中学受験情報局『かしこい塾の使い方』

中学受験で挫折しない 正しい学習のしかた 学年別に徹底対談

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公開: 最終更新日:2024年12月05日

中学受験では4年生からはじめて3年間、びっしりと勉強をしていく中で、挫折を感じるお子さん、親御さんが多くいらっしゃいます。挫折にも「今まで偏差値60を取れていたのに最近50くらいになってしまっている」という挫折から、「もう中学受験をやめてしまったほうがいいのではないかと思っている」といった挫折まで、たくさんの挫折があります。

今回はこの「挫折」をしてしまう原因やそうならないための対策、また、どのようにその挫折を受け止めるのかということについて、中学受験情報局の主任相談員である西村則康先生と辻義夫先生に聞いてきました。

この中学受験の挫折について、本編でも少し紹介致しますが、「中学受験で勝てる子の育て方」という本にて、少し触れており、その対策も含めた親御さんが中学受験を進めるうえで持っておくべき知識や、それぞれの学年のロードマップ、嫌いな科目別の対策についてを書いております。是非合わせてご覧いただければと思います。


中学受験を目指して勉強を始めたけれど、うまくいかなくって、「うちにはやっぱり無理かな」とか「高校受験の方がいいのでは?」というような、理由は様々だと思うんですけれど、途中で挫折されるご家庭について、ちょっと学年別に考えていきたいと思います。

4年生で受験をちょっともうやめようとか挫折した、あるいは、そういうご家庭について何か西村先生の中で事例や、このような例が多いということはありますか?

4年生で受験ストップっていう方は実はそう多くないんですよね。どちらかというと4年生というのはその挫折しちゃう原因を作ってしまう時期であるという風に見たほうが良いです。

将来挫折の元になる原因が4年生の頃にできていくっていうことですね。例えばどんなことでしょうか?

まず、最初からあまりにも高い目標を持ちすぎるという方の場合にそうなることがあります。例えば、入塾の場合に最上位クラスでないといけない、とか。目指すんだったら最上位を目指さなければいけないとかです。

こういう風なことを「親御さんが考えるのはいい」んです。それをお子さんに強制することによってお子さんが萎縮してしまう、もしくは、そんなん僕無理だよっていう気持ちで勉強をしてしまうという風なことが4年生あたりで挫折する1番大きな原因という風に感じますね。

あれですよね。志望校、もちろんお子さんが僕どこどこの学校行きたいっていう風に始まることもあれば、よく西村先生もおっしゃってると思うんですけど、「子供任せではなかなか中学受験なんて始まらない。ご家庭の方針じゃないと」っていうのが多くの方の意見でもあるじゃないですか。なので、ご家庭の方針として、じゃあ「中学受験始めよう。やってみる。」っていう風にお子さんに意見、お子さんの気持ちをそっちに向けさして始まるってことは結構あると思うんです。

その際に「こんな学校があるよ」とか「こんな学校こんなクラブがあって楽しいらしいよ」とか「キャンパスもこんなに広くてすごく学校生活楽しいらしいよ」って、その辺りはいいとしてもおっしゃったように「もう◯◯中学校じゃないと意味がないんだからね」みたいな、そういう最初に高いハードルを課して、それに近づいていかないとお子さんとしてもなかなか親御さんに認めてもらえないっていう状況が2年3年続くと苦しいってことですよね。

そうなんですよね。あとは基礎学力の問題も実はありますね。4年生から始まる本格的な受験勉強の前に「本当に計算力ちゃんと身につけたの」、もしくは、「漢字の学習の仕方ちゃんとしてる」っていう、そういう本当に基本的な事柄が意外に大きい。

そうですよね。漢字とか、言葉とか、計算の部分っていうのは、ある程度学校で教えてもらうってのはもちろんそうですけども、先取りというか、どんどん進もうと思えば進めますよね。ご家庭の方でも。

そうですね。計算はそうですよね。

で、言葉に関しても別にドリルでガリガリっていう風なことではなくても、言葉の勉強とか知識ってのは、結構会話の中でとか培っていける部分ってあるじゃないですか。

そうなんですよね。だから本当にね家庭の中で会話があるかないか、これ大きいんですよね。子供が気楽にお父さんお母さんにしゃべることができるかどうか。なんか間違ったことを言うと叱られるんじゃないか、みたいな感じで家の中でも萎縮してる子っていうのは肩の力を抜かせてあげないと、なかなか続かないっていうことはありますね。

