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中学受験を目指す5年生、夏休みの過ごし方

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公開: 最終更新日:2021年07月13日

中学受験に向け、勉強が少しずつ本格的になってきた5年生。
長い夏休みを無駄にしないためにはどのように過ごせばよいのでしょう。
また、今年はコロナ休校の影響で、例年よりも夏休みが短くなります。
短い中でも中学受験に向けてしっかり実力をつけられるよう、夏休みの勉強方法について、解説いたします。

中学受験5年生、夏期講習のスケジュール

通常、中学受験5年生の夏期講習スケジュールというのは、4~5日授業があって1日休み、というサイクルを繰り返し、8月の真ん中に7~10日くらいお盆休みが入るというパターンが大半です。
通常授業では1週間で単元を一つ学ぶという進度のところが、夏期講習では週に2~3単元、塾やクラスによっては1日で1単元を学ぶところもあります。
夏期講習では基本的にそれまでの復習が中心ではあるものの、このスピードについていくのは大変です。

連日授業があるうえに宿題も毎日出されます。
するといつの間にか、翌日の授業までになんとか宿題を間に合わせるという目先の目標にとらわれてしまい、宿題をこなすだけで夏を終えてしまうということになりがちです。

通常だと約40日ある夏休み、5年生の夏期講習は全15~20日間で組まれることが多いため、「夏休みの半分くらいしかないのか」と思うかもしれません。
しかし、進度が速くて演習中心、さらに宿題も出るため、しっかり計画を立てておかなければ、目の前の宿題をやっつけるだけで夏が終わってしまいます。

今年は夏休みが短いこともあり、〈4~5日授業+1日休み〉のサイクルが、7月の1回分、中には7月と8月末の2回分、例年よりも少なくなっている教室もあります。
その分、いつもより授業がスピードアップするかもしれません。

夏期講習でカリキュラムを進める塾もある

基本的には夏期講習は復習にあてている塾がほとんどです。
しかし、中には、夏休みでもどんどんカリキュラムを進めていく塾もあります。関東ではサピックス、関西では馬渕教室が、そのようなスタイルをとっています。
通常の授業が連日あるというのは、本当にキツイです。復習も宿題もその日のうちにしなければなりません。
このような塾に通っている場合、しっかりと計画を立てておかなければ、忙しいだけで何も身につかずに夏が終わってしまいます。

1夏休みの勉強法

1日のスケジュールを決める

中学受験を目指す5年生、夏休みをうまく乗り切るためには、1日のスケジュールを決めておくことです。
夏期講習を受ける場合、まずは、授業の復習と宿題をやる時間を決めましよう。このとき、復習の時間と宿題の時間を一緒にしてはいけません。
復習では、その日の授業で習ったことを振り返ります。ここで大切なのは、考え方や解法を思い出し、記憶に定着させることです。

その日の復習を終えたあと、宿題にとりかかります。
宿題では、その日に学んだことの演習問題が出されているはずです。
復習で思い出した考え方や解法を元に宿題を解くことで、「理解した」から「自分で解ける」へとステップアップさせることができます。
いきなり宿題を解くのではなく、復習という工程を挟むことで、着実に解く力が身につきます。
毎日のように授業があってせわしない夏休み。「なんとか宿題をこなすだけ」という学習にならないよう、復習の時間を1日のスケジュールにしっかりと組み入れておきましょう。

1回1回の授業を大切に

連日授業のある夏期講習中は、今日習ったことを分からないまま1日が終わってしまったら、明日はまた別の単元に入ってしまいます。
ですから、授業中しっかり理解できるよう、先生の話に集中することが、非常に大切になります。

塾での授業に慣れてきて、塾の友達もできて、夏休みの解放感もあり、つい気が緩みがちな5年生。ここで今一度、「授業に集中する」という基本に立ち返りましょう。
夏期講習期間中は、自宅学習での巻き返しを図るにも、時間が足りません。
塾での授業時間が非常に貴重であると認識することが、夏休み学習攻略の鍵となります。

分からない問題は、休講日に解決する

授業に集中していても、やはり分からないところは出てくるものです。
もし、どうしても分からないところがあったら、そこに固執するのではなく、いったん手放します。とはいえ、そのまま放ったらかしにしてはいけません。この分からなかった問題は、4~5日に1日設けられている休講日や、お盆休みなどに解決しましょう。

中学受験5年生の夏休み算数学習は「割合と比」の習得が山場

中学受験を目指す5年生にとって、夏休み学習の成否を分けるポイントのひとつに、算数の「割合と比」単元の習得があげられます。
「割合と比」はその単元だけでなく、図形問題や速さの問題など、別の単元にも関わってくる非常に重要な考え方です。

多くの中学受験塾で、5年生の1学期後半あたりに「割合と比」を学ぶカリキュラムが組まれています。夏期講習でしっかり復習し、夏休みの間にこの単元を仕上げておくことで、秋以降の学習にも弾みがつきます。

講習のない日の過ごし方

講習のない日の過ごし方も大切です。
お休みだからといって、生活リズムを崩すことのないよう気をつけましょう。
長い夏休み、就寝時刻や起床時刻を一定に保つことが、心身の健康管理の基本です。

学校から出る夏休みの宿題

中学受験を目指す5年生にとって、学校から出される夏休みの宿題は、大きな悩みの種。
毎日のように夏期講習が入っているため、後回しになってしまうことが多いようです。
8月末に大慌てでたまった宿題に手を着ける…なんてことも。
学校の宿題は、中学受験の勉強と比べると簡単な内容が多いため、つい軽んじてしまいがち。
簡単でも量の多い夏休みの宿題は、まとめてやるより、小分けにしてコツコツこなしていくようにしましょう。

気軽に取り組める学校のドリルは、朝のウォーミングアップに最適です。
学校のドリルだ目を覚ましから、塾の漢字や計算問題に取り組む。この流れで朝の学習を習慣化できるとよいですね。

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