進め方をしっかりと把握することが必要です。
それぞれの塾に合わせた勉強法を詳しく知りたい方は、こちらのメルマガで見ることができます。

中学受験 科目別勉強法

科目ごとの出題傾向により対策を立てた勉強方法を

全科目の勉強法については「プロが教える科目別勉強のしかた11のポイント」という記事で詳しく説明しています。
ここでは、それぞれの科目の勉強法をお伝えします。

科目別勉強法 算数

算数は、難関校の中にはスピード勝負となる学校があります。女子御三家の女子学院などが代表例です。時として複雑な計算を早く正確にこなす必要があり、凡ミスによる失点はできる限り防がなければなりません。

このような学校を目指す場合、塾の宿題など普段の勉強で、時間を計って取り組む癖をつけさせましょう。

時間を計るのにはもうひとつのメリットがあります。
中学受験の算数では、単純計算の問題だけでなく、文章題が多く出ます。
紛らわしい書き方をした文章題もあるので、重要な指示を読み落とさないための注意力をつけるためにも、限られた時間の中でも問題文を読み取れるように練習しておきましょう。
5年生になって算数の成績が下がったお子さんには、共通点があります。詳しくは「算数が苦手な子の勉強法」をお読みください。
また、「算数の成績を上げる最速の方法とは?」の記事では、算数の勉強ですぐに実践できる方法をお伝えしていますので合わせて読んでいただけたらと思います。

科目別勉強法 国語

国語は、文章読解が基本です。
塾のテキストを中心にたくさんの文章を読み、出題者が答えさせたいことを正確に読み取る力をつけることが重要です。
それに加えて、実際に記述問題で点を重ねていくためには、読み取った内容を自分の言葉で表現する力を付けなければなりません。

塾のテキストをこなすだけでなく、補助教材等に載っている単語集で語彙力を伸ばしていくことが大切です。
受験する学校によっては、言葉の意味や漢字の書き取りを多く出題する場合もあるので、漢字と語彙の勉強は毎日させるのが望ましいでしょう。
国語の勉強法の4つのポイントについて詳しく知りたい方は「国語の苦手を克服!中学受験で国語偏差値をアップさせる勉強方法」を読んでみてください。また、「中学受験 国語の記述力の伸ばし方」では、記述力をつけるために、日常生活の中でできることについてお伝えしています。

科目別勉強法 理科

理科は、学校によって様々な形式の問題が出題されます。
選択問題だけでなく、学校の教科書に出てくる重要な用語を書かせる問題や、計算問題・記述問題も多く出ます。

普段から塾のテキストや授業ノートに何度も目を通し、重要な法則・公式を自分のことばで説明できるまで正確に暗記させることが大切です。
計算問題に関しては、算数と同じく計算ミスが命取りになるので、定期的に時間を計って解くようにしましょう。
理科の学習方法は「中学受験での理科の勉強法 問題傾向や暗記物の覚え方を公開!」を読んでいただくと、コツがつかめると思います。また、理科の家庭学習については「家庭学習でじっくりと理科の素養を育む」で詳しくご説明しています。

科目別勉強法 社会

社会は大きく分けて、地理・歴史・公民の3分野に分かれますが、どの分野でも重要な用語を暗記しているかだけでなく、つながりや流れを理解しているかを試す問題が多く出ます。
また、引っ掛けを含んだ選択問題や記述問題も多く出題されます。

社会に限らず近年の難関校の入試では、何が原因で何が起こるといった因果関係を正確に把握することが求められています。
塾のテキストや補助教材をただ眺めるだけでなく、自分のことばで説明できるよう、ノートに書くなどして覚えましょう。
具体的な勉強法については、「中学受験 社会の勉強法」で解説しています。地理・歴史・公民それぞれの勉強法については、「身につく社会の勉強法」をお読みいただけたらと思います。

学習計画を立てることが大切

中学受験の学習は、限られた時間でそれぞれの科目の広範囲にわたる内容を網羅していかなければなりません。
塾の宿題も大量に出されますし、学年が上がると難易度も上がります。すべてを完璧にこなすことは無理ですので、優先順位を決めて学習の取捨選択をすることが大切です。
学習計画の立て方については、「合格のための学習計画の立て方と1日のタイムスケジュールについて」という記事で詳しくご説明していますので、よかったら参考にしてください。お子さんが、できるだけストレスなく毎日の勉強に取り組めるためのコツについてお伝えしています。
中学受験では、学習計画もそうですが、そのスケジュール管理も親がサポートできることのひとつです。特に通塾しながら学習を進めていくうえでは、週間スケジュールをしっかりと立てることが重要になります。
塾の授業スケジュールが決まる学期の始まりに3つの優先事項を決め、それを元に週間スケジュールを管理すると、生活リズムを崩さず効率よく学習を進めることができます。「親のサポートで気をつけるべき10のポイントとは」の記事内で具体的な方法をお伝えしていますのでご確認いただけたらと思います。

中学受験 学年別勉強法

次に、学年別の勉強法についてご説明します。
こちらのページでも詳しく説明しておりますのでぜひ参考になさってください。学年別の勉強法
中学受験の勉強は、ほとんどの塾で4年生からカリキュラムがスタートし、学年を重ねるごとにそのボリュームも内容も変化していきます。効率的に学習を進めるためには、各学年でどのような学習をしたらいいのでしょうか。