そうですよね。そういった意味では別にその入塾、つまり、受験勉強が始まる4年生の前から、そのガリガリと何か塾に行かせたりとか、習い事させたりしてやらせるっていうわけではなくて、例えば、学校の勉強よりも進んだ次の学年の教科書準拠のテストであるとか、ドリルであるとか、そういったものを使って少しだけ先取りをしておくぐらいの感じの勉強で、入り口に立っていただくぐらいが無理がない感じですかね。

そうなんですよ。先取り勉強は、「本当に避けて欲しい」んですよね。でも、先取りできる部分というのは本当に「計算と漢字」なんですよ。というか、そこだけは、ちょっとやっていて欲しいんです。

というのは、計算で言いますと、(塾では)4年生の夏休みに分数なんかをやるところ多いんです。実は、それで小学生の計算範囲終わりになっちゃうんですよ。

つまり通常の小学校のカリキュラムで言うと6年生でやることを、なんと4年生の夏休みに終わってしまうというこのスピードですよ。

で、そのスピードについていけないと、後々困ることになるので、計算だけは先取りしておいてほしい。でも、それ以外の文章題なんかはあまり先取りして欲しくないっていうこのさじ加減を覚えておいていただきたいですよね。

そうですよね。あとは必ず入塾テストでもそうですし、塾に入ってからのテストでも絶対出るのは単位ですよね。

これ学校では、例えば、重さの単位とか、かさの単位を1回習います。ですが、その後も出てくるけど、算数の文章問題の中でちょっと出てきたりとかそういったぐらいなんです。

中学受験の勉強では、ことあるごとに単位の問題が出てきます。単位を換算したりとか、g(グラム)とkg(キログラム)の混ざったものを足し算引き算したり、時間の計算をしたりっていうのは必ずテストの度に出てきます。

っていうことは、学校の勉強に比べても普段の文章題とかに取り組む中でそういう単位の換算の部分が非常に対応が必要とされますよね。

なので、この辺り(単位)を使う習慣をつけておいていただくといいですよね。

そうですね。で、あともう1つ言うと決まった時間に決まった量、ほんのわずかでいいんですけど、決まった時間に決まったことをちゃんとルーティーンとし、て当たり前のこととして、勉強を始めることができる。30分でもいいんです。小1あたりだったらもう10分ずつでもいいんですよね。

この時間になったら勉強するっていう、そういう習慣がついてると、ものすごく強い。

そうですよね。で、小4で塾が始まったとして、4年生の塾のカリキュラムというか、負担自体も普通に過ごすだけだったらそんなに多くないんですよね。塾も週2回だし、2時間ずつです。で、4科目あるとしても、学校の勉強にプラスになるとしても、そんなに1日中勉強してなくても大丈夫っっていう量だと思うんです。

けれど、ただその中でもやっぱり4年生のうちにというか、4年生の学年の中で、「ちょっともう勉強が回りません。」とか「成績上がりません」っていうお悩みって我々のとこにも来るじゃないですか。

こういったご家庭ってのは何が起こってるんですかね?ご家庭の中で。

学習イメージの勘違いだろうなと思うんですよね。お父さん、お母さんの学習のイメージの中心って、多分大学受験なんですよね。

で、大学受験での成功体験って大体、頑張って勉強したから合格できた。これは当たり前なんですが、頑張って勉強しないといけないんですけど。その頑張り方が覚えようという意識で頑張られた方々が本当に多い。

数学なんかにしても、何か数学の問題集1冊繰り返しやって、一問残らず解けるようにした。という、「この問題ははこう解く」という風な暗記、もしくは、英語の暗記、社会の暗記。

なんていう風なことをなされてきて、そういう頑張りをしたから、私はいい大学に合格できたっていう風に思われてる方が多い。

それをそのまま小学生、小学校低学年の学習にあてはめようとしてしまうことが、意外にあるんですね。

だから、算数の問題についてのご相談なんかにしても、「うちの子すぐに忘れてしまうんです。どうしたら覚えるでしょうか?」っていう風なご質問がある。で、そういうご質問を聞いた時にちょっともしかしたら勘違いがあるのかもって思ったりするんですね。

