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中学受験 4年生の勉強が大切な理由

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更新: 2017年06月13日 公開:

中学受験情報局の主任相談員、西村則康先生は著書の中で「中学受験の勉強は4年生(3年生の2月)から始めるのがよい」と仰っています。

4年生の学習は、3年間の受験勉強の中でどのような意味を持つのでしょうか?

勉強の習慣をつけ、5年生からの本格的な勉強に備える

まず第1に、学習習慣をつくるのが4年生の時期だということです。学校の勉強と中学受験の勉強は大きく違います。学校では詳しく習わないような文章題や数の性質、場合の数の問題など、特に算数は違いが顕著です。

だから学校の宿題以外に、塾の復習、宿題をやる時間が一定時間必要です。その習慣をつくらなければならないのです。

4年生の間は、塾に通う日数も少なく、週に2日程度。塾から宿題も出ますが、その量もそう多くはありません。だから塾を日常生活に組み込みやすいのです。塾に行くのも、塾の宿題をやるのも当たり前、という状態に慣れるのが4年生の時期です。

時間に余裕があるからやればいいこと、やってはいけないこと

4年生の間は通塾も週2回、宿題も少なく楽だとお伝えしました。確かにそうなのですが、時間に余裕があるから「よかれ」と思ってやったことが後になって「こんなはずじゃなかった」となることもあります。

それは、塾の宿題を何回も解き直しさせること。繰り返してやれば、子どもは問題の解き方を覚えてしまいます。解き方を覚えることの何が悪いの?と思われる方もいるかもしれませんが、極端な場合「式」を覚えてしまうような勉強になってしまうのです。

「つるかめ算はかけて、ひいて、わる」みたいな覚え方をしてしまうということです。それでとりあえず「来週の復習テスト」では点が取れるからです。「この単元はもうできるようになった。テストに出ても大丈夫」とお母さんが思っていると、習ってから1ヶ月、2ヶ月たったときの実力テストで間違っている、ということが起こり始めます。

5年生になるともっとテストが難しくなり、さらに顕著にこの症状が出ます。そうならないよう、塾の宿題を何度も解き直すことに時間と労力を費やすことはやめましょう。

では、余裕がある家庭学習の時間を何に使えばいいのか。

その「余裕」の時間でやらなければならないことは「考える」ということです。

算数の問題なら「この問題をこうやって解くのはどうしてだっけ?」ということを意識しながら学習するということです。「AさんはBさんよりも50円多く持っている。2人の持っている金額をくらべるのだから、上下に2本線分図を並べて書くと違いがわかりやすい」ということをつねに意識するのです。

これにはお父さん、お母さんの声かけが必要です。やるべきことは難しくありません。「どうしてそうやって考えるの?」という質問をお子さんにしてあげるだけです。西村先生が提唱する「家庭内ミニ授業」を試してみてもいいですね。お子さんが先生となってお父さん、お母さんに「今日塾で習ってきたこと」を教えてあげるというものです。

誰かに教えようとすると、「どうしてそうやって解くのか」を理解していないとできません。「この解き方をまる覚えしてください。」では教えたことにはならないからです。

理科社会は単なる「暗記科目」ではない

理科や社会は「暗記=ただただ覚えるだけ」と思われがちですが、覚えるにしても「まる覚え」と「ちゃんと考えて覚える」ことの間には大きな差があります。たとえば「片栗粉」という食物がありますが、「カタクリ」という植物の名前を聞けば「この2つには何かの関係があるな」と4年生の子どもも思います。

実際、四谷大塚の「予習シリーズ理科 4年」には、まだ葉が茂らない春先の森林にカタクリが花を咲かせる、という話題が出てきます。

「これってお料理に使う片栗粉と関係があるのかな?」とお子さんに話題を振ってあげましょう。実際に片栗粉のパッケージで表示を確認してもいいですね。

・・・すると「ばれいしょでん粉」と書いてある。

「あれ?カタクリは関係ないの?」となれば調べてみる。実はもともとカタクリの根茎からとっていた「片栗粉(でん粉)」ですが、北海道が開拓されて馬鈴薯の栽培が推奨され、安価な馬鈴薯でん粉が出荷されるようになると、これに置き換わったのです。明治時代以降の話です。

「馬鈴薯って何?」といった展開になるかもしれませんね。疑問は興味への第一歩。どんどん学びが深まります。

こうやって覚えると、いろんなことをつなげ、点ではなく面で記憶するので、よりお子さんの記憶に残るのです。

このように、4年生の勉強は、中学受験3年間の中で「勉強の基本となるスタイル」を身につける時期です。「なぜそうなのか考える」「点ではなく面で覚える」こういったことができるお子さんは、高学年になっても「勉強疲れ」になりにくいのです。

ぜひ意識して日常の中にとり入れてください。

この記事を書いた人
主任相談員 辻 義夫主任相談員 辻 義夫
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