学年別勉強法 低学年

中学受験の大手塾では低学年向けに講座を用意していますが、基本的にはこの時期から塾に通わせるは必須ではありません。
こういった講座の多くが中学受験の勉強につながるものではないからです。
逆に、早期から塾通いや英才教育をすることによる弊害もあるので、慎重に判断していただきたいと思います。

それよりも、鉛筆の正しい持ち方や、学習するときの姿勢など基本的なことを身につけるようにしましょう。
また、低学年のうちから「音読」の習慣をつけておくと国語以外の教科でも役に立ちます。音読の積み重ねが国語力につながり、中学受験の算数の文章問題や、理科や社会の長文問題の読み解きに差がつくでしょう。

本格的な中学受験の学習が始まって忙しくなってしまう前に、宿題にじっくり取り組む習慣をつけるのもいいですね。特に、夏休みは「読書感想文」や「自由研究」を通して子どもの文章力や好奇心を育む貴重な機会です。
低学年のお子さんの勉強についての具体的な方法については「低学年のうちにやっておきたい11のこと」で説明しているので、よろしければこちらの記事でご確認ください。

学年別勉強法 4年生

中学受験の塾での学習カリキュラムは、4年生(3年生の2月)から始まります。
4年生は、学習習慣をつける大切な時期。通塾も週に2回、宿題もまだそれほど大量ではないので、今のうちにできることはしっかり取り組んでおきましょう。「中学受験 4年生の勉強が大切な理由」で詳しく説明しています。

塾以外の時間をどう使うかも大切です。
帰宅してからの「復習」をすることで、塾で習った知識を定着させましょう。この習慣をつけておくと、5年生以降の応用力を求められる勉強の基礎が固まります。

注意したいのが、復習や塾の宿題などで何度も同じ問題を解かせること。一見、理解が深まるように見えますが、例えば算数なら問題の解き方の「式」を暗記してしまい、数字や問題文が変わると解けなくなってしまいます。
それよりも、「なぜこの問題でこの解き方をするのか」を考える習慣をつけることが大切です。親御さんが「どうしてこの解き方をするの?」と声をかけてあげてもいいですし、お子さんに先生になってもらって親が生徒になる「家庭内ミニ授業」で解説させると、より理解が深まるでしょう。

4年生のうちに、中学受験の勉強の基礎となるスタイルを確立しておきましょう。

学年別勉強法 5年生

5年生になると、塾の時間も宿題も増え、中学受験の本格的な勉強が始まります。
基礎力をしっかりつけ、志望校を絞り込んでいく大切な時期。4年生までに身につけた家庭学習の習慣をより確実にしましょう。
塾のある日は復習、塾のない日は塾の宿題に取り組むなど、1週間の学習サイクルをうまく回していく必要があります。

また、5年生になると、解き方や手順などの組み合わせが異なる問題が増え、より応用力が求められます。何を求められている問題なのかを読み取る訓練を積み重ねていくことが大切です。
苦手科目や単元を克服するのは、5年生が最後のチャンス。6年生になると、どうして苦手なのか、なにがわからないのかをじっくり考える本質的な学習をする時間はありません。
5年生のうちに苦手科目・単元を洗い出し、克服しておきましょう。

5年生の科目別の具体的な勉強法は「学習が本格化していく5年生。塾のカリキュラムと家庭学習」で解説しています。目を通しておくとよいでしょう。

学年別勉強法 6年生

いよいよ本格的な受験対策がスタートする6年生では、塾も忙しくなり、週末や長期休暇も学習時間が長くなります。
塾の宿題も大量に出されるので、多くのお子さんがそれをこなすだけで精一杯になってしまいます。宿題を全部、完璧にこなそうとはせず、ある程度の取捨選択が必要です。超難問に長い時間を使ったり、易しく解ける問題を何度も繰り返さないように、「もう少しがんばれば解けそう」という問題を優先させましょう。

9月以降、志望校が決まると、より取捨選択をすることが必要になってきます。学校によって出ないパターンの問題や必ず出される問題などがあるので、しっかり対策を練って学習計画を立ててください。
宿題の取捨選択や学習計画がどうしても不安な場合は、この時期だけでも家庭教師や個別指導を導入することもひとつの方法です。この記事でも詳しく説明していますので、ご参考になればと思います。「塾と併用で家庭教師とつけるメリットとデメリットとは」

6年生になると、復習テストや合否判定などテストも増えます。毎回のテストの対策や結果に惑わされることなく、優先度の高い学習をコツコツこなしていきましょう。

親御さんができるサポートとしては、お子さんの学習計画を見守ることです。
塾のある日もない日も安定した生活リズムを意識しましょう。特に睡眠時間の確保は勉強を進めていく上でも大事ですので、しっかり身体を休ませてあげるようにしてください。

工夫を取り入れて効率的な勉強法を


宿題の取捨選択と優先順位を決めて取り組む

ここまで、中学受験で合格を勝ち取るための勉強法を説明してきました。
どの科目、どの学年でも、塾から出される宿題を中心に、必要な問題を取捨選択して上手に乗り切ることが大切です。宿題をうまくこなすコツは、優先順位をつけることです。
塾によって対策方法が異なるので、詳しく知りたい方はこちらのメルマガのご購読をおすすめします。塾別・学年別の学習ポイントを知ることができます。
お子さんが第一志望の中学校に合格できるよう、ご家庭でも上手にサポートをしてあげてくださいね。

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