算数のポイントというのは、確かに最終的にはお子さんなりのカテゴリー分けで覚えておけるっていうのが理想なんですけど、じゃあそのお子さんなりのカテゴリーに入れるために何が必要かというと、お子さんなりの納得なんですよね。

算数の文章題にしても情景を思い浮かべてほしいんです。公園に鳩さんが三羽やってきましたって書いてあったら、その公園を情景を思い描いて、そこに可愛い鳩さんが三羽やってきた情景を頭の中に思い描いてほしいんです。

そういう中で納得感を高めて、その結果自然に覚えちゃった。これが勉強の理想系だと思うんです。小学生の場合にはそこを目指していただきたいんですね。

そうですよね。先ほどお父様、お母様方の大学受験という話が出てきたと思うんですけども、大学受験の勉強っていうと、もう高校生じゃないですか。で、お父様お母様もその高校時代までに学習経験を積んできてると思うんですよね。

で、勉強って知識を得ていって、使える知識にしていくっていうのは、あらかじめ持ってる知識にあることが加わって繋がっていくっていうことじゃないですか。で、そのバックボーンがないと繋がりようがないですよね。

例えば(算数ではありませんが)、映像で黒い服を着た人たちが集まっていてちょっと悲しげな顔をしている、というような集まりのシーンを映像で見た時に、我々はバックボーンがあるので「これはお葬式のシーンだろうか」っていう風に、「どなたかがなくなったんだろうか」っていう風に想像できるわけですけど、これも「お葬式というのは黒い服を着て皆さんが集まる」っていうこの前もった知識があるからそうやって繋げられるわけじゃないですか。

で、「こういった知識がついた状態で勉強をガンガンやってらっしゃった記憶」と、「今、受験勉強始めたばっかりで{もうちょっと前からやってるでしょうけども)、算数始めてまだ3年しか経ってないお子さん」と同じように考えると、なかなかその全く前もった知識のないところに、先ほどのような全く分からない映像が流れてきて見せられるっていうようなことがどんどん起こってしまう。

そうすると、もうやみくもに覚えるしかないってことが起こってきて、お子さんも親子さんも、親子さんは親子さんで「どうしてこんなに習ったのに繋がっていかないんだろうか」ってお悩みになるし、お子さんはお子さんで「どうしてこんなに見たことも聞いたこともないものを次々与えられて、他の子たちはどんどんできていくように見えるのに、(僕はできないのは)どうしてなんだろう」みたいなギャップがやっぱ一番見えずに起こってきてしまう。

気づかずに過ごしていくと、やっぱり一番苦しいと思うんですよね。ですので、是非、僕もよく言うんですけど、1番のクラスで4年生から6年生までずっと行くと理想的といえば理想的なんですけども、4年生のうちって、そんなに、クラス、成績をあんまりガンガン親が気にして「頑張んなさい。頑張んなさい」っていう風なこと言わなくても大丈夫ですよね。

そうなんですよね。成績推移をグラフにされるのはいい。エクセルを使ってグラフ化されてる方多いですけど。

で、それを短期間のものとして見ない。

1回上がると次下がるのが普通、で、また下がれば次ちょっと上がったりするのも普通。どうしてものこぎりの波状になるんですよね。

で、大雑把に見て右上がりかなっていう風なグラフになるんだったら、それでOK。1回で偏差値が10点上下するよくあることなんですよね。遠く離れてそのグラフを見て大体右上がりっていう風な形で十分だっていう風に思ってほしいですね。

じゃあ今度は4年生を無事過ごしてきたとして、(無事と言いますか成績的には無事過ごしてきたけども)5年生になってつまづくっていう例は4年生よりもはるかに多いと思うんです。この方の典型的な挫折の状況っていうのはどんな感じですか?

