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中学受験 身につく社会の勉強法

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公開: 最終更新日:2021年07月26日

「社会の勉強法がわからない」「暗記がなかなかできなくて・・・」そんなご相談がよくあります。
ここでは、中学受験の社会について考えてみたいと思います。

地理の学習のしかた

まず最初は地理についてです。

地理と言えば「日本地図を覚える」「各地の特産品を覚える」など、【暗記の分野】というイメージが強いですし、暗記に時間をかける「暗記型」勉強の受験生が多いのも事実です。
確かに空き時間に暗記をしているだけで勉強したという充実感を得られますし、大切なことではあると思います。

しかし、ひたすら覚えるだけでは効率的な勉強法とはいえません。
受験では、単純な知識を問われることは少なく、むしろ知識があること前提で思考力を試す問題を出題されます。

そこで、暗記したことに理由付けしてみてはどうでしょうか。
例えば農業の単元で「みかんの収穫量で1位は和歌山県、2位は愛媛県、3位は静岡県」ということを勉強したとします。
そこで「なぜその県でみかんが盛んに収穫されているか」を考えてみましょう。

理科的に考えてみると「温暖な地域で育てやすいから」「日照時間が長い環境を好む植物だから」「降水量が多すぎるとよくないから」などの理由が考えられます。このように理由付けをすることによって各県の気候や特徴を覚えることができるだけでなく、他の問題を解くときの判断材料として利用できます。
この判断材料こそが思考力を養う肥料になるのです。

歴史の学習のしかた

次に歴史の勉強法についてです。

歴史の勉強で「難しい人名」「昔の制度」「年号」などの聞きなれない言葉を覚えるのが大変だったという体験をされた方も多くいらっしゃると思います。
また、ゴロ合わせを考えて無理やり覚えた方も少なくないと思います。
確かに意識的に覚えようとしないとなかなか頭に入ってはくれません。歴史は【暗記の分野】だと腹をくくった方が成績が伸びることはよくあります。

しかし、ただ覚えるだけでは小学生にとって退屈ですし、忘れやすいものです。
そこでお勧めする勉強法は「出来事の因果関係をたどり、時間の流れにそって覚えていく」というものです。
歴史は因果関係のある出来事の連鎖であり、断片的な出来事が歴史となることはありません。従って、「いつ誰がどこで何をした」と覚えることよりも「何が原因で、いつだれがどこで何をした、だからこうなった」という覚え方の方が自然に頭に入りやすく、また忘れた場合でもつながっている出来事からたどっていくことで思い出せるというメリットもあります。

学校や塾の先生に歴史の流れを解説してもらうと、物語を聞いているようで小学生でも歴史を楽しいと感じることができるのと同じです。

公民の学習のしかた

最後に公民の勉強法についてです。

公民こそ日常に直結した分野であり、生活内でもニュースや新聞などで触れる機会は多くあると思います。
しかし、多くの小学生にとってはまだ関心のない分野です。
また、普段使わない漢字が並んだ難しい単語を暗記しなければならず、意味も難しいものばかりなので小学生にとって苦手意識が生まれやすい分野であることは間違いないところです。
一人で参考書を読んだり問題集をやっても理解することが難しく、なかなか覚えられず、また苦手意識が高まるという悪循環に陥ってしまいがちです。

では、公民が得意な子はどのような勉強をしているのでしょうか。
公民が得意な子に最近の政治的な出来事について尋ねると、自分の考えをしっかりと話してくれます。
もちろん、習いたての公民の知識を使って考えているのです。
この「知識を身近な事柄に反映させる」という考え方が公民の得意・不得意の分かれ道であると考えられます。

難しい内容を「身近な事柄と同じだ」と気付くことによって公民に対する苦手意識が薄れ、またその学習過程で試験問題の中でも差がつくであろう記述問題をしっかりと解答できるような応用力が身につくようになります。

 

社会の勉強法について、3つの分野に分けて述べてきましたが、共通して言えることは「単に暗記をすることは非常に効率の悪い勉強法である」ということです。また、同じ社会という科目でも分野によって暗記のコツは違います。
少し学習に工夫を加えてみてはいかがでしょうか。

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