身も蓋もないって言われるかもしれませんけど、4年生の成功体験が5年生の失敗の
原因になることが多いんですよね。

何かと言いますと、4年生の頃というのは、週2回の授業、中には週1回の事業の塾もあります。とすると、そんなに無理しなくても勉強できる。

で、どうするかとなると塾で習った問題を何度も覚えさせる。1週間に5回も6回も繰り返して覚えさせることが可能であったりするわけです。とすると、1問ごとの丸暗期勉強という風にしていい成績を維持してきた。

ところが、5年生になると内容が難しくなってまた量も増えるので、そういう繰り返し学習ができなくなる。

ところが、親御さんとしては頑張らせたい。でも、やらせ方が小4と一緒。となると、時間的にパンクしちゃう。もしくは、お子さんの気力の方が萎えてしまう。

という風になって、頑張っても成績が上がらないという状態になってしまって、それが元で途中で挫折してしまうということ。

そういうタイプの失敗例が1番多いんじゃないかなっていう気がしますね。

科目にもよると思うんですけども、例えば、社会なんかは4年生で1年間ずっと地理をやるじゃないですか。で、5年生でも地理をやるんですよ。

前半夏前まで地理をやって、で、秋からやっと歴史に入るんですよね。夏休み明けからということは地理を1年半やるんだけども、ほとんど同じことの繰り返しているわけなんです。

ですけど、5年生になって地理のできる子って、あんまり4年生のうちにガンガン詰めてない子っていうか、もちろん勉強はやってるんですけども、例えば、47都道府県の都道府県名と県庁所在地を楽しそうに言えるとか、県の形のシルエットクイズを楽しそうにできるとか、そういう子の方が多いですよね。

知識を次のテストに向けて必死で暗記していってっていうことばっかりやってる子に比べて、割とゆったり勉強してた子の方が5年で伸びるというか、少なくとも地理が嫌になってないっていう。

5年生になって、「もうまだ地理かよ」みたいな、「もうたくさんだ」みたいな気持ちになってない子っていうのはやっぱ強いですよね。

テキストの太字だけを覚えましょうってやってる子っていかに弱いんですよね。そうじゃなくって、すみっこに書いてあるエピソードとか、面白話とか、そういうものを楽し気に読んでる子というのは、その時成績あんまり良くなっても、将来的に伸びていく可能性は非常に高い。

理科社会なんかは特にそうですよね。

テキストを僕も問題集をたくさん出させていたいてるんですけど、問題集を作る、あるいは、子供に楽しんでもらうという考えながら作る時にやっぱり、問題もそうなんですけど解説のちょっと横に書いてある吹き出しであるとか、ワンポイント。

こういうところに目を通してほしいなっていうか、こういうところに目を通してくれたらこの問題でやってるとこ以外にもどんどん知識が広がるので、という意味も込めて書いてるんですよね。

なので、結構、親御さんは例えば、サピの社会と理科のテキストってこうプリントの表紙とか表紙の裏って、すごいたくさんその時期時期の情報があって、旬の魚だとかそういったことがあって楽しいんです。

これはとにかく表紙と表紙裏、例えると、雑誌の表紙と表紙裏ぐらいの扱いで、「さてさて本文本文」みたいな形でやられてる方も結構いらっしゃると思うんですけど、表紙裏こそしっかり活用というか楽しく親子で見ていただけたら本当に勉強というか学びが広がるなっていう、いいテキストだと思うんです。でも、うまく活用できてない方結構いらっしゃいますよね。

授業を受けて帰ってきたら、早速、宿題となった問題を解くっていうそういう使い方の方が多いですよね。

それが良くないですね。

そういう余裕を、特に4年生のうちは、意識的に取っておいていただけると、5年生になった時に先ほどみたいな、4年生と同じようにってい風にやらせるにしても、4年生の時の勉強が間違ってなければ踏襲すればいいだけですもんね。

なので、もし、5年生の時に回らないぞって思ったら、「4年生の時のやり方がまずかったかも。だから、ちょっと5年生で変えてみよう」っていう勇気は必要ですかね。

間に合いますか5年生で勉強のやり方を変えたら?

十分間に合うでしょう!

5年生でつまづいてるお子さん僕たちもよく担当させていただいたりするんですけど、4年生のテキストを見ながら4年生の時こうだったよねっていうのを思い出した上で、5年生の部分に入ったりとかっていう風なことやりますもんね。

そうですね。だから、5年生でつまづく原因の多くは、4年生部分の納得の度合いと言うか、表面上解けたとしても本当のところ分かってたのっていうところ。これを見てあげれば、5年生になってからの回復は早いですよね。

そうですよね。僕たちの立場から言う、やっぱり僕たちの仕事というか家庭教師でお子さんを目の当たりにして、「これちょっと今5年生だけどちょっと前のところが怪しいぞ」っていう時々に、その瞬時に、前のところに戻ってあげられるじゃないですか。

「これが分かってないてことはこれちょっとやってみて」っていう風に4年生の内容をもう一度おさらいしてもらって、ちょっと理解を深めた上で、「じゃあ、もう1ぺん戻ってきて」っていうのを、こう瞬時にやってもらえるっていうのが、我々のその仕事のすごくいいところかと思うんです。

けれども、家庭でもやはり家庭教師がついてるっていうのと同等にはもし行かないとしても、過去のテキストっていうのをちょっと見返して、見返した上で今年の5年生の勉強に入っていくみたいなことをやってくださると随分違いますよね。

そうですね。

じゃあ、いよいよ6年生なんですが、6年生でっていうのはもう直接入試の対策というかそういったところに繋がってきますか?

そうですね。志望校と現状の学力の差が極端に開いてしまって、今からどう頑張ってもその志望校には届かないからやめちゃおうかみたいな風になる方もいますよね。

で、もう1つのタイプとしては、勉強自体が嫌になってしまって、親の言うことを全く聞かなくなる。で、そこで気持ちのバランスが崩れてきて、それが原因で受験しないというかできなくなってくる。

という、その2つのタイプかなっていう気がしますね。

後者の方はねできる限り避けたいんですけれども。前者の方もやっぱり、親子さん自身もそうだし、お子さんもそうですけど、視野が狭くなりがちだよなっていう、前提条件というか。

まだ視野が狭くなる前、つまり、「6年生受験が迫ってくると、やっぱり、どんどん視野が迫ってくるのは仕方ないので、それまでに、視野が狭くなるからそうなった時のために備えとかなくちゃな」っていうこういう意識というか、知識というか、を持っておいていただけるといいですよね。

そうですね。そのためには、「偏差値だけでは見れない学校の良さ」ってのがあるんですよね。

僕はもう偏差値は度外視でいいと思ってるんですよ。

そうなんです。だってねその中学受験で偏差値50とか60って言うと、なんか大したことないって言われる方いるんですけどね、でも、その学校をもし高校受験をしたらどのぐらいの偏差値になるかというと、大体70を超えるんですよね。

つまり、それぞれの学校。学習面にはやっぱりかなり力を入れている。で、それ以外にグローバルとか、ICTとかっていうことも、私立の方はだいぶ力を入れ始めた。で、そういう良さを親御さんたちは十分に調べておいていただければいいなと思うんですね。

で、その中に我が子が入ってちゃんとその馴染んでやっていけば、こういう将来が見えるみたいな感じで見といていただいていいと思うんですよ。

もう1つ言うと、例えば第一志望に偏差値15足りない。でも、そこを受けていいと思うんですよね。だってそれ以外の日に他の学校をいっぱい受けられますから。だからお子さんのモチベーションを維持するために第一志望は変えないっていう方針でもいいと思うんです。

その代わりにまず大丈夫だろうっていう学校も受けることにする。で、しかも、その学校はそのお子さんも親御さんも気に入ってる学校を見つけておく。という風にすると、途中で挫折しなくって済むし、最後まで頑張ったっていう気持ちになれるので、その気持ちが中学校に入ってから生きてくるんですよ。

そうですね。学校選びで言うと僕はもう偏差値度外視っていう言い方をしたんですけど、やっぱり、私立の中学校っていうのは、6年間お子さんを中学1年生から預かって高校3年生までで、(学校によりますけど)持ち上がり制でずっと同じ先生が見てくれるっていう学校も多いじゃないですか。

そうすると、やっぱり、その多感な時期に中学校3年生で一旦おしまい、で、また高校、(これも一長一短あると思うんですけども新たな出会いって意味ではいい面もあるかもしれないんですけども)、「また1から自分のこと知らない方と一緒に勉強始めるっていうこと」と、それから、「6年間かけて自分のことを分かってくださる先生が6年かけて自分を育ててくださる」っていうこの違いはやっぱり結構無視できないと思うんですよね。

そういう意味では偏差値に関わらず中高生のその教育というか、人格教育も含めて、ずっとやってきてらっしゃる学校のノウハウって言ったらちょっと言葉が薄っぺらいですけども、いわゆる色というかがありますよね。

なのでその辺りね。もちろん偏差値もそうなんだけど、「この学校っていいな」とか「こういう教育方針の学校だったらお任せできるかも」っていう学校を偏差値に関わらず、複数用意しておくと、さっきおっしゃっていた「ここの学校だったら」っていうことはできますよね。で、そこの学校は別に偏差値で泣く泣く選んだわけじゃなくて親も子も気に入ってるっていう学校ができます。

こういう学校があると、やはり「あるA校に行けなければもう公立でいいや」っていうご家庭以外は、やはり、どこか私立に行かせたいっていう思いが中学校受験を目指したその裏側には有ると思うんです。

やっぱりちょっと地域の、例えば、公立中学校に行かすのがちょっといろんな事情でためらわれるとかいうような事情があったら、やっぱり私立にっていうのであれば、そういったこう視野が狭くなる前に、色んな選択肢に光を当てておいて、で、受験学年に臨むっていうのができるとすごく前向きな受験が迎えられますよね。

そうなんですよね。過去の生徒を思いしてみると、中学受験で偏差値の高い学校に合格したにも関わらず、家庭内暴力とか、不登校になってしまったなんていうお子さん少しいるんですよね。

逆に、中学受験では偏差値30の学校にしか合格できなかった。でもその学校ちょっとは気に入ってたんで、そこに行った。で、6年後、早稲田の政経に受かるなんていう風な例もよくあるんですね。

行く中学校って1個しか選べないじゃないですか。なので、その選択肢を選んだ自分しか未来はないので、それを選んだことが是となるように過ごせるような受験にするって大事ですよね。

結局ね、この学校に行って良かったねっていうのは結果なんですよね。この学校に行ったから良くなったんじゃなくって、その6年間その学校に馴染んで、ちゃんと頑張ることができた。その結果、6年後になって初めてここにいに来てよかったなっていう風に思える。

で、そうなるための中学受験だっていう風に思っていただくのが1番いいと思うんですね。

そうですよね。その学校のカラーに染まって、6年間。この6年間の蓄積って、(僕もあの実は経験しているのでものすごく思うんですけど)、すごく大きいんですよね。

その学校のカラーで生きていくというか、皆さん学校のカラーだけじゃなくても、その中高生の時に培ったアイデンティティで僕たち結構な年になりましたけど、根元の部分ってね。

なので、そういった時期をうまく過ごす。うまくというか、将来にこう繋がっていくように過ごさせてあげるっていう意味で、いろんな学校のメリットというか、良い部分っていうのに光を当てて、その中で受験校を決めていくっていうことをやっていくと。

偏差値だけで高偏差値ばっかりこうあのブランド揃えましたみたいな受験の仕方をするご家庭もあるじゃないですか。それはそれで全部気に入ってる学校でその学校がその方にとって今僕らがお話してるような位置付けであればいいんですけども、やはりちょっと勉強してきたんだからできるだけ偏差値の高い学校みたいな切り口だけで選んじゃうと、結構その後辛いっていう時期が、何年間続いたりとか。

やっぱり、親が、僕もあの過去僕がやっぱりこう講師としてまだあの未熟な頃に残念ながらそうなってきたかしまった事例ってのは見たことがあるんですけど、親子さんがもう打ちひしがれてしまうともうこんな学校しか受からなかったっていうので、失敗だったっていうので打ちひしがれる姿を見るほど辛いことないですもんね。子供からすると。

なので、受験学年を、今まさに迎えられてらっしゃる方は大変だと思うんですけども、今一度、実際の受験校決められる際にもう一度その辺りを振り返っていただくということもあのしていただけるといいかと思います。

とにかくね、中学受験の目的がですね、第一志望校合格だけが目的っていう受験にして欲しくないんですよね。

一番大きいのはその第一志望を目指すその学習のプロセスです。そこで、何をその感じ、何を身につけたか。そっちの方が実は価値は大きいという風に考えて、お子さんの学習に付き合っていただければと思います。

そうですよね。

子供たちに僕もよく「この中学受験の勉強で得た最大の宝物って何だって思う?」っていう風に聞くと、みんな即座に「うーん。なんだろう」っていう風に考え出すんです。

で、「色々やってきたけどっていう風に思うんだけども、いやそれってやっぱり毎日机に向かうっていう、これってちゃんとできてる小学生実は少ないんだよ。」っていう話ですよね。「これが身についてるっていうのは、ものすごく大きなことなんで、だからこそこれ絶対なくしちゃだめだよ。離しちゃだめだよ。宝物なんだだから」ていう話を重々して中学校に送り出すっていう。

で、お父さんお母さんも、別にがんじ絡めに(受験の時からそうですけど)する必要はないんだけど、ここで、「もう今まで一生懸命勉強頑張ってきたから、もう楽していいよ。楽しんでいいよ。っていう風に手綱を離しちゃだめですよ。」っていう風に言うんですけど。

「あの学習習慣全部なくしちゃったら、それほどもったいないことないですから。お子さんにもこう言ってるんで、親子さんからもこういった声掛けをしてあげてくださいね。」って話をするんです。

本当にそういう意味ですごく財産ですよね。学習習慣。

そうなんですよね。だからこれをお聞きの方々、くれぐれも合格が決まった2月から、あの中学校の入学式までの間の、2ヶ月間、遊ばせる期間2週間ぐらいあっていいんですけど、でもそれが終わった後は毎日1時間ずつでもいいので、ちゃんと勉強の習慣を取り戻すという。それをお願いしておきたいなと思いますね。

そうですよね。僕は担当したお子さんには必ず、受験前に、「今一生懸命必死で勉強してるけど受験終わったらこれって全部、塾もなくなるし、1ヶ月2ヶ月やることなくなるんだよな」って話をするんですよね。

で、「そうなったら結構なんか、こんなに勉強しなくて大丈夫かなみたいな気持ちになるよ。」っていう風にあらかじめ言っとくんですよね。

で、「いや嘘だ」とか、「こんなしんどいの」とかって「いや本当にこんなに毎日勉強してるのに、何もすることなくなったら、本当にそんな気持ちになるから、で、そんな気持ちになったら、次の中学校に向けて少しずつ宿題が学校からも出るはずだけど、ちょっとずつやっとくんだよ」っていう話をするんです。

この話を、親御さんにもやっぱり今ね。毎日勉強するのが当たり前である今、やっておいていただけると終わった時に、「どう?」っていう風な、新たな勉強のスタートの声かけがしやすくなると思うんですよね。

ということで、今日はあの挫折の話ということで話が始まったんですけど、結構そのまま挫折っていうような切り口でお話を始めたんですけども、この挫折をしないようにっていうことを気にしていただくっていうことは、これから先に繋がっていく勉強とか、お子さんの学ぶ力とかいうところに、ダイレクトに繋がってるなっていう風な気持ちになったんですけど、西村先生はいかがでしたか?

そうですね。こういう話をしながらふと思ったのがですね。じゃあ受験が終わるまで全く挫折を経験せずにそこまで行く子ってどのぐらいいるんだろうって思った時に、ほとんどいないだろうと思うんですよね。

例えば、テストの点数でどンと下がってしまったとか、ライバルと思っていた子たちにかなり遅れを取ってしまったとか、なんていう風な挫折感を持つ子って多いと思うんですよね。

で、それをどう捉えるかなんですけど親御さんとして。「それは子供にとって素晴らしい経験だ」その挫折の経験ができるという、で、しかも小学生という、その本当に幼い時期にそういう挫折の経験をし、で、それから立ち直っていった。もう1回立ち上がっていった。っていう経験でこれはものすごい大きな成功体験になっていくと思うんですよね。

だから、挫折さしちゃいけないもしくはその失敗さしちゃいけないっていう風に、親子があまり思いすぎない方も方がいい。挫折、もしくは、失敗があった場合には、「おっ、これで立ち直っていってあの素晴らしい経験ができる1つのチャンスを得た」ぐらいの気持ちもね、ちょっとは持っておいていただければいいなという気がしますね。

いま入試でもそうですよね。今の現代の中学受験って皆さん結構5校6校、あるいは、それ以上の学校を受ける方もいらっしゃるんですけど、全部合格っていうのはほぼほぼないですもんね。

やはりその短い期間の中でも挫折を味わって、そっからまた合格もらって、で、受験校が決まって晴れて中学生になったっていうこの成功体験を元に学校生活を始めれるっていうのはものすごく大きいですよね。

そうですね。

はい。ということで、皆さん今日のお話是非お子さんにもね。いろんな中学校のいいところ、日の当たる点に是非注目して我が子行かせたい学校っていうのを選ぶ際にも、いろんな視点でね選んでいたいければと思います。

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